わたしと仔犬のこの部屋での不思議な生活を、
世界の誰にも知られたくない。
だけど
仔犬と私の、
友達とかルームメイトとかそういう辞書に載っているような言葉では説明し難いこの関係を、
世界中の誰もに分かって欲しい。
「れいは俺のこと殺したいって感じなんでしょ?」
と、
怯えた仔犬のような目で私を見る。
ずるいよなぁ。
「てゆか殺したいなら今殺してるし。」
仔犬が部屋のインターホンを押してうちに来るまでのいちにちと、
仔犬が訪れてきてからの最初の数時間は、
わたしは監禁罪を犯す犯人のよおな気分だった。
その後、
この仔犬はだんだんと私になついてきて。
かわいい。
てゆか欲しい。
物じゃないの、分かってる。
でも欲しいよ。
ヒカリくんがドイツに行くまでのたった半月を、
「ヒカリくんのために借りたあの渋谷の家で一緒にいてよ」
と言った。
その場にいた仔犬の事務所の社長は、
きっと私の気持ちを分かってる。
けどこの子にはどうしたって伝わらなくて。
「ねぇれい、もしかしてさ…」
と
彼はベッドに横たわりながら
至近距離で私と目を合わせたまま
長い ま を置くので
わたしは心臓が止まりそうになった。
だけど
「俺たち、友達ならうまくいきそぉじゃない?」
そして彼はその理由とか、
「もぉ手出したりしないから」
とか延々語り、
私はしばらくそれを黙って聞いていたけれど、
彼が
「『好きだよ』って言っちゃう時あるかもしれないけど、
それは友達として好きだよって意味だって…」
と言うので、
「友達にはなれないよ」
と私は言い、
それ以上語るのをやめていただいた。
「なんで?」
こういう状況で、
泣きながら
「友達にはなれない」
と言っている
その理由が分からない貴方の頭の中が
私にとっては「なんで?」だよ。
私はもう、近いうちにこの子の前から消える。
でもこの子の「親代わり」の社長は大変だなぁ、と。
社長の愛情だって仔犬には三分の一も伝わってないよなぁ。
MACAUのテラスで今日も仔犬は「事務所をやめたい」的発言をし出して…
突然
事務所と裁判した時の自分の弁護士に電話して
違約金の額聞いてたけど、
覚えとけょ自分の違約金の額くらいッて感じだった(笑)
あそこまでマジで「親代わり」になってくれる人そうそういないと思うけどなぁ…
きっとこの子また口先だけのうまい話に騙されるんだろうなぁそのうち。
でももう、わたしは身を引くよ。
大事に思ってるのに、
伝わらないのは、淋しいし。
それでも…と全てを受け入れられる程わたしは大人じゃない。
全て行間を読めとゆってるわけでもないのに
何も分かってくれなかったら
やりきれないよ。
それでも私は、
この仔犬とシングルベッドで一緒に寝て。
寝る時は仔犬はわたしの親犬になって私を温めてくれる。
仔犬はライブ以外の仕事や打ち合わせをほとんどキャンセルして、
代わりに私の家で仕事をして、
たまにベッドで寝ている私をかまいにきてくれる。
約束通り仔犬は私に手を出さなくて。
でも「ハグ」してくれる。
私と仔犬のこの部屋での不思議な生活を、世界の誰にも知られたくなぃ。
仔犬と私の、友達とかルームメイトとかそういう辞書に載ってるような言葉では説明し難いこの関係を、世界中の誰もに分かって欲しい。
ほんとに私はわたしより「変な子」に初めて出逢ったし。
こんなに自分とある意味似ている人間と初めて出逢った。
初めて話してからたった数ヶ月の仔犬と私は何度モメたか分からない。
のに気がつけばわたしは仔犬が隣にいることに癒されてる。
私はこの子に、
どれ程信頼している友達にも話したことがないような心象風景を語り、
仔犬も
「人に話さないこともれいには話しちゃう」と言い、
自分の過去や価値観を語る。
本当に「ソウルメイト」なのかとたまに真剣に考えてしまう程、
この子の存在は私にとってとても不思議で。
でも、もう、
同じ喧嘩を繰り返して同じ場所に還るのは最後にしようね、
だって言ってしまいそうになるから
なんか世界一自分が悲しくなる
「どうして好きになってくれないの」
なんてゆうセリフを。
4月の昼下がりに
夏服を着てオープンカフェのテラスで
グラスワィンを飲みながら 、
瓶コーラの代わりにビールを飲む仔犬を眺める。
このままずっとこうしていたいと思った。
親友にも一生言わないようなことを
お互いの主治医に話すようなシリアスでもなく
まるで楽しい話しかのように
真夏のちょっとだけ前に
MACAUのオープンテラスで
2人で一生語ってた at SHIBUYA
日本にないようなフォー食べながら
(当時のブログを短くしてコピペしたものです)
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