セッション一覧

8月25日現在の登録データをもとに作成しております。

下線付き氏名は講演者を示します。

講演番号を□印で囲んだ講演は英語講演を示します。

6講演以上のセッションでは,3講演後に10分間の休憩があります。


  • セッションNo.87 車両開発I
  • 10月11日 名古屋国際会議場 131+132 13:00-14:15
  • 座長:槇 徹雄(東京都市大学)
No. タイトル・著者(所属)
001

内傾機構を備えたパーソナルモビリティビークル(PMV)のボデー捩り剛性の必要性

原口 哲之理(日本大学/名古屋大学)・金子 哲也(大阪産業大学)・景山 一郎(日本大学)

一般に自動車では4輪の不静定性ゆえに,車両の前後部各々のロールモーメントとロール剛性のバランスの不一致がボデー捩り剛性の必要性に関わる.然るに3輪が静定なPMV,或いは内傾機構を備えたPMVではどうかなど,論じられた例がない.そこで本報では内傾機構を備えた3輪PMVのボデー捩り剛性の必要性を考察する.

002

マルチエージェント交通流シミュレーションを用いた自動走行システムの高度化に資するテスト技法の開発

北島 創・内田 信行(日本自動車研究所)・菅沼 直樹(金沢大学)・奥野 唯(OS企画)・田島 淳(三咲デザイン)

一般道を自動走行システムが安全かつ円滑に走行するためには複雑な状況に対処できる高度な認識・判断技術が不可欠である.希少な事象を実証実験によって収集・検証することが難しい課題を解決するため,マルチエージェント交通流シミュレーションの機能拡張によって希少な事象を効率的に検証できるテスト技法を報告する.

003

摩擦帯電現象を利用したタイヤ周辺センサのバッテリーレス化技術の開発

杉本 睦樹・黒田 賢一・藤原 崇博・藤原 謙吾・亀川 久恵(住友ゴム工業)・谷 弘詞(関西大学)

タイヤは自動車の中で唯一路面と接する部分であり,摩耗や路面状態など多くの情報を取得できると言われている.しかし,タイヤ内への外部からの電源供給は困難な上に,電池ではタイヤ寿命まで必要な電力を賄えない.そこで我々は摩擦帯電現象に着目し,走行速度に依らず電池レスでセンサの駆動が可能なシステムを設計した.

  • セッションNo.88 車両開発II
  • 10月11日 名古屋国際会議場 131+132 14:55-16:35
  • 座長:櫻井 俊彰(東京都市大学)
No. タイトル・著者(所属)
004

マルチツールをオンライン連成するCo-Simulation環境の構築(第3報)
-エンジンサーマルプラントを用いた温度特性考慮による車両性能予測精度向上-

緒方 健一郎・武田 真明・歳實 剛・岩瀬 裕夢(本田技研工業)・菅又 遼平・齊藤 光宣(本田技術研究所)

パワートレイン開発効率向上の一環として,高精度な車両性能予測シミュレーション技術が必要である.本報の目的は,走行環境変化に対する高精度な燃費性能予測技術の構築である.サーマルプラントモデル連成Co-Simulation環境を構築した.本環境は,広い走行環境変化が考慮されたEPA 5-Cycle燃費性能を,高精度で予測可能である.

005

量子コンピューティングの自動車材料デザインへの適用可能性(第2報)
-量子インスパイアード手法の材料スクリーニングへの応用-

菅 義訓(トヨタ自動車)・丸尾 昭人・實宝 秀幸(富士通)

量子コンピューティング技術の将来的な自動車材料デザインへの適用可能性に関し,量子インスパイアド手法の一つであるデジタルアニーリング(疑似量子アニーリング)を材料探索に適用した事例を紹介する.

006

アルミめっきホットスタンプ鋼板の抵抗スポット溶接シミュレーション

福本 学(日本製鉄)・多田 直哉(岡山大学)

アルミめっきホットスタンプ鋼板の抵抗スポット溶接では,焼入れ前の鋼板加熱条件が適正電流範囲の広狭に影響する.本研究では,鋼板加熱条件により変化するめっき層構造の影響を考慮可能な界面接触抵抗モデルを構築し,長時間加熱の場合に適正電流範囲が縮小する傾向をシミュレーションで予測できることを示した.

007

深層強化学習とAIサロゲートモデルを用いたトランスミッション自動適合技術の開発

小杉 寛明・平尾 公一・稲生 崇人・淡路 彩乃・山本 光夫(SUBARU)

AIを活用した制御適合の効率化に取り組んでいる.適合の自動化は,深層強化学習を用いて官能評価を模擬した報酬を与えることで,人による適合と同様の適合結果を再現した.計算負荷の高いトランスミッション油圧制御部は,AIサロゲートモデルを用いて高速化することで,適合期間削減の見通しを得た.

  • セッションNo.89 金属材料I
  • 10月11日 名古屋国際会議場 133+134 9:30-11:35
  • 座長:嬉野 欣成(トヨタ自動車)
No. タイトル・著者(所属)
008

薄鋼板のせん断負荷状態における延性き裂発生特性評価法

畑本 麻斗・島貫 広志(日本製鉄)

衝突事故が発生すると,部材に曲げ変形が付与され,延性破壊する事がある.曲げ変形が付与された金属材料表面ではせん断負荷によりき裂が発生すると想定されるため,せん断負荷による延性き裂の発生・進展挙動を評価する試験片を開発した.開発試験片を用いて引張強さ590MPa級のせん断負荷状態での延性き裂発生特性を評価した.

009

第3世代ハイテンを活用したAピラー部品試作と性能評価

田口 裕樹・前田 康裕(神戸製鋼所)

材料の高強度化に伴い成形性は低下するが,高強度かつ高成形性を両立した第3世代ハイテンを用いることで,冷間成形部品を薄肉化し,自動車軽量化への寄与が期待できる.ここでは,第3世代ハイテンを用いた冷間成形工程の検討,実試作,および性能評価を実施し,革新鋼板の自動車部品への適用可能性の検証結果を報告する.

010

4点曲げ試験片による薄鋼板の遅れ破壊評価試験方法
-超高強度薄鋼板の耐遅れ破壊特性に及ぼすせん断端面の影響-

戸畑 潤也・木村 英之・金子 真次郎・松木 優一・新宮 豊久(JFEスチール)

自動車用冷延鋼板の遅れ破壊評価では,せん断加工の影響を正確に把握する必要がある.そこで,本研究ではせん断端面を有する鋼板に対して4点曲げによる応力付与を行う遅れ破壊評価方法を用いて破壊限界応力を評価し,超高強度薄鋼板の耐遅れ破壊特性に及ぼすせん断残留応力およびせん断歪の影響を明確化した.

011

強くて壊れにくいフェールセーフ鋼を超える究極の強靭材料創出への挑戦(第1報)
-バイオミメティクスの活用-

井上 忠信・木村 勇次・原 由佳・原 徹・中里 浩二(物質・材料研究機構)・岡 慎一郎(美ら島財団)

生物が持つ軽さと強度を両立できる階層的な微視組織構造は,生物由来の材料開発のヒントになる. ここでは,甲殻類陸生最大種であるヤシガニの外骨格の組織構造,組成,局所的な機械的特性(硬度 (H) と弾性率 (E)) の間の相関性を,材料工学の最先端の装置と手法でのアプローチした結果について紹介する.

012

ホットスタンプ鋼板の衝突破壊挙動に及ぼすC量の影響

井上 功之・幸重 良平・山田 みなみ・澤井 百世・中島 伸吾(コベルコ科研)

自動車の車体部材ではホットスタンプ(HS)鋼板が採用されることが多い.軽量化や衝突時の安全性向上を目的としている.本件では炭素量の異なる3種類のHS鋼板を試作し,衝突破壊挙動をハット部材もちいた圧壊試験で確認した.また,破断モデルを考慮したFEMを実施し,試験結果と比較した.

  • セッションNo.90 金属材料II
  • 10月11日 名古屋国際会議場 133+134 12:35-14:15
  • 座長:石倉 亮平(大同特殊鋼)
No. タイトル・著者(所属)
013

高周波焼入れされたシャフトの残留応力分布特性に及ぼす諸因子の影響に関する数値解析的検討

大藪 友希・岡野 成威(大阪大学大学院)・山田 明徳(いすゞ自動車)・望月 正人(大阪大学大学院)

焼入れ時の相変態を考慮した硬さおよび残留応力分布の数値解析モデルを構築し,シャフトの高周波焼入れシミュレーションで得られた結果を実測結果と比較することでモデルの有用性を検証した.その後,種々の焼入れ条件を設定し,得られた数値解析結果から硬化層深さとの関係に着目した残留応力分布特性の評価を行った.

014

面内圧縮を活用した車体骨格部品のスプリングバック抑制成形技術

三宅 弘人(JFEスチール)・豊田 大介(KTH Parts Industries)・紺川 洋一(エイチワン)・新宮 豊久(JFEスチール)・山﨑 雄司(元JFEスチール)・玉井 良清(JFEスチール)・武部 洋行(KTH Parts Industries)

コの字断面かつ平面視で縦壁が湾曲した部品を従来の曲げ工法で成形すると,壁反りにより断面が波打つように弾性回復し,寸法精度の確保が難しい.本研究では,成形中に断面方向に圧縮力を付与し,壁反り要因の板厚方向応力差を抑制することで寸法精度が大きく向上することをCAE解析及びプレス実験で明らかにした.

015

各種表面処理鋼板の冷却水に対する耐食性

三宅 恭平・松井 翔・乘田 克哉・上野 晋・山口 伸一(日本製鉄)

EV車では搭載バッテリーの大容量化が進んでいる.これに伴い,バッテリーの温度上昇が懸念されるため,より冷却効率の高い水冷方式が採用されている.水冷に用いられる冷却水に対する各種表面処理鋼板の耐食性を評価した結果について報告する.

016

異方性降伏関数を用いた金属材料の破断予測高精度化への取組

幸重 良平・井上 功之・中島 伸吾(コベルコ科研)

数値解析で車体部材の破断挙動を予測する際,等方材料モデルとGISSMOモデルを組合せたモデルがよく用いられている.ここでは精度向上の手段として塑性異方性降伏関数(Hill48,YLD2000-2Dおよび吉田6次など)をモデルに組み込み,アルミ板材を用いた引張試験片やHAT部材の3点曲げ試験を行い,解析精度への影響を確認した.

  • セッションNo.91 金属材料III
  • 10月11日 名古屋国際会議場 133+134 14:55-16:35
  • 座長:樋渡 俊二(日本製鉄)
No. タイトル・著者(所属)
017

自動車用鋼板のレーザー溶接HAZ軟化部破断におよぼす引張方向の影響

天野 由紀子・吉田 一也・窪田 紘明(東海大学)

高強度自動車用鋼板のレーザー溶接部ではHAZ軟化部で破断する問題がある.本研究では1500MPa級鋼板を用いて,レーザー溶接線に対して任意の方向に引張りを加えて強度を評価した.その結果,溶接線角度を20°とすることで継手強度と伸びが大幅に向上することを明らかにした.さらに,FEMを用いてそのメカニズムを考察した.

018

混合荷重におけるエルボソケット溶接継手の疲労破壊

王 暁光・梅澤 篤志(東京濾器)

ステンレス鋼エルボパイプとソケットの溶接試料を用いて混合荷重状態での疲労評価を行った.応力集中部でMode IあるいはMode I + IIIの疲労破壊が発生し,その始点は荷重モードによって異なった.負荷荷重を曲げとねじりに分けて分析し,ひずみエネルギー解放率を用いて計算した応力拡大係数振幅における疲労限度を決定した.

019

オフロード車両の車輪に加わる負荷の解析およびハブボルト・ナットのゆるみに関する一考察

晴山 蒼一・真鍋 健一・小林 訓史(東京都立大学)

終減速装置を搭載するオフロード車両の車輪に加わる垂直・水平荷重(牽引力),遠心力,駆動トルクなどの解析および実働負荷測定から負荷頻度線図をまとめた.実働荷重下の車輪のハブボルト・ナットのゆるみ傾向について測定し,ゆるみ寿命推定法を提案するとともに車輪脱落のリスクついても検討した.

020

アーク溶接構造の公称構造応力による疲労寿命予測
-フレア継手の検討-

笛木 敦史(日本大学大学院)・岡部 顕史・冨岡 昇(日本大学)

公称構造応力算出法をアーク溶接重ね継手や,両側隅肉溶接T字接手に適用し,公称構造応力を精度よく算出できることが示されている.本研究ではスポット溶接構造の公称構造応力算出法をアーク溶接フレア継手に適用し,溶接長さなどの溶接形状と公称構造応力値との関係を調査し,また疲労データを公称構造応力で整理した.

  • セッションNo.92 自動車の運動と制御I
  • 10月11日 名古屋国際会議場 141+142 9:30-12:10
  • 座長:髙橋 絢也(日立製作所)
No. タイトル・著者(所属)
021

レーンチェンジ操作時のドライバーのタイヤ官能評価を予測する機械学習モデルの開発

濱谷 光吉・川眞田 智・本田 真哉・内田 和男(ブリヂストン)・大野 和則・昆陽 雅司(東北大学)

タイヤ開発者にとって,主観評価結果の根拠を明確にすることが重要である.本研究では,ドライバーの知覚に関わる計測データを入力とし,主観的評価を出力とする機械学習モデルを構築した.さらに,モデルによる判定結果の根拠を明確化した.

022

トレッドモデルの変更によるタイヤの仕様検討への影響

豊島 貴行(本田技術研究所)・松澤 俊明・穂高 武(本田技研工業)・樋口 英生(本田技術研究所)

既存研究において,タイヤのトレッド部の物性や構造がコーナリング特性へ与える影響について明らかにしてきた.本稿では既存研究の成果をベースに,接地圧の分布形状やトレッドパターン等がコーナリング特性へ与える影響について論ずる.

023

オフロード(泥濘路)におけるタイヤ性能の定量化と官能との紐づけに関する研究

西川 耕史・渥美 健夫(トヨタ自動車)

 タイヤの開発において,オフロード性能の多くは,官能で評価されてきた. 定量評価を確立するのが難しい側面の1つは,経験豊富な評価者の暗黙知に依存して行われ,運転操作が明確でなかったことである. そこで,泥濘での走行方法の分類と計測条件の設定に着手. 性能を定量的に評価できるようになった.

024

ブラッシュモデルを用いたタイヤのμ-s特性検討

景山 一郎(先進路面摩擦データベース研究組合/日本大学)・渡辺 淳士・栗谷川 幸代(日本大学)・原口 哲之理(先進路面摩擦データベース研究組合/日本大学)・金子 哲也(大阪産業大学)・西尾 実(アブソリュート)

μ-s特性を考える場合,接地面内の粘着域とすべり域の関係を把握する必要がある.この場合,最大静止摩擦,動摩擦,その移行過程,およびトレッド剛性等がその形状に影響を与える.過去実施した路面摩擦特性計測の精度向上を狙い,これらの要素間の検討をブラッシュモデルを用い把握する試みを行った.

025

オフロード車の砂地走破性向上に向けたメカニズム解明と制御に関する研究(第1報)

木村 優介・河野 隆修(SOKEN)・穂積 佑哉・野﨑 雄介・能川 真一郎(トヨタ自動車)

砂地走行での駆動力発生やスタック現象のメカニズム解明のため,タイヤ一輪ベンチを構築し走行実験を行った.
特に砂の物性値に着目し砂の乾湿状態や種類が,発生する力,砂の変形に与える影響を明確にした.
さらに砂挙動解析より,従来モデル式で未考慮のタイヤ表面でのスリップを見出し,これを用いた補正式を提案した.

026

オフロード車の砂地走破性向上に向けたメカニズム解明と制御に関する研究(第2報)

穂積 佑哉・野﨑 雄介・能川 真一郎(トヨタ自動車)・木村 優介・河野 隆修(SOKEN)

第1報では,砂地走行での駆動力発生やスタック現象のメカニズムについて,砂の物性値に着目して明確にした.本稿では,4輪の実車両に拡張してメカニズムの検証を行うとともに,効率的に走破する方法について言及する.スタックを抑止し,最も駆動力が得られる走行方法について,シミュレーションと実車を用いて検証した.

  • セッションNo.93 自動車の運動と制御II
  • 10月11日 名古屋国際会議場 141+142 13:10-14:50
  • 座長:服部 義和(豊田中央研究所)
No. タイトル・著者(所属)
027

An Investigation on Chassis System Control based Fail-Over Logic as the 2nd Redundancy of Steer-by-Wire System

Kyuwon Kim・Miri Jeong・Kwanwoo Park (Hyundai Motor)

A method of providing emergency steering function in a situation where the driver's steering input is not transmitted to the ground wheel due to a failure of the Road Wheel Actuator(RWA) of Steer-by-Wire system was studied in this paper. Representative test conditions were selected in consideration of the usual driver's limit steering conditions, and the lateral behavior such as yaw rate generated from the driver's steering input by vehicle speed was set as the target value in case of RWA failure, so that the actual yaw rate follows the target value via proposed rear wheel steer and differential braking based feedback control method. As a result of the performance verification, the safety control concept based on the rear wheel steering angle was found to be valid for the operation of a universal failover strategy for each vehicle speed and physical failure type.o each failure type was analyzed and verified and the actual vehicle test was performed.

028

前後同相操舵による新たな価値の創出

佐藤 渉・土屋 義明・福川 将城(アイシン)

後輪操舵は近年欧州車を中心に採用が拡大し大舵角化も進んでいるが,主に低速域の逆相に限られている.今回,全速度域の同相操舵において,ヨーレートを発生させない制御則を開発し,将来の自動運転に向けた快適な横移動を実現可能とするシステムを提案する.また,本システムを用いた各速度域での応用例も紹介する.

029

車両前後加速度と車輪速度を用いた車両運動とタイヤ特性の関係に基づくブレーキトルク推定

瀬戸 信治(日立製作所)・後藤 大輔(日立Astemo)

電動ブレーキを低コストで実現するため,推力センサレスでのブレーキトルク推定方法を検討した.その結果,各輪のスリップ比,タイヤ前後力等の関係式を基に,車体前後加速度と各輪の車輪速からブレーキトルクを推定する方法を導出し,本推定方法の有効性をシミュレーションと実車で確認したので報告する.

030

車両の電動化に伴う乗心地への影響と対応技術

香村 伸吾(トヨタ自動車)・山門 誠・安部 正人・山本 真規(神奈川工科大学)・吉見 剛(トヨタ自動車)

車両の電動化に伴い低重心・低ピッチ慣性モーメントなどのばね上慣性諸元,エンジン懸架系共振などのばね上振動感度,パワートレインの回転慣性・剛性などが変化し運動性能への影響が考えられる.これらについてボデーコントロール,プライマリーライド,セカンダリーライドの各現象への影響を整理し,制御を含めたサスペンション特性の設計方法を提案する.

  • セッションNo.94 自動車の運動と制御III
  • 10月11日 名古屋国際会議場 141+142 15:30-17:10
  • 座長:豊島 貴行(本田技術研究所)
No. タイトル・著者(所属)
031

DEM(Discrete Element Method)を用いた砂地走行性能の予測に関する研究

中村 洋平・伊藤 健介・鈴木 良太・縄野 昌明(日産自動車)・須藤 真琢・勝又 雄史(宇宙航空研究開発機構)

自動車の砂地走行性能の開発は砂地試験場での実車実験が一般的である.一方で,砂の特性が外環境で変化することや砂地試験場が限られていることから,効率的に開発を進めるための砂地走行性能の予測技術が求められている.本研究では,砂地走行の性能予測を離散要素法を用いて行い,実車実験と比較した結果を報告する.

032

操舵トルク入力下における動的ロール中心についての数値的研究

谷崎 広太・酒井 英樹(近畿大学大学院)

動的ロールの中心が低い方がロール時の接地感が良いとの試乗レビューがある.その設計指針は舵角入力下でのみ導かれていた.そこで操舵トルク入力時の中心高さをロール固有振動数の数値計算によって解析した.その結果,トルク入力では角度入力よりも中心が高くなりやすく,中心低下にはロール減衰係数減少が有効である.

033

二輪モデルにおける特性方程式の運動力学的理解と伝達関数分子の物理的意味

菱沼 祐太・王 威・毛利 宏(東京農工大学)

自動車の線形二輪モデルの運動を,後輪の迎え角を変数とする1自由度の減衰振動系の運動方程式で記述した.その運動方程式から,動的指数が1.0のとき,後輪の軌跡を基準に前輪が回転する振動モードがあることがわかった.また,動的指数が1.0でない場合の振動モードも特定した.

034

機械学習を用いたパワートレーン出力トルクモデル検討とTCSシミュレーションへの応用

高橋 聡太朗・加藤 拓也・粕谷 祐太朗・目黒 賢一・根本 賢良・尾中 理人(ボッシュ)・青島 健太(SCSK)

シャシー制御開発環境へのシミュレーション適用に向けてTraction Control System(TCS)作動時のエンジントルクの再現性が必要とされている.そこでDATADVANCE社製の機械学習モデリングツール:pSevenを用いて,実車両データを基に学習させたサロゲートモデルを生成した.生成されたモデル予測精度と弊社シミュレーション環境での検証結果を報告する.

  • セッションNo.95 SI機関I
  • 10月11日 名古屋国際会議場 211+212 9:30-11:10
  • 座長:森吉 泰生(千葉大学)
No. タイトル・著者(所属)
035

Ignition Control Strategy Considering the Effect of Humidity on Combustion Characteristics of Gasoline Engines under EGR Conditions

Chan Ki Min・Sung Wook Lee・Jin Hong Kim (Hyundai Motor)

In this study, the effect of humidity on combustion characteristics was analyzed in connection with the EGR usage conditions, and based on the results, ignition timing control strategy was developed considering both factors. Through this control strategy, it is expected to improve engine efficiency and knocking in dry climates that have previously occurred due to humidity differences, and also reduce the engine mapping deviation according to the difference in humidity by regional and seasonal climates.

036

副室ジェット燃焼方式内燃機関における燃焼特性と副室諸元の関係の考察

椎名 亮介・新谷 祐輔・安藤 博和・木村 範孝(本田技術研究所)

副室ジェット燃焼の複雑な事象と課程およびそのメカニズムを燃焼CFD Convergeを用いて考察し, 燃焼特性から諸元に至るまでの一連の物理量について繋がりを明らかにした. 本稿ではそのメカニズムの一例として, ノッキングに寄与する後半燃焼期間から, 副室内熱発生量に寄与する副室容積までのメカニズムについて考察した結果を示す.

037

多成分燃料を用いた高圧燃料噴霧の加熱平板における付着蒸発挙動の計測

加藤 真亮・安達 龍・椎名 義朗・中山 智裕(SUBARU)

多成分燃料である市場ガソリンを用い, 直噴ガソリンエンジン用高圧燃料噴霧が加熱平板へ付着した際の燃料液膜の付着蒸発挙動を計測. ガソリン自体の蛍光2波長計測に加え, ドナー分子として微量DMAを添加した錯体蛍光の強度比を用い, 蒸発過程における液膜の蒸留特性と温度を導出. 蒸留特性と温度を用い加熱平板上の付着燃料液膜の蒸発過程における液膜厚さを時系列で導出した. 加熱平板温度と燃料噴射圧力の条件を変化させ, 高圧ガソリン噴霧の加熱平板上における付着蒸発挙動の変化について考察を行った.

038

小型2ストローク対向ピストンエンジンの基礎特性解析

五十嵐 凌・時田 一歩・飯島 晃良(日本大学)

自動車におけるEV化推進が求められる中,電動化に対する内燃機関の役割は非常に大きい.その中でも,対向ピストンエンジンを発電用に扱うことを想定し,従来よりも軽量化・常時高効率運転・振動騒音低減の期待に応える.本研究では,試作した対向ピストンエンジンの基礎的な性能実験を行い,課題点を明らかにした.

  • セッションNo.96 SI機関II
  • 10月11日 名古屋国際会議場 211+212 12:10-13:50
  • 座長:堀 司(大阪大学)
No. タイトル・著者(所属)
039

コルモゴロフスケールを活用したスーパーリーンガソリンエンジンのMBD開発

坂井 洋志・木村 幸四郎・大村 哲生・高橋 大志(トヨタ自動車)

将来のカーボンニュートラルを目指し自動車の排出するCO2を低減するには,ゼロエミッションビークルの普及に加えて,従来のガソリンエンジンの熱効率を向上させることが重要である.
燃料を極めて希薄な状態で燃焼させるスーパーリーンバーンは,熱効率向上の重要技術の一つである.
スーパーリーンバーンの成立には,筒内気流の乱流強度を高めて乱流燃焼速度を上げることが必要であり,乱流強度を高める技術開発にはCFDを活用したMBDプロセスが有効である.
一方で,数値粘性により乱流場をモデル化した従来のCFDは,乱流強度を極めて強化した超高乱流場を高精度に予測する点で課題がある.本論文ではLES解析とコルモゴロフのマイクロスケールによりリーンバーンエンジン開発に適用可能なMBDプロセスを提案する.

040

火花点火機関の希薄燃焼における未燃炭化水素排出挙動の解析

岡嶌 燎平・窪山 達也・森吉 泰生(千葉大学)

ガソリンエンジンの希薄燃焼時の未燃炭化水素の排出挙動を明らかにすることを目的とし,エンジンシリンダ壁面近傍や排気管複数点での瞬時炭化水素濃度計測を実施し,筒内圧力の計測結果に基づく燃焼解析,および1次元サイクルシミュレーションの結果と合わせて未燃炭化水素の生成~排出の過程について解析した.

041

空燃比センサ上に生成するデポジットの生成メカニズムに関する研究

𠮷田 一帆・古谷 健太・大草 見斗・戚 洪彬・田中 光太郎(茨城大学)・戸辺 祥太・石坂 浩大・長谷島 丞・北川 哲夫・小野 雅広(SUBARU)

直噴ガソリン火花点火機関の空燃比制御に用いられる空燃比センサ上にデポジットが生成し,応答性が悪化する問題がある.そこで,本研究では,実機ガソリンエンジンを用いて空燃比センサ上にデポジットを生成させ,その生成メカニズムを明らかするとともに,空燃比センサの応答性に影響を及ぼす因子を明らかにした.

042

ガソリン火花点火機関の排出ガスから生成するデポジットの生成メカニズムに関する研究

大草 見斗・古谷 健太・𠮷田 一帆・境田 悟志・田中 光太郎・金野 満(茨城大学)・木下 幸一・阿部 容子(産業技術総合研究所)・小玉 聡・森 伸介(東京工業大学)

火花点火機関の熱効率向上にむけて,排出ガス再循環装置(EGR)の利用が必須であるが,EGR経路内にデポジットが生成することが問題となっている.本研究では,実機ガソリンエンジンを用いて模擬EGR配管にデポジットを生成させ,EGRデポジットの生成メカニズムを明らかにするとともにその生成モデルを構築した.

  • セッションNo.97 CI機関・水素機関
  • 10月11日 名古屋国際会議場 211+212 14:30-16:10
  • 座長:大橋 伸匡(いすゞ中央研究所)
No. タイトル・著者(所属)
043

ディーゼル燃焼場における噴霧火炎から潤滑油へのスート混入量予測式の構築

後藤 大和・越川 翔生(同志社大学大学院)・松村 恵理子(同志社大学)

ディーゼル機関では,スートのオイル混入により潤滑性能が低下するが,そのメカニズムは未解明である.本研究では潤滑油へのスート混入量予測式の構築を目的とし,LII法,二色法および透過光減衰法によりスート濃度,火炎温度,スート混入量を計測し,噴霧火炎と壁面との温度差がスート混入量に与える影響を調査した.

044

燃焼サイクル間のダイナミクスを利用した燃焼変動低減制御

松島 佑斗・杉元 聖和・拜崎 幸雄・中川 滋・新谷 修平・三好 正城・上木 壮宏・津村 雄一郎(マツダ)

エンジンの燃費改善には内部EGRの導入が有効であるが, 燃焼変動が増大するため限度がある.今回この燃焼変動をサイクル間ダイナミクスとしてモデル化した.更にサイクル毎に燃料噴射量などを制御する事でこの変動の低減に成功した.本制御により燃費が改善する事と,内部EGR量の限界拡張の可能性がある事を確認した.

045

噴流による水素エンジンの混合気均質性向上に関する研究

佐久間 岳志・青柳 賢司・山口 顕央・樋口 あづ彩・曽我部 康浩(デンソー)・丹野 史朗(トヨタ自動車)

水素エンジンはカーボンニュートラルな動力源の1つとして着目されている.高出力化の観点で吸気バルブ閉弁後の筒内直接噴射が有効だが,混合気形成時間が短く不均質によりNOxが課題となる.本報は,混合気形成メカニズムを分析し,出力と低NOxを両立する均質混合気を実現する噴流の設計指針を提案する.

046

オキシメチレンジメチルエーテル(OME)筒内燃焼でのsoot生成条件

冬頭 孝之・政所 良行・近藤 照明・西川 一明・植田 玲子・高鳥 芳樹・脇坂 佳史・小坂 英雅(豊田中央研究所)

再生可能エネルギーを用いて合成されるOMEnはディーゼルのsoot-NOxの低減が可能.筒内観察で輝炎が生成しなかったという報告もある一方,排気PMが計測された報告もある.本研究では筒内でOMEnからsootが生成する条件を探索した.パイロットを増量してメイン噴射開始前を高温にすると輝炎が生じた.

  • セッションNo.98 燃料電池システム
  • 10月11日 名古屋国際会議場 222+223 9:30-11:10
  • 座長:上田 健一郎(本田技術研究所)
No. タイトル・著者(所属)
047

シミュレーションを活用した燃料電池ガス拡散層の性能予測

太田 悠貴・前川 諒介・林 大甫(トヨタ自動車)

燃料電池の開発において,高い性能を実現するためにガス拡散層を設計する必要がある.幅広い用途で燃料電池が求められる中で,効率的に材料設計・選択を行うためには,シミュレーションを用いた開発が必須となる.本検討では,メソスケールシミュレーションをもちいたガス拡散層の性能予測について報告する.

048

モデルベース開発に用いる燃料電池モデルの特徴とシミュレーション事例

鋤柄 智也・黒川 和彦・塚原 賢祐・矢島 祐二(MCOR)

燃料電池車の開発は,電気自動車の開発に加え,開発初期から熱マネジメント設計を考慮した新たな開発プロセスが重要となる.その実現には,1D-CAEを用いたメカエレキソフトの並行開発が鍵となる.本稿では,燃料電池のシステムモデル開発に着目し,V字プロセス上で適用されるモデルの特徴を事例を交えて紹介する.

049

燃料電池ハイブリッド試験電車用の走行エネルギーシミュレータの開発

米山 崇(鉄道総合技術研究所)・田沼 英紘・吉岡 隼・楊 イ翔・紙屋 雄史(早稲田大学)・柏木 隆行・山田 昂征・金子 真直人・神﨑 眞人(鉄道総合技術研究所)

燃料電池ハイブリッド試験電車の燃料電池出力制御検討を行うため,走行エネルギーシミュレータを開発した.この試験電車はバッテリのSOCにより力行・回生の性能が変わる点を考慮した.妥当性検証のため,走行試験データがシミュレーション結果と一致することを確認し,15 kmの仮想路線で走行シミュレーションを行った.

050

燃料電池バス試験結果に基づいた韓国の原動機出力試験法に関する考察(第2報)
-燃料電池とバッテリのハイブリッドシステムの出力試験法-

Hosik Lee・Sukjoo Kim(TENERGY)・Jongwan Kim・Namyong Kim・Kwangil Kim(Korea Automobile Testing & Research Institute)・Yonghun Kim(Chungnam University)

燃料電池システムとバッテリの統合出力でモータを駆動させる燃料電池自動車の特徴に合わせたハイブリッドシステムの出力試験法に関して考察すると共に,韓国の安全基準で定められている原動機出力試験法の最適化方向性について考察した.

  • セッションNo.99 車両エネルギーマネジメントシステム
  • 10月11日 名古屋国際会議場 222+223 12:10-13:50
  • 座長:牟田 浩一郎(トヨタ自動車)
No. タイトル・著者(所属)
051

リン酸鉄リチウムイオン電池を用いた1D車両システム解析用バッテリー劣化予測モデルの構築

波頭 佑哉・廣田 壽男・紙屋 雄史(早稲田大学)・佐藤 圭峰(マツダ)

電動車両システム内での複合的な影響を考慮したバッテリの劣化挙動を予測するために,1Dの車両システムモデル上で駆動する劣化モデルを構築した.リン酸鉄リチウムイオン電池を対象に各劣化現象の寄与度を分析し,モデルに反映する劣化の支配方程式を選定した後,実測の劣化データとの比較を行いモデルの有用性を検証した.

052

EV用真空断熱二重構造板の開発と性能評価

津田 稔・大原 順一・石田 雅照・井原 剛・前田 和幸(水産大学校)

EVは空調設備に電力を消費する.またバッテリーには性能を維持するための最適温度が存在する.本研究では,EVにおける空調設備の省エネ化とバッテリーの性能維持を目的として,厚さが約10mmの真空断熱二重構造板を開発し,従来の断熱材との性能を比較した.その結果,真空断熱板は優れた断熱性能を発揮することを確認した.

053

Study of BEV ECO-Driving Methods using Mode and Real Driving Tests
-Actual Road Power Consumption Assessment and Characteristics-

Michael Melkior Kanugroho・Yuta Nakane・Taizo Otsuki・Akira Kato (Teikyo University)

BEV has issues such as the distance per charge and others. In a previous study, an improved method of energy consumption of BEV was proposed using traffic flow simulation. By increase acceleration in rural area and decrease maximum vehicle speed in rural and highway areas could improve the energy consumption. In this study, we conducted mode tests on a chassis dynamometer and real driving tests in Utsunomiya City. Based on the results, we examined the energy consumption characteristics of BEV and eco-driving methods for improving the energy consumption will be presented.

054

基準走行サイクルへの置換による実路走行エネルギー消費量推定手法

生嶌 葵・川添 寛・田中 清香・齋藤 崇志・西川 雅浩・小松 陽二(堀場製作所)

カーボンニュートラルの実現へ向けて実走行における電力消費量や燃料消費量の評価がより重要になる.実路走行で採取した 車速または駆動力をもとに,実路走行データを特定の走行パターンまたは出力パターンに置換し,電費・燃費を算出する手法を検討した.本稿ではその手法と,算出結果の妥当性,再現性等について報告する.

  • セッションNo.100 環境/燃費/効率
  • 10月11日 名古屋国際会議場 222+223 14:30-16:35
  • 座長:柴田 元(北海道大学)
No. タイトル・著者(所属)
055

エコドライブ活動による事業者の燃費改善効果等に関する分析

熊井 大(交通エコロジー・モビリティ財団)・間地 寛(アスア)・大聖 泰弘(早稲田大学)

エコドライブが輸送に関わる各種の事業者を中心に事業活動の一環として取り組まれている.その活動の効果として主に燃費改善や事故削減が挙げられるが,その効果が系統的に分析されている例は少ない.そこで本研究では,エコドライブ活動を対象とした長年にわたる表彰制度のデータを用いて燃費改善効果等を分析した.

056

欧州の合成燃料等の品質調査およびFT合成燃料の自動車用燃料への利用に向けた取り組み

岡本 憲一・大森 敬朗・大塚 武・田畑 光紀・福田 欣弘(石油エネルギー技術センター)

欧州の市販及び国際レース用の合成燃料等について,燃料品質の特徴や規格適合性を調査した.また,FT合成粗油の燃料性状を確認し,自動車用燃料として利用に向けた品質向上のため触媒技術やポスト処理の方向性を把握した.これらから合成燃料等を自動車燃料として利用するための課題について整理した.

057

パラフィン系燃料のゴム部材に対する影響について

大塚 武・岡本 憲一・大森 敬朗・福田 欣弘・田畑 光紀(石油エネルギー技術センター)

FT合成から生産される軽油留分の燃料組成は,高いセタン価を有するパラフィンリッチな組成を有することが考えられる.現在,欧州を中心にGTLやHVOといったパラフィン系燃料が販売されており,これら近年のパラフィン系燃料を用いて,自動車のゴム部材に対して,どのような挙動を示すか検討を行った.

058

Lubricant Mechanisms of Eco-Friendly Lubricant Blended with Mineral Oil for Steel-Steel Contact

Juliana Basiron・Mohd Fadzli Bin Abdollah (Universiti Teknikal Malaysia Melaka)

This study intends to explore the lubrication mechanism of eco-friendly lubricant formulated from non-edible vegetable oils and mineral oil. The efficacy of the lubricant as friction and wear-reduction additive is determined to have a mixed lubrication regime with the optimum concentration of 80 % S100, 10 % C100, and 10 % J100 (S80C10J10). A protective film and mending effect have been suggested as lubricating mechanisms. The lubrication regime is changed from mixed to hydrodynamic by increasing the volume percent of C100 and J100, which improves the COF because fluid drags cause friction to be produced by the fluid on the moving surface. The inability of the additive to form a protective layer led to the worst COF and WSD.

059

重量FCVの燃費測定を視野に入れた水素流量測定に関する研究

鈴木 央一・川原田 光典(自動車技術総合機構)・大倉 由喜路(日本自動車工業会)

重量車における水素消費は,絶対量が多いことやマップ状の多数の測定点をとるケースが想定されることからボンベ重量による測定が現実的でない.そこでコリオリ式流量計を用いてボンベガス試験と車両試験を行い,重量法との比較を行った.両者は高い相関を示す一方で,走行サイクルによってはややばらつきがみられた.

  • セッションNo.101 HMI
  • 10月11日 名古屋国際会議場 224 9:30-11:35
  • 座長:蜂須賀 知理(東京大学)
No. タイトル・著者(所属)
060

手指で制駆動を操作する新操作系の制動特性の検討(第1報)

小川 海渡・横山 智宏・曽我 雅之・岡田 康志(トヨタ自動車)

日本全国に約200万人いるといわれている車いす利用者は,自動車の運転が困難で活動範囲が限定されており,彼らが自力で運転できれば活動範囲が拡大し,QOL向上に大きく貢献できると考えている.
このような社会課題に対して,制駆動の操作機構をステアリングに搭載し,
ハンドルを把持したまま制駆動操作が可能なバイワイヤシステムを提案する.
本研究はこの手元操作系において,ドライバーの扱いやすい制動特性の検討を目的とする.

061

車載音声ユーザインタフェースのガイド提示タイミング制御に用いるドライバ状態検出

神沼 充伸(日産自動車)・Lopez Guillaume・西澤 祐汰(青山学院大学)

車載音声ユーザインターフェースの応答をドライバに余裕がある時に提示するため,CANや画像の信号から自動的に応答タイミングを調整するシステムを提案する.実環境等から得られた運転信号から長短期記憶モデル(LSTM)を設計しドライバの余裕がない状態を検出するシステムの構造と状況識別結果について報告する.

062

質問応答データベースと大規模言語モデルによる音声対話システムを用いた運転中の音声操作発話収集

柄澤 光一朗・李 晃伸(名古屋工業大学)・神沼 充伸(日産自動車)

運転中に音声応答する車室内対話システムのデータ収集のために,質問応答データベースと大規模言語モデルを併用したシステムを構築し,実車による発話収集およびユーザー行動の分析を行った.応答の自由度からペアパネラーの自発的な発話量が増加する傾向が見られ,大規模言語モデル導入の有効性が明らかとなった.

063

車線変更時の信号灯路面描画の有効性

青木 義郎・加藤 洋子・関根 道昭(自動車技術総合機構)・北澤 由希子・須藤 佑基(小糸製作所)

他の道路ユーザーとのコミュニケーションツールとして信号灯路面描画の導入が期待され各国で開発が進められているが,その有用性や必要条件について十分に明らかにされていない.
本研究では信号灯路面描画が車線変更時に他車線を走行する車両への影響について,ドライビングシミュレータによる動的評価実験等を実施した.

064

外向けHMIと走行位置を利用した低速自動運転サービスカーの意図伝達と後続車ドライバーの認識
-カーブ区間付近での安全な追い越しを促すコミュニケーションデザインに向けて-

吉田 眞紀(慶應義塾大学大学院)・大門 樹・對間 昌宏(慶應義塾大学)

道の駅等を拠点とした低速の自動運転サービスカーに対する後続車の不安全な追い越しの特徴を調査・分析した.カーブ付近での不安全な追い越しを抑制し,安全な追い越しを促すコミュニケーション方法の基本要素を検討するため,自動運転サービスカーの走行位置や外向けHMIによる意図伝達への後続ドライバーの認識を調査した

  • セッションNo.102 自動運転のヒューマンファクター
  • 10月11日 名古屋国際会議場 224 12:35-15:15
  • 座長:佐藤 稔久(産業技術総合研究所)
No. タイトル・著者(所属)
065

自動運転システムの安全性評価を目指した交通事故に繋がる交差点環境要素の把握(第2報)

吉武 宏(東京大学)・小竹 元基(東京工業大学)

自動運転システム(ADS)が事故に至りやすい重大な環境要素が把握できれば,当該要素を含むシナリオを用いてADSの効果的な安全性評価が可能になる.そこで前報では,運転行動データを活用し,重大な環境要素を把握する手法を提案した.本報では,信号交差点左折時に提案手法を適用し,重大な環境要素を分析した.

066

高速道路で自動運転車が分合流する際に周辺車両に与える影響に関する研究

眞鍋 裕輝・児島 亨・北田 幸一(自動車技術総合機構)

より高度な自動運転車は本線への合流及び本線からの分流をおこなう機能を備えることが想定されることから,自動運転車が分合流をおこなう際の安全性確保は重要な要素の一つである.本研究では,ドライビングシミュレータを活用し,ドライバが運転する車両が分合流する自動運転車両と遭遇する場面を再現する実験を実施する.

067

高速道路合流場面を対象とした運転交代支援システムの設計と評価(第1報)

竹本 雅憲(成蹊大学)

周辺車両が存在する高速道路合流場面での運転交代時における不安全運転行動の特徴に基づき,運転交代支援システムを設計して,シミュレータによる評価実験を実施した.ドライバへの情報提示および加減速操作支援により,本線後方車の確認不備,進入位置取りの判断不備,および本線進入時の加速不備への改善効果が見られた.

068

運転引継ぎ要請に用いる警告音の断続周期の変化が運転行動に与える影響

阿部 晃大・加藤 洋子・関根 道昭(自動車技術総合機構)・速水 亮・戸井 武司(中央大学)

自動運転中の運転引継ぎ要請(TD)に用いる警告音の変動パターンの効果をシミュレータ実験にて検討した.断続音の変動間隔を最初は長く,2秒後に短くした場合,緊急感が適度に高まり,引継ぎ後の車速維持などの効果があることを確認した.しかし,自動運転中に行う二次タスクによっては効果が異なることも確認した.

069

E-ハイラジの先読み情報提供がドライバーの運転引き継ぎおよび回避行動に与える効果

田中 英之(慶應義塾大学大学院)・大門 樹(慶應義塾大学)・市川 暢之・山﨑 洋大・安田 剛章(東日本高速道路)

高速道路を走行するレベル2,レベル3の自動運転車および手動運転車のドライバーを対象に,数km先で発生したインシデントの情報をモバイル端末で提供した際の運転引継ぎ行動や回避行動についてドライビングシミュレータ実験により検討した.レベル2,レベル3,手動運転,インシデント情報の有無による特徴を報告する.

070

自動運転時のコクピット居住性向上に貢献する格納式ステアリングコラムの開発

時岡 良一・野沢 康行・渡邉 健・大野 誉洋・青田 健一(ジェイテクト)

自動運転レベル4では,車内での過ごし方への多様化に貢献する機能として,インパネ内にステアリングホイールを格納することが期待される.本講演では,格納に必要なストロークとトレードオフの関係にあるステアリングホイール支持剛性を両立させた試作機を用い,台上および実車において機能検証した結果を報告する.

  • セッションNo.103 熱・流体I -冷却,空調-
  • 10月11日 名古屋国際会議場 232+233 9:30-11:35
  • 座長:染矢 聡(産業技術総合研究所)
No. タイトル・著者(所属)
071

車室内温熱快適性設計のための1D-CAEを用いた等価温度予測手法開発

近藤 涼大・大井 元・松本 彰・新井 勝彦(日産自動車)

ISO 14505に基づく等価温度を1D車室内伝熱モデルを用いて予測する手法を開発した.等価温度計算には乗員周囲の空気温度,放射温度,日射,風速,着衣条件が必要である.各パラメーターの算出にあたり予測精度と計算速度を両立する手法を検討し,等価温度を予測する手法を開発,予測精度の検証を実施した.

072

相変化を伴う冷媒流れの数値解析による多穴管冷却システムの性能予測

加藤 由博(豊田中央研究所)・森 大騎(豊田自動織機)

気液二相化した冷媒を多穴管に流入させ,接触するアルミブロックを潜熱冷却する系を数値的に予測する.冷媒は急速に沸騰・蒸発せず,相状態は定常的であると仮定し,沸騰現象を厳密に模擬しない計算方法を採用する.固体部の伝熱解析との連成計算により温度分布を予測し,計測結果に対して良好な一致を得た.

073

ステレオPIV法による簡易車室内モデルの3次元流動場可視化とCFDとの比較検証

伊藤 和樹・清水 圭吾・研井 暁・中村 優佑・吉田 真・浮田 英治・井上 実(マツダ)・平岡 武宜・中島 卓司(広島大学大学院)

車室内では,気流が内装部品に衝突することで複雑な三次元流れ場を形成する.
従って,効果的な空調性能の開発にはCFD解析による詳細流れ場の理解が必要である.
本研究では,CFD予測精度向上を目的として簡易車室内モデルを対象にステレオPIV法により複数断面の速度三成分を取得し,CFD結果との比較を行った.

074

深層強化学習による噴流の混合拡散制御のための初期流速分布最適化

伊藤 靖仁・林 祐介(名古屋大学)・岩野 耕治(岡山理科大学)

噴流はカーエアコンなど様々な流体機器内で見られる現象であり,その制御は重要である.その制御手法の一つは,初期噴流流速分布を工夫する手法である.そこで本研究では,下流部における流量や中心速度・温度を指標として,混合・拡散制御のための噴流の流入速度分布の最適化を,深層強化学習を用いて行った.

075

シロッコファン翼間におけるはく離渦の特性に関する研究

瀬戸 孝祐(名古屋大学)・岩野 耕治(岡山理科大学)・伊藤 靖仁(名古屋大学)・酒井 康彦(名古屋産業科学研究所)・小坂 翔・吉田 憲司(デンソー)

シロッコファンの翼列を模した翼モデルを用いて,はく離・再付着流れ場の数値計算を行った.翼厚の異なる複数の翼モデルを使用し,はく離泡の形状およびはく離渦の特性の変化を調査した.その結果,翼厚の増加に伴って巻きあがる渦列の三次元性が増加し,それに伴い渦の合体が不規則になることが分かった.

  • セッションNo.104 熱・流体II -空力-
  • 10月11日 名古屋国際会議場 232+233 12:35-14:40
  • 座長:三浦 淳史(スズキ)
No. タイトル・著者(所属)
076

Ahmed body周りの流れの振動流遷移機構における傾斜角の影響

渥美 佑典(東京都市大学大学院)・白鳥 英・郡 逸平・永野 秀明・島野 健仁郎(東京都市大学)

Ahmed bodyと呼ばれる自動車模型周りの低Re流れについて,振動流の発生条件と遷移機構を明らかにすることを目的とした3次元非定常シミュレーションを行っている.臨界Re,エネルギー供給機構に関して,傾斜角29度・31度の結果を元に傾斜角依存性を議論する.

077

重量車の空力性能を飛躍的に向上させるコンセプト形状の提案
-荷室形状の最適化-

山口 朋恵・砥田 翔(大阪産業大学大学院)・奥川 正真・河野 良輔・東山 祐平・川野 大輔(大阪産業大学)

重量車の空力性能向上は燃費の改善に大きく寄与する.そこで本研究では,長距離輸送用トラックの荷室形状に着目し,リア傾斜角や平面絞り角等による空力特性の変化について調査を行った.その結果,走行安定性を維持しつつ空気抵抗を大幅に低減させる荷室形状を得た.

078

重量車の空力性能を飛躍的に向上させるコンセプト形状の提案
-キャブ形状と荷室形状の相互作用-

砥田 翔(大阪産業大学大学院)・奥川 正真・河野 良輔・東山 祐平(大阪産業大学)・山口 朋恵(大阪産業大学大学院)・川野 大輔(大阪産業大学)

重量車の空力性能向上は燃費の改善に大きく寄与する.そこで本研究では,長距離輸送用トラックのキャブおよび荷室の傾斜角が相互に及ぼす影響について,遺伝的アルゴリズムを用いた多目的最適化手法により最適化を行った.その結果,走行安定性を維持しつつ空気抵抗を大幅に低減させる車両形状を得た.

079

横風遭遇時の忙しい操舵を低減する空力特性

藤ヶ谷 伸一・黒須 健太・田中 真悟・谷口 圭一・加美山 隆(日産自動車)

高速道路を走行中に横風などに遭遇すると進路が乱れる.乱れた進路を修正するためドライバは操舵をするが忙しい操舵は疲労を増加させる要素の一つである.ドライバの疲労を減らす目的でドライビングシミュレータを使い忙しい操舵を減らす空力特性をMPV車型を使い検討した.

080

風向変化に伴う空気力の履歴効果が車両運動特性に与える影響

今川 翔平・清水 圭吾・中村 優佑(マツダ)・平岡 武宜・中島 卓司(広島大学)

接近流の過渡的な風向変化後に空気力変化が長時間持続する,いわゆる履歴効果が知られている.本研究では,空気力の履歴効果が走行安定性へ与える影響を明らかにすることを目的に,横風空力特性の異なる二つの簡易車両モデルを対象として,風向変化を与えた際の空気力変化を入力とした車両運動解析を行った.

  • セッションNo.105 熱・流体III -空力-
  • 10月11日 名古屋国際会議場 232+233 15:20-17:00
  • 座長:飯田 明由(豊橋技術科学大学)
No. タイトル・著者(所属)
081

Water Evaporation CFD Method with a Meshfree Collocation Approach for Wet Automotive Component Dry-out Time Prediction

Junghoon Lee (Technical University of Munich)・Dirk Baeder (AUDI)・Sebastian Rehfeldt・Harald Klein (Technical University of Munich)

A new CFD method using a meshfree collocation approach to resolve water evaporation is developed since it is essential to estimate the water dry-out-time for corrosion protection schemes on vehicle components. Thereby, volume-volume-coupling, and diffusion-based water transfer into vapor is used. Adaptive refinement enabling the automation of the whole process is also developed.
The new method is validated with a simple geometry and an actual vehicle geometry. The total-dry-out times of accumulated water source at the corner of the sunroof are measured. To extend the time scale of simulation to real, the evaporation rate is artificially accelerated. The validations are promising could be further extended.

082

CFDを用いた外形発生音予測手法の確立

伊藤 祐太・若松 幹生・安岡 志朗・Vinh Long Phan(トヨタ自動車)

空力騒音は,流れの中の乱流によって引き起こされる音波による圧力変動が車室内へ透過・伝搬するメカニズムである.本論文では,非定常CFDを用いて車両外形形状により生じる流れ場から発生する空力騒音(外形発生音)の予測及び発生部位の特定手法の確立,実機とのコリレーションを確認したので報告する.

083

物理法則に立脚した機械学習モデルによる自動車空力解析の予測

堀江 正信・足立 大樹・谷村 慈則(RICOS)

近年のめざましい発展を背景として,機械学習を用いた設計プロセスの高速化・高効率化が期待されている.しかし,単純に機械学習を適用しただけでは汎用性や信頼性に問題があることが多い.そこで本講演では,物理法則に立脚した機械学習手法を用いたより汎用的かつ信頼性の高い自動車空力解析の予測について議論する.

084

グラフニューラルネットワークを用いた自動車の空気抵抗係数および表面圧力分布の予測手法の検討

梅原 大輔(本田技研工業)・井上 昌和・谷 和磨・福本 浩章(アラヤ)・小野 義道・稲田 健汰・小川 健太(本田技研工業)

本研究では,グラフニューラルネットワークを用いた予測手法を構築し,自動車の空気抵抗係数と表面圧力分布の高速予測を試みた.本手法は形状再現性に優れる非構造格子を直接扱えるため,表面圧力などの分布予測に適しているとされている.自動車の空力特性予測における本手法の有効性について検討した結果を報告する.

  • セッションNo.106 自動運転・運転支援I -環境認識-
  • 10月11日 名古屋国際会議場 234 9:30-11:10
  • 座長:加藤 晋(産業技術総合研究所)
No. タイトル・著者(所属)
085

ロバストで正確な先行車速度認識開発のためのデータセットとそのタスクに対する考察

小川 原也・齋藤 徹(SUBARU)・青井 紀之(SIGNATE)

カメラによる先行車速度認識において,実環境で頑強な認識技術を開発するために,雨天や夜間といったカメラにとって難しい環境のデータも含んだデータセットを開発した.データセットは,機械学習の学習及び評価に使用する.データセットの有用性は,画像認識のコンペティションを実施することによって確認した.応募されたタスクの解法に対する考察も合わせて報告する

086

極限環境に向けた占有格子地図に基づく走行可能性推定

福田 有輝也・三井 悠也・矢野 優雅(九州工業大学大学院)・岩井 秀成・井上 慎太郎(トヨタ自動車)・田向 権(九州工業大学大学院)

自動運転において,走行可能性推定は車両周囲の危険性を定量化する技術であり,経路計画などで活用される.
走行可能性推定では車両周囲の環境把握が不可欠であるが,障害物の遮蔽などセンサの死角に対しては推定ができない.
本研究では,LiDARの点群を効果的に用いて死角の情報を補完し,走行可能性推定を実現する.

087

半教師あり学習を用いたミリ波レーダによる駐車車両形状の推定精度向上

秋田 時彦(豊田工業大学)

深層学習を用いた高精度な認識には大量の正解値付きデータが必要であるが,人手による正解値生成には多大なコストがかかる.特にミリ波レーダを用いた駐車車両形状推定において大量に正解形状を生成することは課題である.本発表では,独自の半教師あり学習を用いて,少ない正解値でも高精度な推定が実現可能なことを示す.

088

点群地図内の動的物体除去に関する研究(第1報)

初田 元希(芝浦工業大学)・伊東 敏夫(芝浦工業大学/Hyper Digital Twins)・廣瀬 敏也(芝浦工業大学)

電動車いす(シニアカー)は自動運転走行をする際にLiDARから得られた環境情報をもとに作成された3次元点群地図を用いて自己位置推定を行っている.走行環境は刻一刻と変化するため,最新の状態を反映した地図を使用する必要がある.そこでループ状の経路を走行時に最新の地図を作成し,地図を更新することを行った.

  • セッションNo.107 自動運転・運転支援II -開発・評価技術I-
  • 10月11日 名古屋国際会議場 国際会議室 9:30-11:10
  • 座長:杉町 敏之(東京都市大学)
No. タイトル・著者(所属)
089

歩車混在空間検証のためのデジタルツインプラットフォームの提案

伴 和徳(トヨタテクニカルディベロップメント)・山口 拓真(名古屋大学)・小林 栄介・脇坂 龍(トヨタテクニカルディベロップメント)・奥田 裕之(名古屋大学)・西澤 智恵子(トヨタテクニカルディベロップメント)・小嶋 理江・青木 宏文・山本 俊行・鈴木 達也(名古屋大学)

Society5.0では仮想空間と現実空間を融合させ人間中心の社会を目指している.近未来の移動空間では,交通弱者,自動車等が同一空間内で共存する多様な移動主体が混在する移動空間の創造が重要な社会課題となる.本研究では移動空間デジタルツインを構築し,仮想空間上で様々な評価・検証を行うプラットフォームの開発を提案する.

090

ミクロ交通シミュレーションにおける車両追従モデルのパラメータが交通流に与える影響調査

藤島 美保・小宮 賢士・中田 亮太・森 航哉(日本電信電話)

現実の交通状態をシミュレーションで再現するには数多くのパラメータをチューニングする必要があるが,それぞれのパラメータが交通流に与える影響については明らかでない.そこで,車両追従モデルのパラメータに焦点を当て,交通状態を表現する評価指標を作成して指標に対するパラメータの振る舞いを調査した.

091

自律走行車における相互作用と判断
-安全性および倫理的側面から-

伊藤 昌夫(ニルソフトウェア)

交通においては,安全を確保しつつ遅滞なく走行するために,ドライバ同士,ドライバと歩行者間などで,相互作用が行われる.典型的な場所には,側道からの本車線への合流地点や横断歩道がある.自律走行車の混在環境において,自律走行車は,継続的に必要な判断を行う必要がある.このときに考慮すべき点を,安全性,倫理的側面から,明確化する.

092

Architecture Definition to Secure Safety Zone for Automated Driving Vehicles

Mingwei Gao・Hidekazu Nishimura (Keio University)

To reduce traffic accidents caused by human errors and other factors, it is necessary to secure a safety zone between the Level 2-3 automated driving vehicle (ADV) and its surrounding vehicles. In this presentation, an architecture to ensure the safety zone for ADV is defined, and a calculation model based on influencing factors analysis and the dangerous degree of surrounding vehicles is established. The architecture of ADS described utilizing Systems Modeling Language (SysML) and the results of simulations conducted to evaluate the effectiveness of the safety zone are presented.

  • セッションNo.108 自動運転・運転支援III -無人移動サービス技術開発-
  • 10月11日 名古屋国際会議場 国際会議室 12:10-13:50
  • 座長:奥田 裕之(名古屋大学)
No. タイトル・著者(所属)
093

自動運転レベル4に対応した車両システムの開発

組 泰樹・樋口 徹・東 道年(三菱電機)

2023年4月の法令改正により自動運転車両の公道走行が可能となり,同年5月福井県永平寺町にて国内初のレベル4運行許可を取得した自動運転移動サービスが開始された.本発表では,同サービスの車両システムがレベル4へ対応するために備えた構成や,当社が開発した車両制御装置が担っている機能について説明する.

094

レベル4自動運転車両向け衝突被害軽減ブレーキシステムの開発

藤好 宏樹・樋口 瑞樹(三菱電機)

2023年4月の法令改正により自動運転車両の公道走行が可能となり,同年5月福井県永平寺町にて国内初のレベル4運行許可を取得した自動運転車両による移動サービスが開始された.当該車両には当社開発の自動運転装置が搭載されており,本稿ではその中の衝突被害軽減ブレーキシステムの開発取り組みについて説明する.

095

永平寺町における路車連携自動運転のための路側検知システムの実証

亀山 陽平・西岡 哲朗・田中 元気・谷口 琢也(三菱電機)

我々は,政府が進めているRoAD to the L4プロジェクトにて自動運転移動サービスの実現に向けた福井県永平寺町での実証実験に参画している.本講演では,本プロジェクトの中で開発したLiDARとカメラで構成される路側検知システムの概要と,一般道で実施した路車連携による自動運転の実証結果について報告する.

096

車載デバイスを用いた自律走行車における車載安全監視システム

加藤 晋(東京理科大学)・加藤 颯野(東京理科大学/産業技術総合研究所)

自動運転車による新たな移動手段の実現を目指しています.自動運転車両を用いたモビリティサービスでは,車両発進前に車両内外の乗員の安全性を判断する必要があり,その自動化が求められています.そこで,カメラ画像処理を用いて車内外の乗客の安全性を判定およびアナウンスによる乗降の誘導をするシステムを開発した.

  • セッションNo.109 自動運転・運転支援IV -車両-インフラ協調技術-
  • 10月11日 名古屋国際会議場 国際会議室 14:30-16:10
  • 座長:向井 正和(工学院大学)
No. タイトル・著者(所属)
097

本線車両の予測走行軌道と車両の制約を考慮した合流前速度計画

吉田 裕基・一杉 和夫・若林 瑞保・高島 裕太(三菱電機)

合流は本線車両とのギャップの生成を限られた合流区間内で行わなければならず,自動運転にとって困難なタスクである.本報では路側インフラから取得する本線車両情報を活用し,本線車両の移動予測と自車の移動制約に基づいて合流部前までに速度と位置を合わせる速度計画手法を開発し,実証実験によりその効果を検証した.

098

携帯電話回線を利用した鉄道踏切制御と自動車の踏切通過支援システム

中野 公彦・福島 虹郎・楊 波・王 正・梅 旭濤(東京大学)・高田 哲也・長澤 弘之(京三製作所)

携帯電話のLTE通信を利用して,鉄道踏切を制御するシステムを提案し,その性能を,東京大学生産技術研究所のITS実験フィールド内の鉄道試験線と試験道路を用いた実験により検討してきた.そのシステムを利用することを前提に,カメラによって踏切警標との距離および,他車両,歩行者を認識することにより,踏切通過支援を行うシステムを提案し,その性能を検討した.

099

協調型システムを用いた自動バレーパーキングシステムの社会実装に関する研究

岡田 直純(東京大学大学院)・梅田 学・霜野 慧亮・鈴木 彰一・須田 義大(東京大学)

本研究では,自動運転レベル2の自動車を対象にインフラ協調型によるAVPの社会実装を目的とする.AVPはこれまでに様々な企業や国家プロジェクトにより実証実験がなされてきたが,社会実装するには至っていない.よって,ビジネスモデル的に成立しうるAVPのサービス水準を定義し,水準を満たすシステム要件を体系的にまとめる.

100

インフラシステムと協調した自動運転のための全方位カメラによる自己位置推定に関する研究

齋藤 廉・廣瀬 敏也(芝浦工業大学)・伊東 敏夫(芝浦工業大学/Hyper Digital Twins)

近年,高レベルな自動運転にはセンサ多数搭載されているため,車両価格が高価になってしまう.そこで,高価なセンサを交通インフラに設置し協調を行うことで車載するセンサを少なくし車両価格を抑えるできると考える.本研究では視野の広い全方位カメラに着目し,インフラと連携することで全方位カメラを用いた自己位置推定法を提案する.

  • セッションNo.110 車両開発III
  • 10月12日 名古屋国際会議場 131+132 9:30-11:10
  • 座長:関根 康史(福山大学)
No. タイトル・著者(所属)
101

HILS実装のためのプラントモデル高速化プロセス

土井 康弘(マツダ)・緒方 洋介(シーメンス)・槇本 大輝(マツダ)・林 百會(シーメンス)・小森 賢(マツダ)

HILS検証に用いるプラントモデルは,限られた演算リソースでリアルタイム実行しなければならない制約があるため,高速化要求が高い.この要求・制約に対応するため,計算負荷を高くする原因を特定して適切な高速化対策を打つプロセスを構築した.本稿ではその手法と有効性検証結果を示す.

102

AI Driven Battery Health Monitoring, Anomaly Detection and Lifetime Prediction for Enhanced Electric Vehicle Performance

Nikolaus Keuth・Gerhard Schagerl (AVL List)

This paper primarily focuses on the modeling and analytics methodologies required to identify and improve the battery's State of Health. Additionally, it describes approaches to automatically detect abnormal behavior in battery packs, modules, and cells. The integration of SOH monitoring and anomaly detection leads to accurate predictions of the battery system's lifetime.
To enhance the accuracy and stability of SOH estimation, the paper proposes a cascaded approach wherein an SOH observer is combined with a data-driven module. This combined framework learns the influencing parameters of SOH and improves the accuracy of estimation. Machine learning techniques are utilized to predict the degradation trajectory for each individual battery system in the field.

103

A Study on the Development of Column Rotary Type SBW

Heeen Zoo・Kiyoung Song・Doyeon Won (Hyundai Motor)

As the future car market is expected to be led by eco-friendly, autonomous driving, and mobility industries, automakers are working on a variety of methods to provide customers with a differentiated experience from internal combustion engine vehicles. In this study, as part of this effort, we describe the development of a column-rotary type SBW designed to provide customers with a wider vehicle interior space and a new experience. By moving the shift lever, which has traditionally been located on the console, near the steering wheel, passengers are more free to utilize the interior space, and as we devise different sensing methods than before, more compact size, innovative savings in cost/weight, and safer shifting can be achieved.

104

SILS/HILS Integrated Test Cases Management and Automated Testing Method
-The Best Practice of SILS/HILS Common Test Cases Development-

Hojin Jy・Yoojung Jung・Hyunji Kim・Beomseop Kim (Hyundai-Autoever)

Various methods such as MIL/SIL/HIL are used for automation testing of ECUs, and each method has a different test case and environment.
This paper proposes a method of managing the MIL/SIL/HIL test case as a common file and performing an automated evaluation.
Among the XIL Standard Interface concepts provided by ASAM, the Framework Label used in the test case is used in common regardless of MIL/SIL/HIL, and Testbench Label is separately managed according to each method to establish an integrated test case management environment.
By running this test case in the automated testing, an efficient integrated testing environment is established.

  • セッションNo.111 車体構造
  • 10月12日 名古屋国際会議場 131+132 12:10-14:15
  • 座長:櫻井 俊明(元いわき明星大学)
No. タイトル・著者(所属)
105

実スケール車両モノコックを対象とした可変軸CFRP・アルミ複合大型三次元構造物の実証実験

岩野 吉宏(トヨタ自動車)・田仲 正明(トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)・大橋 功(TISM)・梅本 和彦・川本 敦史・野村 壮史(豊田中央研究所)

近年,繊維強化複合材料の異方性を活用し,製品性能を向上させる技術として,製品内部にて局所配向制御がなされた複合材料,可変軸複合材料(以後VAC) が注目されている.一方で荷重条件が複雑になるにつれ,状況によって異方性材料のみならず,等方性材料を組み合わせるマルチマテリアル化による軽量化の重要性も増してきている.本研究では,異方性構造として最適化した炭素繊維強化樹脂(Carbon fiber reinforced polymer, CFRP) によるVACと,等方性である金属材料のアルミを組み合わせたマルチマテリアル構造でバスタブモノコックをフルスケールで設計・試作し,その実現可能性を検討した.

106

Bayesian Active Learningを用いたオフロード車両の乗り心地と路面入力荷重の両立性予測手法

河村 拓昌・春木 美鈴・豊田 浩之・新谷 浩平(トヨタ自動車)

オフロード車両における悪路走行時には,サスペンション特性の調整により乗員の乗り心地性能の向上が図られる.一方,乗り心地性能に寄与するサスペンション特性は,岩石等の乗り越えによる路面からの入力荷重荷重の大きさと背反する可能性がある.異なる複数の性能指標を両立させるためには,従来,試行錯誤的に設計変数の最適組合せを探索していた.本論文では,Bayesian Active Learningを用いて効率的に設計可能な領域を探索する手法を提案する.

107

トポロジー最適化と形状最適化を併用した構造設計手法の検討

武田 啓仁(SCSK Minoriソリューションズ)・丸山 新一・西脇 眞二・泉井 一浩(京都大学)・小泉 拓(みずほリサーチ&テクノロジーズ)

トポロジー最適化や形状最適化は軽量化を目的によく利用される最適化手法である.これらの手法は各々で利用するのが一般的で,二つの手法を併用した例は少ない.
本報告では,簡単なサンプルモデルを例にトポロジー最適化と形状最適化を併用した設計手法について説明する.また,実部品に適用した結果について報告する.

108

チッピングシミュレーションによる車両腐食環境予測技術の進化

丸山 慧・田畑 創馬・石田 広志・津村 修平・吉田 敏弘・山根 貴和・藤田 恭成・久文 一郎・石崎 真也(マツダ)

自動車の防錆品質を適正化するためには車両部位ごとの腐食環境の定量化が必要である.タイヤが跳ね上げた石(チッピング)により塗膜が損傷した箇所は錆の起点となるため,新規にチッピングシミュレーションを開発した.本技術と被水シミュレーションを組み合わせることで実車各部位の腐食環境を高精度で予測可能となった.

109

Study of PBV Platform Durability Target Cascading Process based on Concept Models

Hongkyoung Seong (Hyundai Motor)

This study carries a Target Cascading process to deal with durability performance of PBV(Purpose Based Vehicle) BIW which is composed of drive and life modules. In order to develop modules in parallel timing, it is necessary to understand effect of each module on the vehicle performance. This study finds the relationship between the two modules with BIW in view of durability performance and provides an analysis framework that can diagnose current situation of the structure. Low-fidelity concept models, which are made by 1D beams and cross-section properties, are used to deal with easy parametrization of vehicle CAE models.

  • セッションNo.112 有機・高分子材料I
  • 10月12日 名古屋国際会議場 133+134 9:30-11:35
  • 座長:田中 高太郎(本田技術研究所)
No. タイトル・著者(所属)
110

樹脂上の金属めっきの密着メカニズムに関する予測モデル検討

中村 昌博・一木 健太郎(トヨタ自動車)・渡邉 友樹・木全 祐介(東海理化)

樹脂上のめっきに対して,射出成型条件がめっきの剥離に与える影響を調査することで,ストレングス(めっきと樹脂の密着力)および,部品にかかる各種ストレス(成形時の応力,めっきと樹脂の線膨張係数差起因の応力)を予測する解析モデルを構築した.

111

高耐衝撃性シルバーメタリック材着樹脂の開発

岩﨑 拓也(スズキ)

シルバーメタリック材着樹脂は,着色剤として添加する鱗片状のアルミ顔料の影響で,耐衝撃性の低下が問題となる.本発表では,優れた耐衝撃性を有するシルバーメタリック材着樹脂について紹介する.

112

機械学習を用いた高分子複合材料における疲労試験の短期化

柴野 赳雄(日野自動車)

樹脂材料に関する評価の中で,疲労試験は期間が長く,短期化が求められている.今回,疲労試験の短期化に向けて,機械学習を活用し,疲労限を予測することを目指した.非線形回帰の結果,樹脂材料の融点や強度,そして疲労試験時の温度が疲労限に大きく寄与していると分かった.また,ドメイン知識と照らし合わせた結果,非線形回帰の中でも,XGBoostが適切であると分かった.結果,学習に用いていない材料メーカーの新規の高分子複合材料においても,決定係数が0.803と汎化性のある疲労限の予測モデルを確立することができた.

113

熱弾性温度変動を用いたC-SMCの疲労強度迅速推定

赤井 淳嗣(豊田中央研究所(現:京都教育大学))・佐藤 康元(豊田中央研究所)・濱田 幸宏・三国 敦(トヨタ自動車)

本研究では,熱弾性温度変動計測で得られる無次元熱弾性温度振幅を用いて,高サイクル疲労強度を迅速に推定する手順を提案し,その妥当性をC-SMC(Sheet Molding Compound法で成形した,不連続繊維の炭素繊維強化プラスチック)に対して調査した.本研究の提案手順で得られた推定値は,疲労損傷に起因して繊維と樹脂との間の荷重分担が変化し始める応力レベルに相当する.推定値のばらつき,推定精度,ならびに推定根拠の明確さの観点から,本研究の提案手順が妥当であると判断した.

114

貴金属フリーCO2メタン化触媒の開発
-担体効果に着目した触媒改良-

小野地 裕策・竹内 雅彦・加藤 彰(トヨタ自動車)

CO2と水素からメタンを合成するメタネーションは,CO2リサイクル技術として有望な手法の一つであり,高いCO2転化率を実現するNi系メタネーション触媒の開発を進めている.触媒担体の効果から反応メカニズムを推定し,その反応メカニズムに基づいてNi触媒を改良することで,CO2転化率を向上させた.

  • セッションNo.113 有機・高分子材料II
  • 10月12日 名古屋国際会議場 133+134 12:35-14:40
  • 座長:梶岡 信由(マツダ)
No. タイトル・著者(所属)
115

塗装バンパーのADAS用レーダー電波透過率特性に関する研究

佐野 大輔・近藤 益雄(本田技術研究所)・小林 絵里菜(本田技研工業)・石井 美穂(本田技術研究所)

現在,カメラ,レーダー等を用いた先進運転支援システムとしては,自動車用レーダーに77GHz帯のミリ波レーダーをエンブレムやバンパー裏に搭載して使用している.本研究では,ミリ波透過性に影響を及ぼす自動車用塗膜に関して,塗膜の材料物性観点から解析を行い,ミリ波透過性と塗膜の材料物性との関係を報告する.

116

炭素繊維不織布および金属繊維不織布を用いた複合材料の電磁波シールド性及び力学的特性

藤田 寿(京都工芸繊維大学大学院)・大谷 章夫(京都工芸繊維大学)・松下 将也(ユウホウ)

自動車用途における繊維強化複合材料には,構造材料としての優れた比剛性,比強度だけで無く電磁波シールド性が求められている.本研究では,炭素繊維とポリプロピレン繊維を混紡した不織布と金属繊維不織布を熱圧縮成形した複合材料を用いて,積層構成や成形条件が電磁波シールド性に及ぼす影響を調べた

117

結晶性樹脂を用いた炭素繊維強化熱可塑性プラスチックパイプのクラッシング特性解析

高村 圭祐・仲井 朝美(岐阜大学)

CFRTPはエネルギー吸収特性に優れるため,自動車の衝撃吸収部材への適用が期待されている.一方,結晶性樹脂は成形条件で変化する結晶化度によって力学的特性や損傷進展挙動が大きく変わる.本研究では結晶性樹脂を用いたCFRTPパイプの解析モデルを構築し結晶化度がエネルギー吸収特性に及ぼす影響を解析した.

118

学生フォーミュラ車両用カーボンモノコックのねじり剛性予測に関する数値解析の高精度化

山本 哲也・中田 歩空・森山 裕幸・加藤 英晃・成田 正敬(東海大学)

本研究では,学生フォーミュラ車両のフルカーボンモノコックのねじり剛性をFEM解析にて評価している.フルカーボンモノコックはCFRPパネルとアルミニウムハニカムコアで構成され複雑な形状を持つが,本研究ではそのパネル構造の一部を模したミクロモデルを用いた材料物性値を算出することによって計算精度向上と計算負荷削減の両立を目指している.

119

複合材料を用いたラリー車軽量化の試み

大谷 章夫・藤田 寿(京都工芸繊維大学)・松下 将也(ユウホウ)・平塚 忠博(SMaSH)・福永 修(OSAMU-FACTORY)・小牧 靖昌(SAC,自動車用複合材料研究会)・仲井 朝美(岐阜大学)

本研究では,炭素繊維強化複合材料(CFRP)を用いたラリー車の軽量化について検討を行った.パイプ形状を有するCFRPを適用できる箇所をさがし,ロールケージやストラットタワーバーなどへの適用を検討した.また,適用にあたっては金属部品との接合が必要となるため接着剤やリベット接合に関して検討を行った.

  • セッションNo.114 二輪車の運動・制御・安全I
  • 10月12日 名古屋国際会議場 141+142 9:30-11:35
  • 座長:平澤 順治(茨城工業高等専門学校)
No. タイトル・著者(所属)
120

ウイーブ・ウォブル対策の鍵はキャスタ角

酒井 英樹(近畿大学)

ウイーブ・ウォブル(自励振動)の開発においてパラメータスタディに時間を要するとの声を聞く.そこでその戦略を本論文は考察する.まず「全」設計変数における自励振動発生領域を図示し,次にその影響から設計変数を分類した.その結果キャスタ角の影響を大域的に把握しながら設計するべきとの結論を得た.

121

固有ベクトル方程式を用いたウィーブモードの安定性解析

行徳 彩花・原岡 怜也・吉野 貴彦・片山 硬(久留米工業大学)

ウィーブモードは車速の上昇に伴い不安定化するが,ある車速で再び安定方向に変化する車両が存在する.この論文では再び安定化するメカニズムを検討した.

122

空力特性がウィーブモードに及ぼす影響の解析

原岡 怜也・行徳 彩花・吉野 貴彦・片山 硬(久留米工業大学)

高速ウィーブモードは空力の影響を受ける.本講演ではエネルギーフロー法を用いて空力特性がウィーブモードに及ぼす影響を解析し,主要なメカニズムを検討する.

123

二輪車の10自由度フレーム剛性モデルによるウィーブモードの安定性解析

片山 硬・吉野 貴彦(久留米工業大学)

二輪車の10自由度フレーム剛性モデルを用いて,ウィーブモードの安定性解析を行なう.
6種類のフレーム剛性を統合したモデルでは,高速域でウィーブモードが大きく不安定化を起こす車両がある.この車両では,前フレームの曲げ剛性が小さいことが原因で,ウィーブモードが不安定化することが示される.

124

強化学習を利用した二輪車ライダモデルに関する研究
-ライダの熟練度に応じた挙動を表現するための基礎調査-

三觜 康弘・竹下 仁士(The MathWorks GK)・椴山 由貴・矢部 昇(ヤマハ発動機)

強化学習を利用した,目標軌道を追従するライダの挙動を表現する方法について示す.ライディングスキルを評価する既存のアプリケーションを利用し,学習量とライダの熟練度との関係を考察する.

  • セッションNo.115 排ガス低減
  • 10月12日 名古屋国際会議場 141+142 12:35-15:15
  • 座長:山口 恭平(国士舘大学)
No. タイトル・著者(所属)
125

NOxセンサを用いた重量車排出ガス計測システムによる実路走行時における尿素SCR触媒のNOx浄化性能の解析

山本 敏朗(自動車技術総合機構)

平成28年排出ガス規制適合のディーゼル重量車に,NOxセンサ,NH3センサ等の排気管直挿型センサを用いた車載型計測システム(SEMS)を装着し,運送業務走行でのデータを取得した.これらのデータを基に,NOx浄化率,空間速度等を指標として解析し,Cu系ゼオライトSCR触媒のNOx浄化性能を調査した.

126

2050年カーボンニュートラルの実現に向けたZEV導入シナリオ

森 啓文・中山 貴雄・長嶺 和慶・福田 悠希(デロイト トーマツ コンサルティング)

2050年カーボンニュートラルの達成に向けた環境省請負調査の一環として,自動車分野におけるCO2排出量の将来推計及び排出削減対策の検討を実施した.
この中では,ZEVの導入ケース別にシナリオを設定し,CO2削減効果及びレアメタル等の必要量について定量化するとともに,各シナリオの実現に必要となる施策についてとりまとめた.

127

三元触媒ポーラス粒子メンブレンフィルターによる酸化還元特性

岡村 直哉・Phyozin Koko・花村 克悟(東京工業大学)

ナノ粒子三元触媒と高分子サブミクロン粒子の懸濁水を噴霧し凝集させ,高分子を焼き飛ばすことによりポーラス粒子を製作,さらにそれを堆積させることにより製作されたメンブレンフィルターによる有害ガスの浄化特性を明らかにした.

128

交通流シミュレータ用実路走行時排出ガス予測モデルの構築

石田 凌大・佐藤 進(東京工業大学)

自動車排出ガスによる局所的な大気汚染が問題となる中,実路での汚染箇所の把握には,車載型排出ガス計測装置による計測に加えて,交通流シミュレータによる解析が有効な手段の一つである.本研究では直噴ガソリン車の実路における排出ガス排出挙動を解析し,それを基に交通流シミュレータ用排出ガス予測モデルを構築した.

129

Euro7規制向け 次世代型ディーゼルパティキュレートフィルター

三井 陽平・中越 悠太・森 和也・田中 克典・古田 泰之・青木 崇志(日本ガイシ)

Euro7 規制を達成するためには,DPFの圧力損失特性を同等以上に維持しながらPN 排出量を 1 桁以上向上させることが必要である.
本発表ではDPF材料の大細孔と小細孔の量を最小化することによりPN捕集性能と圧力損失特性の背反関係を打開した次世代コージェライトDPFの開発について検討した.

130

実路走行時の交通環境がドライバの運転操作に与える影響の解析

今村 康太郎・佐藤 進(東京工業大学)・井田 侑助・山崎 由大(東京大学)

自動車の排出ガスは環境問題に深刻な影響を与えており,環境に良い運転方法の研究が必要である.本研究では,実路走行実験を行い,排出ガス・燃費に大きな影響を及ぼすドライバのアクセル操作が,先行車との距離や道路勾配等の交通環境からどんな影響を受けているかを,機械学習等の手法を用いて解析した.

  • セッションNo.116 エンジンの効率向上
  • 10月12日 名古屋国際会議場 211+212 9:30-11:35
  • 座長:菊原 浩司(早稲田大学)
No. タイトル・著者(所属)
131

ディーゼルエンジンのライトサイジングによる部分負荷の熱効率向上コンセプト(第1報)
-シミュレーションによるコンセプト構築と実機検証結果-

大橋 伸匡・伊東 光・古川 貴幸・榎 和広・石川 直也(いすゞ中央研究所)

小型商用車を対象として,使用頻度が高い部分負荷の熱効率改善方法を検討した.0次元モデルによる解析の結果,熱効率改善で課題となる要素間トレードオフが大排気量化を起点として解決することがわかった.コンセプトに基づいた実機検証では,熱効率の向上と平成28年排出ガス規制適合を確認した.

132

ディーゼルエンジンのライトサイジングによる部分負荷の熱効率向上コンセプト(第2報)
-図示熱効率と低フリクション技術による燃費改善の検証-

大橋 伸匡・伊東 光・古川 貴幸・榎 和広・石川 直也(いすゞ中央研究所)

前報では,小型商用車の部分負荷の熱効率を改善する自然吸気の大排気量化コンセプトを提案した.本報では,大排気量エンジンに組合せる燃焼コンセプトの構築と低フリクション技術の組合せによる熱効率向上を検討した.コンセプトエンジンの試作を行い部分負荷において狙い通り最大熱効率が得られることを確認した.

133

ディーゼルエンジンのライトサイジングによる部分負荷の熱効率向上コンセプト(第3報)
-EHD計算によるエンジン軸受の混合潤滑解析と低フリクション化の検討-

高田 裕紀・福田 光俊・梶木 悠一朗・渡辺 賢治(大豊工業)・大橋 伸匡・伊東 光・石川 直也(いすゞ中央研究所)

小型商用車の部分負荷の熱効率を改善するライトサイジングエンジンを開発した.低Pmaxである本コンセプトの特徴を生かしたクランク周りの低フリクション化について,摩擦係数が低い混合潤滑域の活用に着目してクランクシャフトならび軸受諸元の検討を行い,実機試験において狙い通りのフリクション低減効果を確認した.

134

マルチリンク機構エンジン向け省合金高強度ボルトの開発

関根 大貴・小栁 貢士・浜田 孝浩・古川 卓儀(日産自動車)・松本 洋介(神戸製鋼所)・鹿江 慎二(佐賀鉄工所)

可変圧縮ターボエンジン向けに1600MPa級の塑性域締結ボルトを開発した.本開発では,耐遅れ破壊性向上に影響するバナジウム炭化物(VC)の析出状態をコントロールするため最適熱処理条件の検討を行った.あわせてねじ転造工程が圧縮残留応力付与に及ぼす影響を調査し,耐遅れ破壊性の向上することを見極めた.

135

Si添加型1600MPa級省合金高強度ボルト用鋼の開発

松本 洋介・内田 辰徳・安居 尚志・河盛 誠・村田 祐也(神戸製鋼所)

エンジンを高効率化させるため高強度材適用によるエンジンの小型化が進められている.当社では過去に非調質型の1600MPa級高強度ボルト用鋼を開発したが,冷間鍛造前の強度が高く,ボルト成形性に課題があった.今回,規格鋼並みのボルト成形性を有した1600MPa級高強度ボルト用鋼を開発・商品化したので報告する.

  • セッションNo.117 ドライバ負担
  • 10月12日 名古屋国際会議場 211+212 12:35-13:50
  • 座長:恩田 和征(スズキ)
No. タイトル・著者(所属)
136

運転支援機能の違いによる運転負担軽減効果等の比較

塚田 竹美・糟谷 賢太郎・久保田 裕康・岡田 周一(本田技研工業)・栗谷川 幸代・石橋 基範(日本大学)

既報では,レベル2ハンズオフ機能による負担軽減の有効性と,運転負担の構成要因や構造等を示した.本研究では,既報の手法を活用し,手動運転に対するACCと車線維持支援機能の有効性を高速道路での実車走行で検討し,提供する運転支援レベルの違いによる負担軽減の構成要因や構造,および各要因の寄与の違いを考察した.

137

対話型ユーザインタフェースの認知負荷の簡便な計測法の開発(予備的検討)

岸 浩司・青木 宏文(名古屋大学)

対話型ユーザインタフェースの認知負担測定方法としてISO17488がある.ユーザインタフェース開発終盤では,本ISOによる判断が望まれるが,初期~中盤で設計者が負担を簡便にチェックする方法も望まれる.本ISOを補う方法として,簡便で且つ注意リソースが大きい若年者でも認知的負担を計測しやすい新手法を考案し,効果を検証した.

138

自動車における3Dカメラ画像認知負荷に関する研究(第2報)
-個人特性による違い-

松下 詩穂・清水 彩加・栁沼 基(日産自動車)

近年3DHMIの車載化が進んできているが,認知負荷の個人特性による違いが明確になっていない.本論文において,fNIRSを用いてカメラ画像の障害物前後方向位置の認知負荷を評価した結果,2Dと比較し3Dの方が有意に認知負荷が低く,認知性が良い個人特性があることを確認した.

  • セッションNo.118 モーター駆動システム
  • 10月12日 名古屋国際会議場 222+223 9:30-11:35
  • 座長:清水 修(東京大学)
No. タイトル・著者(所属)
139

電動大型車の電費改善のための速度変化パターン最適化計算ならびに実車シャシダイナモ試験による検証

方 亦園・黄 施豪・小林 王義・楊 イ翔・紙屋 雄史(早稲田大学)

本研究では電動大型車のエコドライブについて検討する.本研究チームが開発した燃料電池トラックのパラメータと最適化アルゴリズムを使用し,EVエコドライブ速度変化パターンを導出した.内燃機関車両のエコドライブと比較し,いくつかの異なる特徴が見られ,シャシダイナモ試験データを用いて検証し,合理性を確認した.

140

潤滑油物性が電動トランスアクスル(e-Axle)の効率と冷却に与える影響調査

柳原 貴・岡田 優樹・武川 大輔(出光興産)

電動トランスアクスル(e-Axle)はモータと減速機が一体となった電気自動車用の駆動ユニットであるが,モータの熱マネジメントやユニット全体の効率向上を目的にモータを潤滑油で直接冷却する油冷式e-Axleが急拡大している.今回,潤滑油の動粘度などの物性の変更が,e-Axleの効率と冷却に及ぼす影響について,実機e-Axle評価で調査した.

141

電磁気-構造連成解析によるIPMモータにおけるロータコアの斥力評価

小林 拓人(山梨大学)・長崎 祥之・岡田 有祐(アイシン・デジタルエンジニアリング)・長坂 優樹(山梨大学)・横山 優太(山梨大学/ダイバーテクノロジー)・杉山 裕文(山梨大学)・岡澤 重信(山梨大学/ダイバーテクノロジー)

IPMモータ内で回転するロータコアにおいて軸方向に斥力が発生するが,その数理的なメカニズムは解明されていない.本研究では,有限要素法による電磁気-構造連成解析によって斥力の発生メカニズムを明らかにし,その斥力によるロータコアへの強度的影響について考察する.

142

電磁波防護評価のための小型磁界センサの開発

鈴木 美紀子・渡 豊志夫・一之瀬 健一・三輪 圭史(トヨタ自動車)・石居 正典(産業技術総合研究所)

電動車両の急速な普及・多様化に伴い,電動ユニットの高電圧・大電流化が加速し,発生する磁界強度も年々増加傾向にあるため,人体や電磁ノイズ影響を考慮した安全安心な車づくりが求められている.そのような中,設計評価プロセスにおいて,手戻りなく,車室内乗員への電磁波影響対策を織込むことが重要である.モーター,インバータ,バッテリなどを起因とする低周波磁界に対して,開発早期に検討するためのツールとして,シミュレーション開発に取り組んでいる.今回は,そのシミュレーション妥当性検証に必要な検出エリア5×5㎜以下,計測ばらつき1dB以内の小型磁界センサの開発と,社内での校正手法の確立に取り組んだので報告する.

143

電動4WD車における前輪・後輪駆動用インバータ間の共振を考慮した平滑コンデンサ温度設計手法の確立

駒﨑 伸也・阿部 圭太・及川 直昭(日産自動車)

電動4WD車では,前輪・後輪駆動用インバータ間のバッテリ内部を含む配線インダクタンスと前後インバータの平滑コンデンサ静電容量による共振電流を考慮した平滑コンデンサの熱性能設計が必要となる.車両インピーダンス評価と共振電流評価に基づく温度計算手法を構築し,実機評価と高いコリレーションを得た為,報告する.

  • セッションNo.119 充電・給電システム
  • 10月12日 名古屋国際会議場 222+223 12:35-14:40
  • 座長:清水 修(東京大学)
No. タイトル・著者(所属)
144

商用車における車載太陽光発電システムの実現可能性に関する研究
-EVコミュニティバス実証試験によるPVシステム搭載のエネルギー消費削減効果-

裴 帥・彭 エイケン・廣田 壽男・紙屋 雄史(早稲田大学)・水野 英範・大関 崇(産業技術総合研究所)

EVコミュニティバスを試作し,福島県の山間地走行ルートにおいて9か月間の実証試験を行った.市街路,山間路など走行条件と外気温,日射強度など気象条件による電力消費とPV発電ポテンシャルへの影響を解析した.計算モデルを開発し,車載PVによるエネルギー消費削減ポテンシャルとその要因を評価した.

145

実路走行データの解析に基づくショートトリップ時間予測モデルを用いたシリーズハイブリッド自動車のバッテリー充電制御

水嶋 教文(産業技術総合研究所)・佐藤 憲(元千葉大学)・窪山 達也(千葉大学)・森吉 泰生(サステナブル・エンジン・リサーチセンター/千葉大学)

シリーズHEVではエンジンの始動・停止の頻度を可能な限り減少させることが燃料消費を削減するのに効果的である.本研究では実路走行データの解析に基づき発進から停止までのショートトリップ時間を予測するモデルを開発し,これを応用した充電制御方法をシリーズHEVモデルに適用した際の燃費改善効果を明らかにした.

146

150kW走行中ワイヤレス給電の研究

勝谷 仁(本田技術研究所)

CO2の大幅削減のため,乗用車の電動化は必須であり,電池搭載量を削減可能な走行中充電が必要である.敷設にかかるコストは設置台数に相関が大きく高出力化が必要となる.本報告では,車載可能なサイズ制約の下でも大幅な電池搭載量削減が可能な高出力化検討を行い,実機による検証結果について述べる.

147

走行中ワイヤレス給電システムの乗用車搭載電磁界影響についての検討

上山口 勉・勝谷 仁(本田技術研究所)

CO2の大幅削減のため,乗用車の電動化は必須であり,電池搭載量を削減するための走行中給電が必要となる.システムの制約として車載可能なサイズとしながら電磁界規制値を満足する必要がある.
本報告では走行中給電システムを車載し電磁両立性を確認した結果を報告する.

148

充電形態を想定したバッテリー電気自動車の普及台数の予測解析研究

小林 祐太・宮脇 慶汰・越川 翔生(同志社大学大学院)・松村 恵理子・千田 二郎(同志社大学)

近年,バッテリー電気自動車(BEV)の普及が進んでいる.しかし,BEVが同時に多数充電を行なうと,電力インフラに多大な影響を及ぼす可能性がある.本研究では,複数のBEV移動パターンにおいて系統電源,太陽光発電による充電電力を考慮し,モデル都市におけるBEV普及台数の最適化を行なった.

  • セッションNo.120 振動・騒音・乗り心地I
  • 10月12日 名古屋国際会議場 224 13:00-15:05
  • 座長:見坐地 一人(日本大学)
No. タイトル・著者(所属)
149

分割計測・統合処理による車両走行時主成分寄与分析手法について
-マスター,スレーブ計測による実稼働TPA-

吉田 準史・宮石 晨(大阪工業大学)

実稼働TPAの一手法である主成分寄与分析を用いることで車内に影響の高い部位,挙動の把握が可能である.一方で本手法では多点同時計測が必要となる.本研究では多数の計測点をマスター群,スレーブ群に分けて計測し,後処理で統合することで仮想的に全点同時計測した際の主成分寄与や挙動を推定する手法を提案する.

150

ユニットモードを利用した伝達経路分析

望月 隆史・鈴木 寛之・日高 一希・花島 萌(エステック)

基本的に腹が1つのモードを考え,これをユニットモードと呼ぶ.評価応答に相関のあるエネルギーをユニッモード座標で評価したものをパワーフローと呼ぶ.これを視覚化すると,加振点付近から評価点付近のモードに伝達する経路図を描くことができる.パワーフローの考え方と車体を伝達する振動に適用した例を紹介する.

151

SEAを用いたタイヤトレッド振動の解析

村山 誠英・上田 江美・堀内 俊・髙田 翔士・佐々木 達矢(住友ゴム工業)・黒田 勝彦(長崎総合科学大学)

2024年からR51-03車外騒音規制がphase2から3へと強化されることに伴い,タイヤ単体騒音の低減がより一層求められている.本論文では,タイヤ振動放射音に着目し,タイヤトレッドの振動の低減を目的として,トレッド厚み方向の振動をSEA解析した.解析SEAの結果に基づき,タイヤトレッドに対策を行い,実験検証したことを報告する.

152

伝達関数合成法によるタイヤ-サスペンション連成軸力予測手法の開発

為井 祐子・白石 正貴・玉田 良太(住友ゴム工業)

タイヤ特性と車両特性からロードノイズを予測することができれば,双方の開発目標の明確化ができ,開発の工数や期間の削減が期待できる.転動状態のタイヤとサスペンションの2つの分系の時系列CAE解析から,伝達関数合成法による両者接合点での力を予測し,両者全系でCAE解析した結果と比較した事例を報告する.

153

ロードノイズ低減の為の機械学習による車両各部の目標特性決定手法(第1報)
-広帯域の周波数特性を決定可能な機械学習モデルの構築-

市川 佳・堤 純・島村 雄太(本田技研工業)・立岡 宏治・海老澤 弘道(エステック)

ロードノイズに対する中間特性の割付は,実機やFEMを用いた試行錯誤により目標値を設定するため,多くの工数を要する.そこで本研究は,ロードノイズに対する中間特性を定量的に設定できることを目的としする.機械学習を用いることにより,中間特性から音響伝達特性を良好に予測できる手法と,中間特性の割付手法を検討した.

  • セッションNo.121 高齢ドライバ・高齢歩行者
  • 10月12日 名古屋国際会議場 232+233 9:30-11:10
  • 座長:牧口 実(トヨタ自動車)
No. タイトル・著者(所属)
154

メタ認知および補償行動による安全運転を促す手法

池本 青空・上地 孝直(香川大学)・吉田 恵美子(香川大学/あいおいニッセイ同和損害保険)・鈴木 桂輔(香川大学)

認知能力の評価(TMT-J)と運転能力の評価(TTCmin)による,安全運転が可能かを判定する手法とメタ認知に基づいた補償行動を促進させるトレーニング手法を提案した.高齢ドライバ30名を対象に有効性を検証した結果,運転可否判定の有効性や鳥観図を用いた運転の振り返りを行うことで,メタ認知・運転能力の双方が改善する傾向を確認した.

155

高齢ドライバのサポカー利用意向に対する意識と運転特性の関係分析
-高齢ドライバの運転特性を捉える包括的な簡易質問紙(SQ-CCDC)を用いて-

西堀 泰英(大阪工業大学)・小嶋 理江(名古屋大学)・松尾 幸二郎(豊橋技術科学大学)

高齢ドライバの交通安全対策の一環として安全運転サポート車(サポカー)やサポカー限定免許の普及が促進されている.本稿では,包括的な簡易質問紙CCDCで把握した高齢ドライバの運転特性とサポカー利用意向の関係について分析した.その結果,CCDCで把握した運転特性がサポカーの利用意向に影響していることを確認した.

156

高齢ドライバにおける運転中のマルチタスク遂行とその個人差

西崎 友規子(京都工芸繊維大学)

運転中に同乗者との会話などを抑制し,完全に運転にのみ注意を注ぐことは困難である.本研究は,加齢によって認知的資源が低下する高齢ドライバに焦点を当て,運転中のマルチタスク遂行,および,マルチタスクの影響を受けない人の特徴を捉えることを目指し,DS実験によって検討を行った.

157

無信号横断歩道における高齢者と非高齢者の行動分析とモデル化検討

西澤 智恵子・伴 和徳(トヨタテクニカルディベロップメント)・小嶋 理江・青木 宏文(名古屋大学)

実環境では困難な評価や検証を行うにはシミュレーションは有効な手段である.より実世界に近い仮想環境を構築するためには様々な人の行動傾向を模擬する必要がある.本報告では,無信号横断歩道において,非高齢者と高齢者の行動傾向を比較分析し,横断行動のモデル化を検討した結果を報告する.

  • セッションNo.122 ドライバ行動・自転車行動
  • 10月12日 名古屋国際会議場 232+233 12:10-13:50
  • 座長:平岡 敏洋(日本自動車研究所)
No. タイトル・著者(所属)
158

危険事象に対する実交通環境下における運転行動の特徴抽出に関する研究

中川 正夫・真鍋 裕輝(自動車技術総合機構)

安全のためには危険事象に至らせない注意深い運転行動が求められるが,危険事象のない場面において直接抽出することが難しい.そこで本研究では,その対である注意深く運転していれば回避できた危険事象を発生させた運転行動(ケアレス運転)について,実交通環境下で取得したヒヤリハット事例から要因分析を行った.

159

合流場面の運転行動分析によるセンサ性能の要件定義に関する研究

尾花 慶亮・尾野上 優希・伊東 敏夫(芝浦工業大学)・森本 卓爾・梅田 拓(三菱電機)・廣瀬 敏也(芝浦工業大学)

現在ADASは急成長を遂げている,しかし合流に対する先進運転支援システムの実装には至っていない.そこで本研究では,ドライビングシミュレータで合流場面を再現した実験を行い,ペダル操作や視点移動などの運転行動を分析した.解析結果から合流場面において自動運転車に求められるセンサ性能の要件定義を行った.

160

自転車シミュレータにおけるモデルパラメータ検証と運動性能評価

小出 拓矢・山口 拓真・奥田 裕之・鈴木 達也(名古屋大学)・脇坂 龍・伴 和徳(トヨタテクニカルディベロップメント)

自動車や自転車の運転を再現したシミュレータにおいて,実環境での走行との差異はシミュレーション結果に影響を与えるリスクファクターである.本研究では,開発した自転車シミュレータに実装している運動モデルについて,実車走行記録を用いたパラメータ同定を行い,運動の再現性を評価することを目的とした.

161

無信号交差点での左折巻き込みシーンにおけるサイクリストの判断モデル構築

脇坂 龍・伴 和徳(トヨタテクニカルディベロップメント)・山口 拓真・奥田 裕之・鈴木 達也(名古屋大学)

自動運転システムの機能評価にシミュレーションを利用するには,周辺交通参加者のモデル化が必要である.特に自転車はルール認識の曖昧さなどにより不規則な動きをするため安全面で重要な要因となる.本研究では,交差点での左折巻き込みシーンを対象に左折車に対するサイクリストの加減速判断のモデル化について検討した.

  • セッションNo.123 自動運転・運転支援V -車両制御・遠隔操作-
  • 10月12日 名古屋国際会議場 234 9:30-12:10
  • 座長:大前 学(慶應義塾大学)
No. タイトル・著者(所属)
162

LPVモデルを制御対象としたモデルマッチングと最適オブザーバの組合せによるロバスト操舵制御則の再評価

太田 利夫・堀江 創・髙畑 健二(広島工業大学)・髙浜 盛雄(元名古屋大学)

髙畑らは先行研究にて,線形二輪モデル(LTI)にランダムウォークの入力外乱を印加してロバスト操舵制御則の評価を実施した.今回は制御対象について,LPV特性を有する非線形二輪モデルに置き換え,先行研究で開発したロバスト操舵制御則を再評価した.

163

都市自動運転に向けた強化学習のための報酬値設計

泉名 克郎・謝 薇棻・坂本 伸・渡辺 政彦(NTTデータオートモビリジェンス研究所)

都市部道路での運転では,走行レーンに沿って走行するだけでなく,標識や周囲車両に応じた停止や車線変更など状況によって行動目標が変化する.行動モデルを強化学習によって獲得する場合,状況変化に応じた行動が取れたかを表現する報酬値が必要である.我々はこの報酬値の設計について検討し効果検証を行った.

164

遠隔型自動運転システムにおいて通信遅延が操作性に与える影響の評価および通信遅延要件の明確化

赤塚 康佑・須田 理央・百瀬 博文(トヨタ自動車)

本稿では,遠隔型自動運転システムにおいて通信遅延が操作性に与える影響を評価する.また遠隔型自動運転システムの車両挙動および操作性の良品条件を規定する.各車速域に対して,良品条件を満足する通信遅延時間を明確化する.

165

車載カメラ画像で移動位置を指示する遠隔操作支援システムに関する研究

宮嶋 優(産業技術総合研究所/東京理科大学)・加藤 晋(産業技術総合研究所)・伊丹 誠(東京理科大学)

遠隔操縦者が車両の操縦を行う場合,視野が狭く,通信の遅延が発生するため実際の運転よりも難易度が高くなる.このため,遠隔操縦者がハンドル制御を行わずに,半自動で車両の制御を行うことを目指し,カメラ画像から移動位置を指定し,車両が経路生成,車両制御を行う遠隔操作支援の研究を行った.

166

車両制御性能の線形二次レギュレータによる評価法とその感度解析

三上 凌・桑原 勇太・曹 宇・川口 貴弘・橋本 誠司(群馬大学)・岩瀬 勉(群馬大学/SUBARU)・込山 菜摘・杉山 大貴・塚崎 裕一郎(SUBARU)

車両を車線中央に維持する位置制御系設計を考える.制御器の調整によって得られる車種ごとの制御性能を特徴づける方法を提案する.具体的には,様々な重みを用いて線形二次レギュレータを設計し,入出力間のトレードオフを車種ごとに比較する.また車両諸元の変化に対する,特徴づけられた指標の感度解析手法を提案する.

167

人間らしい判断を実現可能なモデル予測制御を用いた車線変更技術の開発

富永 健太・鵜生 知輝・若林 瑞保(三菱電機)

本研究は,人間らしい判断を実現するための車線変更技術を開発することを目的とする.モデル予測制御を用いた車線変更可否判断により,人間のドライバが車線変更開始不可と判断する状況では必ず不可と判断でき,人間のドライバが開始可能と判断する状況では,従来手法より多くの状況で可能と判断できることを示す.

  • セッションNo.124 自動運転・運転支援VI -開発・評価技術II-
  • 10月12日 名古屋国際会議場 234 13:10-14:50
  • 座長:小木津 武樹(群馬大学)
No. タイトル・著者(所属)
168

物理センサモデルとシミュレーションプラットフォームを用いた長距離レーダーの信号処理の一致性検証(第1報)

内藤 唯志・岡本 美代・岡村 龍太・貫原 謙一(コンチネンタル・オートノモス・モビリティー・ジャパン)

様々な交通環境下で再現性の高いシミュレーション評価を行うには物理現象を正確に再現したシミュレーションプラットフォームとセンサーモデルが必要である.今発表は検知距離や角度,分離性能が向上した最新の長距離レーダーモデルとシミュレーションプラットフォームを用いて実環境との一致性評価を行った結果を報告する.

169

自動運転用センサ評価に向けた動的気象環境を再現する人工気象室の開発とその評価法

瀬戸 治樹・榎 浩之・田中 浩和(エスペック)

自動運転に向けた技術開発が進んでおり,搭載されるセンサに対し各種気象環境への影響を評価する必要がある.
従来の評価法では,複合化した気象や雨から雪へと動的に変化する気象の評価は困難であった.そこで,我々は複合および動的に変化する気象環境を再現する人工気象室を開発し,それを用いて各種評価を行った.

170

自動運転シミュレーションのシーン構築におけるオープンデータの活用

杢谷 吉人・市川 竜也・浅田 健吾・松尾 裕一(東京理科大学)

自動運転システム開発において, シミュレーション環境を用いることが期待されている.本研究では, オープンデータを用いて建物等を含んだシーン構築を行った. その環境から学習データを取得し機械学習による車線認識を行った結果, 簡易的なシミュレーション環境のものよりも高い認識精度を得られた.

171

A Study on the Usability of Large-Screen Display using Module based Cockpit Prototype

Daniel Seungho Jeong・Jong Yong Nam・In Seong Park・Keun Sang Wu・Young Seok Jo (Hyundai Motor)

This study aims to provide guidelines for the development of new HMIs through user evaluation of next-generation displays. First, three new display concepts with different characteristics in operability were designed. Then, a modular cockpit mockup was created and used for evaluation so that each concept could be quickly replaced and compared. When display is integrated in center display, it is important to place it close to the user. And menus that require direct interaction should be located at least 940mm from shoulder. If the A/C controller is integrated into display, the operation steps should be provided within one depth.

  • セッションNo.125 衝突安全
  • 10月13日 名古屋国際会議場 131+132 9:30-11:35
  • 座長:伊藤 大輔(関西大学)
No. タイトル・著者(所属)
172

安全性能の高い自動車の普及に向けて

辰野 誠哉・篠原 歩・島 忠史・河内 薫(国土交通省)

交通事故削減に向けて,国土交通省では,自動車アセスメント事業において,ユーザーが安全性能の高い自動車を選択できるよう「自動車安全性能」を評価・公表するとともに,メーカーによる安全な自動車の開発を促すことで,より安全な自動車の普及を促進している.本稿では,自動車アセスメント事業の取組について紹介する.

173

幼児同乗自転車への追突事故における幼児の挙動と傷害の分析(第一報)

寺島 孝明(科学警察研究所/名古屋大学)・大賀 涼・加藤 憲史郎・木戸 晶洋(科学警察研究所)・水野 幸治(名古屋大学)

幼児同乗自転車への自動車の追突事故を模擬した実車衝突実験を行い,自転車乗員の挙動,幼児の頭部傷害受傷の危険性を調査した.実験の結果,幼児頭部が車両,大人乗員,路面に衝突する際に頭部傷害の危険性が認められた.特に,幼児用座席のヘッドレスト有無が頭部傷害に大きく影響する傾向が明らかとなった.

174

幼児同乗自転車への追突事故における幼児の挙動と傷害の分析(第二報)
-有限要素解析-

宮田 龍河(名古屋大学大学院)・寺島 孝明(名古屋大学大学院/科学警察研究所)・趙 雨晴・水野 幸治(名古屋大学大学院)

幼児同乗自転車への自動車の追突事故の有限要素解析を実施した.実験に基づきダミーで検証を行った後,人体モデルによるシミュレーションを行った.幼児は車両との接触時に頸部の伸展,大人頭部との接触時に頭部に高い傷害リスクが発生した.ヘルメットとヘッドレストによってこれらの傷害が低減できることが分かった.

175

前面ガラス部の歩行者頭部保護試験に関する調査

田中 良知・細川 成之・松井 靖浩(自動車技術総合機構)

国際会議で歩行者保護基準の頭部保護試験範囲を前面ガラス部まで拡大する提案がされ,その検討会議で,前面ガラス部での頭部保護試験で傷害値が高くなり,まれに基準のしきい値を超える事例があることが報告された.
そこで,1車種を用いて調査を実施し,傷害値が高くなる事例が頻繁に発生する場合があることを確認した.

176

多様な乗員姿勢での衝突安全評価への適用を見据えたTHUMSモデルの関節可動域拡大

飯塚 洋二朗・宮崎 浩・林 重希・中根 裕司(トヨタ自動車)

自動運転の車両では,車室内の居住性が向上し,乗員姿勢が多様化すると考えられる.本研究は多様な乗員姿勢における衝突安全評価を見据え人体モデルTHUMSの肩関節の可動域向上を目的とした.関節硬さ,および筋活性調整を実施した結果,可動域が向上し,多様な姿勢における衝突安全評価へのTHUMSモデル適用の可能性を示した.

  • セッションNo.126 傷害予測アルゴリズム
  • 10月13日 名古屋国際会議場 131+132 12:35-14:15
  • 座長:水野 幸治(名古屋大学)
No. タイトル・著者(所属)
177

深層学習による自動車衝突時の脳ひずみ波形予測モデルの構築

玉井 駿太朗・宮崎 祐介(東京工業大学)

交通事故リスク低減のため,より効果的な脳損傷リスク評価が求められている.脳ひずみは脳損傷の主要要因であり,有限要素解析により取得できるが,計算コストが高くリアルタイムでの評価が難しいという課題がある.本研究では,自動車衝突時の頭部運動データから脳ひずみ波形の予測する深層学習モデルを構築した.

178

決定木ベース機械学習モデルを用いた傷害確率予測モデルの構築

宮崎 翼・宮崎 祐介(東京工業大学)・北村 光司(産業技術総合研究所)・佐藤 房子(日本自動車研究所)

従来, 傷害予測にはロジスティック回帰モデルが多く用いられてきた. 近年, 予測精度が高い2値分類機械学習モデルが多く提案されているが, モデルからの出力値がそのまま確率として用いることができない.そこで本研究では,決定木ベース機械学習モデルを用い,重傷確率が予測可能な傷害予測モデルを構築した.

179

歩行者および自転車乗員の軽傷・重傷・死亡別の新しい傷害予測アルゴリズムの開発

西本 哲也(日本大学)・永井 康介(日本大学大学院)・長岡 靖・白川 正幸(トヨタ自動車)

自動車乗員の早期救命のために運用されている乗員傷害用D-Call Netへ対歩行者・対自転車乗員の対応を図るべく交通弱者用の傷害予測アルゴリズムを開発した.著者らはこれまで二項ロジスティック回帰を用いて歩行者・自転車のための傷害予測アルゴリズムVer.2015を構築したが,今回提案する傷害予測アルゴリズムVer.2023では順序ロジスティック回帰により軽傷,重傷,死亡を区別して予測できるようにした.

180

映像記録型ドライブレコーダーへの活用に向けた自動車乗員の傷害予測モデルの検討

藪上 楓・宮崎 祐介(東京工業大学)・北村 光司(産業技術総合研究所)・佐藤 房子(日本自動車研究所)

ドライブレコーダーの情報から自動車乗員の傷害を予測することを目指し,ドライブレコーダーで現在取得可能な情報と,将来取得が見込まれる情報を用い,機械学習により傷害予測モデルを構築した.その結果,現在取得可能な情報のみでは予測困難だが,今後取得可能な情報が増すことで,予測精度を確保出来ることが分かった.

  • セッションNo.127 事故分析
  • 10月13日 名古屋国際会議場 131+132 14:55-17:35
  • 座長:國行 浩史(公立諏訪東京理科大学)
No. タイトル・著者(所属)
181

収集運搬車が関与した交通事故の分析

木内 透・伊藤 達也・影澤 英子(交通事故総合分析センター)

筆者らは,特定用途の四輪車として,緊急用務中の救急車の事故を分析し,多発する形態を明らかにしたが,新たに,収集運搬車が関与した交通事故についての分析を試みた.ITARDA事故データの両輪であるマクロとミクロデータに加え,SIP事故パターンも活用して,収集運搬車の事故防止対策の方向性を明らかにした.

182

高齢運転者による車両単独事故の法令違反の分析
-死亡重傷者率・構成率・倍数比の三つの視点からの分析-

関根 康史(福山大学)

高齢運転者にとっての効果的な運転支援を構築していくためには,交通事故の分析を行い,高齢運転者による事故の特徴を明らかにすることが重要である.本報では,車両単独事故を対象として,法令違反毎での死亡重傷者率,構成率および倍数比の3つの視点から事故統計分析を行い,高齢運転者の事故の特徴を明らかにした.

183

ヒヤリハットデータベースによる二輪車との出会い頭ニアミスの検討

鈴木 大雅(日本大学大学院)・風間 恵介・丸茂 喜高(日本大学)・毛利 宏(東京農工大学)

本研究では,ヒヤリハットデータベースを用いて,二輪車との出会い頭ニアミスについて,対象車が乗用車の場合と比較することで,その特徴を検討した.その結果,対象車が出現した際の自車の衝突予測地点までの距離は,対二輪車の方が有意に短くなり,衝突予測地点へ到達するまでの推定時間も有意に短くなることを確認した.

184

SIP事故パターンの5年経過評価とその対応

木内 透・伊藤 聡子・影澤 英子(交通事故総合分析センター)

筆者らは,SIP第1期自動走行にてマクロデータからSIP事故パターンを開発した.1年目(2014)に設定した255パターンは,交通事故死者数の減少により,その80%をカバー出来なくなり,最終年(2018)に210パターンに見直された.さらに5年間が経過したため,パターン評価と対応策検討を実施した.

185

交通事故調査におけるイベントデータレコーダ(EDR)の記録データとドライブレコーダの記録映像を組み合わせた衝突直前状況の再現方法の検討

杉山 幹(交通事故総合分析センター)・松村 英樹(交通事故総合分析センター/自動車技術総合機構)

交通事故調査において原因究明を行う場合,衝突前の事故状況を可能な限り正確に再現することが重要である.EDRとドライブレコーダは,事故状況の情報を記録する.本稿では,これらの情報を組み合わせて衝突前の事故状況の再現方法を検討した.その結果,これらの情報を付加した走行軌跡を道路図面に示す方法を考案した.

186

大型トラックの居眠り運転事故における被害軽減ブレーキ効果の検討

川口 健吾・熊谷 元・澤渡 浩之・林 光緒・塩見 利明(広島大学大学院)

大型トラック事故524件では,被害軽減ブレーキ搭載車は非搭載車に比し事故率80.4%,損害金額83.8%と低減傾向を認めた.しかし,居眠り運転事故111件に限定すると,両方で有効性は認められず,現状の被害軽減ブレーキはトラックの居眠り運転事故に対し改善の余地があると考えられた.

  • セッションNo.128 生産・製造
  • 10月13日 名古屋国際会議場 133+134 9:30-10:45
  • 座長:竹中 俊夫(いすゞ自動車)
No. タイトル・著者(所属)
187

テーラードブランクにおける積分型延性破壊モデル限界ダメージ値分布の逆解析

南 風香(フタバ産業)・三好 将生(岐阜大学)・川喜田 和宏(フタバ産業)・吉田 佳典(岐阜大学)

本研究は,車両軽量化に貢献する超ハイテン材を用いたテーラードブランクの溶接部破断を有限要素解析により予測することを目的とする.溶接部近傍より採取した小型引張試験片を引張試験に供し,得られた流動応力曲線をもとに逆解析を施すことで得られた積分型延性破壊モデルにおける限界ダメージ値分布について報告する.

188

Developing Equipment Condition Prediction and Monitoring System using Deep Learning Models in Automotive Production Factory

Deog Hyeon Kim・Gun Sik Kim・Jung Ho Nam・Ju Heon Hwang・Jin Woo Park (Hyundai Motor)

In order to prevent failure of facilities at Hyundai-Kia's plant in advance, the condition of 2,000 major driving units at the press, body, painting, and assembly shop is being monitored. In addition, a technology for predicting equipment conditions was developed and applied. CNN and LSTM models were developed based on vibration data, and a system was established to detect rapid state changes and predict trends within several days. It is continuing to promote research on reliability advancement and analysis automation of prediction results.

189

Smart Factory Logistics Robot Operation Optimization Control Technology
-Traffic Minimization & Robot Operation Control Technology for Efficient Operation of AMR-based Logistics Process for HMC&KIA Standard Specification-

Kyung Dong Park・Man Ki Lee・Gye Woon Ahn・Joo Han Kim・Young Jin Jeong・Sang Won Yoon・Seung Hyun Kim・Dae Hyun Kim・Beom Joon Lee (Hyundai Motor)

Traffic minimization&Robot Oper Control tech. for efficient operation of AMR-based logistics process

  • セッションNo.129 ドライバ知覚・認知
  • 10月13日 名古屋国際会議場 133+134 11:45-13:50
  • 座長:松下 詩穂(日産自動車)
No. タイトル・著者(所属)
190

全身振動下における動的視力の研究(第1報)
-頭部動揺と眼球運動計測に基づく視力評価-

田口 敏行・天野 真輝・山口 裕之・窪田 彩・村岸 裕治(豊田中央研究所)

本研究は,視線安定化のための眼球運動をモデル化し,視線の不安定さに起因する視認性に関わる評価をモデルベースで可能にすることを目的とする.本報では,6軸加振機を用いた振動環境下における視線ブレと視力の関係を調べた.その結果,視線ブレ割合と動的視力は非線形の相関を示したため,その関係を定式化した.

191

全身振動下における動的視力の研究(第2報)
-視線ブレを予測可能な眼球運動モデル構築-

天野 真輝・山口 裕之・村岸 裕治・窪田 彩・田口 敏行(豊田中央研究所)

振動によって生じる視線の動きに起因する,モノの見えやすさを数値計算で評価することを目的に,ヒトの眼球運動制御に関する先行知見を活用して,見やすさのカギとなる中心窩から視標が外れる割合を予測可能な眼球運動の数式モデルを構築したため,その結果について述べる.

192

フロントピラ周辺の死角が運転行動に与える影響の調査

武井 優人・岡本 真也・福田 悠人(群馬大学)・香西 俊彦・岩瀬 勉(群馬大学/SUBARU)・佐藤 健一・加藤 誠之・松尾 典義(SUBARU)

本稿は,運転者の視線と視界に着目し,フロントピラ周辺の死角の大きさが運転行動に及ぼす影響を調査した.死角の大きさが増加すると,運転者は頭部の振り向きが大きくなるなど,運転行動が変化することが確認できた.この結果から,最小限の動作で対象を確認できるような視界を提供するための方策について検討した.

193

視線計測と人の視覚を模倣する深層学習モデルによる運転者の予測特性の解析(第2報)

加藤 正隆・關 嵩覚・雨宮 瑞希・張 嶼城・江村 恒一(パナソニックオートモーティブシステムズ)・渡辺 英治(自然科学研究機構 基礎生物学研究所)

思い込みなどの交通事故要因には,人の予測特性が作用すると考えられる.前報では,走行中の車載カメラの前方映像から人の視覚を模倣する深層学習モデルが算出する予測誤差値が大きい箇所に視線が惹かれる傾向があることを示した.本稿では,予測誤差とその他の画像特徴量との違いを明らかにしたので報告する.

194

慎重な運転行動を促進する目標フレーミングを用いた注意喚起の検討

山本 大貴(京都工芸繊維大学大学院)・西崎 友規子(京都工芸繊維大学)

ネガティブなフレームを付与した表現は強い動機づけに繋がりやすいことが知られている.本研究は,安全運転を促進する注意喚起の検討を目的とし,走行前及び走行中の注意喚起の効果を調べた.その結果,ポジティブフレームではなく,ネガティブフレームを用いた注意喚起がより慎重な運転行動を促す可能性が示された.

  • セッションNo.130 衝突安全構造
  • 10月13日 名古屋国際会議場 133+134 14:30-16:10
  • 座長:櫻井 俊彰(東京都市大学)
No. タイトル・著者(所属)
195

深層学習を用いたBピラー3点曲げのエネルギー吸収特性予測

鈴木 香織・西原 剛史・海氣 絵里(マツダ)

自動車の開発効率向上に,AI活用は有効な手段になり得る.衝突開発では,部品の断面幅や穴,ビード等の形状変更がエネルギー吸収特性に与える影響を把握することが重要である.本稿では,側面衝突を模擬したBピラーの曲げ解析において,三次元形状から曲げ特性を予測可能なサロゲートモデルを深層学習で構築した.

196

エネルギー伝達に基づく衝突性能設計法の提案
-進行座屈の場合-

袁 鑫(神奈川大学大学院)・栗原 海・山崎 徹(神奈川大学)

衝突SEA(Impact SEA;ISEA)は衝突性能をエネルギー伝達特性に基づき評価する手法であり,ISEAを用いて進行座屈部材の設計を行う.本論文では,車体設計に使われている荷重―ストローク線図から,ISEAモデルを介して衝突部材を設計し,FEM解析による検証を行う.ISEAを用いた設計手順の構築および有効性を示す.

197

複層シェルメッシュ構造を考慮した機械学習を用いた側面衝突時の骨格変形予測手法の開発

谷口 真潮・園 智仁・小野寺 啓祥・川原 康照(トヨタ自動車)

板金で構成される車両骨格構造は,外形形状部材および構造部材で層状に構成され,その構造を機械学習で表現できる手法は報告されていない.本発表では,複層シェルメッシュで構成された車両形状を考慮した機械学習を用い,サロゲートモデルを構築し,車両側面衝突時の骨格の変形および物理量の分布を予測可能とした.

198

Isogeometricシェル構造解析の面外変形挙動

星野 瑞希(山梨大学)・山内 一矢・小島 宏介(マツダ)・大鹿 穂積・古橋 輝一(山梨大学)・横山 優太(山梨大学/ダイバーテクノロジー)・杉山 裕文 (山梨大学)・岡澤 重信(山梨大学/ダイバーテクノロジー)

自動車衝突解析において,面外変形挙動を正確に再現することは必要不可欠である.Isogeometric解析はCADとデータ親和性のあるコンピューターシミュレーション手法として注目されている.本研究では,このIsogeometric解析における面外変形性能やその数理的な考察を一般的な有限要素解析におけるシェル構造の例題計算との比較を通して実施する.

  • セッションNo.131 高齢ドライバのペダル操作
  • 10月13日 名古屋国際会議場 141+142 9:30-11:35
  • 座長:小竹 元基(東京工業大学)
No. タイトル・著者(所属)
199

高齢者によるペダル踏み間違い事故の被害軽減を目指した事故統計データの分析

加藤 洋子・阿部 晃大・関根 道昭・松井 靖浩(自動車技術総合機構)

既報において,高齢者はペダル踏み間違い事故を起こしやすく,一般交通の場所(駐車場等)で発生頻度が高いことを確認している.本研究は,ペダル踏み間違い事故における衝突回数や相手方の人身損傷程度について追加分析を行い,高齢者によるペダル踏み間違い事故は多重衝突や相手方が死亡重傷に至りやすいことを確認した.

200

加齢によるペダル操作特性の変化と運転行動への影響(第1報)
-台上でのペダル操作能力と一時停止交差点通過行動の関連性の検討-

平松 真知子・海老名 亮彦・川野 勉・瀬口 秀則・佐久間 壮(日産自動車)

本研究は,高齢運転者の特性を考慮した車両や支援策の検討のため,加齢による認知・身体機能の変化が運転操作に及ぼす影響を明らかにする.本報では,高齢運転者に多発する出会い頭事故に着目し,加齢により微細なペダル操作の精度が低下し,交差点進入行動に影響するという仮説を置き,台上実験と実車実験で検証した.

201

加齢によるペダル操作特性の変化と運転行動への影響(第2報)
-基本操作と交差点右折行動,駐車行動への影響-

海老名 亮彦・平松 真知子・川野 勉・瀬口 秀則・佐久間 壮(日産自動車)

本研究は,高齢運転者の特性を考慮したクルマ,支援策検討のため,加齢による認知・身体機能の変化が運転操作へ与える影響について明らかにする.本報では,加齢により微細なペダル操作の精度が低下することを,基本操作である発進,一定速保持と,複雑な操作が必要な交差点右折行動,駐車行動を通して検証した.

202

高齢者の着座姿勢違いにおける緊急ブレーキ操作の踏力と下肢動作の逆動力学解析を用いた考察

久保 宗平(テラバイト)・牧田 匡史(帝京大学)・平尾 章成(芝浦工業大学)・藤井 宏明(福山平成大学)・田口 大輔(帝京大学)・國行 浩史(公立諏訪東京理科大学)・徳永 由太(テラバイト)

既報では,自動車緊急ブレーキ操作の実験によって,着座姿勢の違いによりブレーキペダルを踏める強さに差が生じた事を確認した.本報告では,その実験結果に関するメカニズムを筋力と至適筋節長の視点から明らかにするために,実験時に同時取得していた動作データを用いて逆動力学解析の手法による筋骨格解析を行った.

203

高齢ドライバの歩行能力向上によるペダル操作エラー低減の試み

細川 崇・田川 傑(日本自動車研究所)・平松 真知子・前 博行(日本自動車工業会)・鈴木 康裕(筑波大学附属病院)・清水 如代・羽田 康司・國府田 正雄(筑波大学医学医療系)

本研究は,前報より示されたブレーキの教示で誤ってアクセルを踏む足位置エラーの発生と歩行能力の関係性に着目し,歩行能力の改善による足位置エラーの低減を目指した.専門家の監修した歩行能力改善プログラムを高齢者に適用した結果,歩行能力とバランス機能に改善が見られるとともに,足位置エラー率の低下を確認した.

  • セッションNo.132 ドライバ姿勢・快適性
  • 10月13日 名古屋国際会議場 141+142 12:35-13:50
  • 座長:平尾 章成(芝浦工業大学)
No. タイトル・著者(所属)
204

筋骨格シミュレータを用いた疲労低減姿勢のためのシート因子の解析と検証

吉田 遼太郎・岡本 真也・福田 悠人(群馬大学)・岩瀬 勉・香西 俊彦(群馬大学/SUBARU)・中沢 信明(群馬大学)・坂本 雅昭(高崎健康福祉大学)・中村 俊平・内形 恭平・半田 昌巳(SUBARU)

本稿では,疲労の少ない着座姿勢のために重要なシート因子を選定し, 検証することを目的とする.シート因子は代表的なシート角度や摩擦係数を選定した. これら因子の水準を変化させ, シミュレータで筋活動を解析することで, 着座時の筋負荷に影響を及ぼす因子を選定した.また,官能評価実験により解析結果を検証した.

205

XZ分散図を用いた座位姿勢ゆらぎ評価によるドライバーの疲労推定

吉田 豊・湯田 恵美(東北大学)

交通事故の多くはドライバーの疲労や集中力の低下が原因とされており,ドライバーの疲労状態を正確に評価することは,交通安全の向上において非常に重要である.本研究では,ローレンツプロット解析を用いて,座位姿勢ゆらぎを評価して,ドライバーの疲労状態を推定する手法を提案する.

206

動揺病の定量評価指標

興梠 有人・都築 正憲・中西 竜一・小原 和晃・大平 真也・山田 勝徳・堂上 靖史(トヨタ自動車)

動揺病の初期症状として,めまい・冷や汗・動悸が知られている.これらと関連する可能性がある生理指標(重心動揺・額の湿度・心電図)と動揺病の関係を調査した.その中で心電図波形の特徴量は,重篤な症状がなくとも官能の悪化に従い変化する上に車内で安定して計測できるため,軽度の動揺病の定量評価が可能と考える.

  • セッションNo.133 ドライバ感性・生理
  • 10月13日 名古屋国際会議場 141+142 14:30-17:10
  • 座長:栗谷川 幸代(日本大学)
No. タイトル・著者(所属)
207

EU法に対応した日本語版カロリンスカ眠気尺度の提案

内山 祐司(豊田中央研究所)・中島 清文(トヨタ自動車)

EU法の運転者眠気注意力警告システム認証のためのカロリンスカ眠気尺度(KSS)を日本語に翻訳し,このKSSを他の眠気指標との相関により検証した.精神運動覚醒検査時とドライビングシミュレータ運転時にKSSは他の眠気指標との相関があり,このKSSの眠気指標としての妥当性が検証された.この日本語版KSSを広く使うことを提案する.

208

A Study on Expansion of User Experience in the Vehicle Space
-Development of Interactive Bi-Directional Multi-Console-

Jae Yong Kim・Sin Gyu Kang・Keun Chul Lee (Hyundai Motor)

In this study, in order to preemptively respond to the changing mobility service market, we propose to expand the user experience in the space inside the vehicle. It aims to verify the implementation of the proposed idea through a console mock-up and apply it to the main volume car. In order to maximize the usability of the console in a limited space, we have developed bi-direction armrest door and a built-in customization kit that can be attached and detached when the customer needs it.

209

視覚応答遅れと運転者の運転頻度が運転の操作感知覚に与える影響の評価

福田 悠人・岡本 真也(群馬大学大学院)・岩瀬 勉(群馬大学大学院/SUBARU)・澤田 直巳知・殿垣 佳治・花輪 和人(SUBARU)・土屋 謙仕(長野保健医療大学)・菊地 千一郎(群馬大学大学院)

本稿では,車両特性と運転者の属性,運転の操作感知覚の間の関係を調査した.運転者の運転頻度に注目し,運転頻度の異なる実験参加者に対して,操舵遅れを設定可能なドライビングシミュレータで運転タスクを行う官能評価実験を実施した.実験の結果,車両特性,運転者の属性が運転の操作感知覚に寄与することを確認した.

210

ドライバの特性不安と状態不安が運転行動に及ぼす影響

朱宮 千裕(京都工芸繊維大学大学院)・西崎 友規子(京都工芸繊維大学)

ドライバの特性不安,および運転中に抱く不安が運転行動に及ぼす影響を検討した.実験1では特性不安,実験2では状態不安に焦点をあて,右折等の不安を含むシーンについてドライビングシミュレータによって検討した.その結果,特性不安も状態不安のいずれもが,いくつかのシーンで不安全な行動に影響する傾向がみられた.

211

深部体温時系列解析を用いたドライバの焦燥感評価手法

吉田 豊・坂本 博明・湯田 恵美(東北大学)

高度な交通環境や渋滞など,ドライバが感じる運転ストレスの要因は様々であり,近年,ドライバの心理状態を評価して交通事故のリスクを低減するための交通システムが求められている.本研究では,深部体温の連続時系列データを取得して解析し,ドライバの心理状態を反映するかについて検証した.

212

ドライバのフラストレーションの推定及び解消法の検討

上四元 謙・Olivier Thorigne・福島 隆寛(アルプスアルパイン)・平島 佳典・高橋 宗汰(東北大学)・坂本 秀樹(アルプスアルパイン)・湯田 恵美・杉浦 元亮・高橋 信(東北大学)

安全性を低下させるドライバのフラストレーションの推定法の検討のため, ドライビングシミュレータによるフラストレーション条件下で生理・運転行動指標等を測定・分析した. 機械学習による推定では特徴量として主に視覚系指標が有効であった.またフラストレーションの解消法として感覚器の刺激のあり方の検討を実施した.

  • セッションNo.134 三元触媒
  • 10月13日 名古屋国際会議場 211+212 9:30-11:35
  • 座長:飯島 晃良(日本大学)
No. タイトル・著者(所属)
213

Optimization of High Porosity Substrate and GPF Based on Their Microstructures

Sungmu Choi・Jiho Cho・Ohyoung Kwon (Hyundai Motor)

In order to meet the EU7 emission regulations, the utilization of a high porosity substrate and a gasoline particulate filter (GPF) were considered. Both components needed to be optimized to enhance their performance, taking into account their respective microstructures. The optimization of the coating for the high porosity substrate aimed to improve its performance under high flow and temperature conditions by focusing on enhancing the on-wall coating portion. The effectiveness of on-wall coated GPFs and GPFs with a membrane layer was evaluated through engine bench tests and a capillary model based on their microstructure properties. In terms of Particulate Number (PN) and backpressure, GPFs with a membrane layer exhibited superior performance compared to on-wall coated GPFs. However, the emission performance of GPFs with a membrane layer was found to be a drawback. Nevertheless, it was discovered that this drawback could be mitigated by increasing the volume of the underfloor catalyst based on emission simulation.

214

吸蔵酸素がパータベーションによる三元触媒浄化性能改善に及ぼす効果の実験的検討

青山 颯汰(早稲田大学大学院)・草鹿 仁(早稲田大学)

酸素吸蔵能を持たない触媒と酸素吸蔵能を有する触媒を対象にパータベーションを組み込んだ試験を実施し,酸素吸蔵能が浄化性能に及ぼす効果を実験的に解析した.本試験結果を用いた検証により,酸素吸蔵能を考慮したモデルの汎用性の高さが示唆されたとともに,パータベーションに対する酸素吸蔵能特性を明らかにした.

215

三元触媒付きガソリンエンジンのNH3排出に関する研究(第2報)
-エンジン暖機中のNH3排出要因及び,凝縮水影響の解析-

井上 晶・糸山 浩之・横山 仁・野村 英樹(日産自動車)

内燃機関を用いた自動車はCO2低減と共に更なる排気低減が望まれている.
前報ではNH3排出について,環境違い等での排出結果差異とその主要因を挙げた.
今回,三元触媒の化学反応モデルを用いたエンジン暖機中のNH3排出の現象の解析と,
NH3の実車計測時の凝縮水の影響の確認とその影響を低減する方策を検討した結果を報告する.

216

XPS分析によるロジウム表面状態と触媒ライトオフ性能の評価

見野越 洋行・田淵 大智・永井 亮・藤原 弘邦(SUBARU)・羽田 政明(名古屋工業大学)・吉田 秀人(大阪大学)・町田 正人(熊本大学大学院)

自動車触媒に使われるRhでは,粒子径と性能に相関性がない場合がある.原因を解明するため,XPS分析によりRhの表面状態と性能の関係を調査した.その結果,酸化Rh割合が大きく,かつ高酸化Rh割合が小さい触媒ほど,還元処理で生じる金属Rh割合が大きいこと,金属Rh割合と性能に相関性があることを見出した.

217

多変量解析を活用した三元触媒におけるNH3生成メカニズム解明

出水 章登・松村 益寛・山田 啓司(マツダ)

Euro7よりNH3が規制物質となった.エンジン排ガス中にNH3は含まれず,TWC反応により生成されると言われている.その低減技術が急務であるが,本来TWCに求められる浄化機能も向上させる必要がある.本検討では,浄化機能との両立を鑑み,貴金属上でのNH3生成に関するメカニズムを実験およびシミュレーションを用いて解析した.

  • セッションNo.135 後処理システム
  • 10月13日 名古屋国際会議場 211+212 12:35-14:40
  • 座長:冬頭 孝之(豊田中央研究所)
No. タイトル・著者(所属)
218

Numerical Analysis of Soot Trapping by the Three-Way Catalyst (TWC) Porous-Particle Membranes with Variable Pore Sizes

Teerapat Suteerapongpun・Katsunori Hanamura (Tokyo Institute of Technology)

The numerical simulation was used to study soot trapping on the Three-Way catalyst (TWC) porous-particle membranes with varying pore sizes. The porous-particle membranes were artificially generated by the software. They were validated with the cross-sectional images of the actual porous-particle membrane to obtain a realistic morphology. Several macropores structures in the porous-particle membranes were investigated for soot filtration efficiency under the same conditions, such as membrane thickness and superficial velocity. The simulation could illustrate the soot trajectory influenced by each porous structure inside the membrane particles during the trapping. The result reveals that porous-particle membranes give a significantly lower-pressure drop while maintaining a high-filtration efficiency compared to the solid-particle membrane.

219

ディーゼル排出ガス後処理システムにおける各触媒の水熱劣化がNOx浄化率に与える影響の解析

岡 耕平・清水 昭義・鎌倉 聖・本谷 綾子・小澤 恒・石川 直也(いすゞ中央研究所)

ディーゼルエンジンの後処理には種々の触媒が搭載されており,各々異なる劣化挙動を示す.本報は,各触媒の劣化が後処理装置のNOx浄化に与える影響を解析する為に,貴金属触媒及びSCR触媒の水熱劣化モデルを組合わせて,シミュレーションを行った.その結果,主に貴金属触媒の劣化がNOx浄化率に影響を与えることを見出した.

220

尿素SCRシステムの性能予測に向けたインジェクタ噴霧液滴のPIV-DDM解析

長田 莉菜・奈良 祥太朗・杉山 直輝・小野 丈・川本 裕樹・福島 直哉・高橋 俊・落合 成行・野原 徹雄(東海大学)・大角 和生・石川 直也(いすゞ中央研究所)

本研究は尿素SCRシステムの噴霧液滴挙動を計算負荷が小さいPIV(Particle Image Velocimetry)-DDM(Discrete Droplet Model)で再現し,尿素SCRシステムを模擬した排気管内での液滴可視化実験との定量的な比較を実施した.その結果について報告する.

221

次期排ガス規制向け 高セル密度触媒担体

三上 大登・中澄 駿規・大原 悦二・杉本 健太郎(日本ガイシ)・加藤 恭平・川上 顕史(NGK Automotive Ceramics USA)・浅子 剛(日本ガイシ)・Anoop Reghunathan Nair(NGK Automotive Ceramics USA)・Christine Lambert・Eva Thanasiu(Ford Motor)

EURO7,LEVⅣ等の次期排ガス規制達成のためには,従来と比較してコールドエミッションの低減がより重要となる.
本発表では,昇温性向上のための高気孔率化,排ガスと触媒の接触面積増加のための高セル密度化によるコールドエミッション低減のメリットを確認し,次期排ガス規制に向けてこれらを両立した触媒担体を提案する.

222

低エネルギーでの微粒化制御による排ガス中のNOx低減/CO2吸収手法

野原 徹雄(東海大学)・尾上 大樹・小野 丈(東海大学大学院)・落合 成行(東海大学)

本研究では独自の微粒化技術を応用したNOxの低コスト浄化技術の高度化と共にCO2吸収・回収手法の開発へ新たに展開した.液滴の衝突微粒化コントロールをバイオミメティクス(生体模倣)にヒントを得た表面微細構造にて促進し, 更に衝突板への低電力電荷も付加した超微粒化制御手法の開発を目指す.

  • セッションNo.136 エンジン部品・潤滑油・トライボロジー
  • 10月13日 名古屋国際会議場 222+223 9:30-12:10
  • 座長:伊東 明美(東京都市大学)
No. タイトル・著者(所属)
223

機械式アトキンソンサイクルエンジンにおける往復しゅう動機構の研究

岩迫 昭大・岡田 義裕・酒木 崚・中西 啓太朗・船津 純矢・生友 良平(本田技術研究所)

機械式アトキンソンサイクルエンジン(以下,M-ATK)を成立させるためには従来エンジンにはない往復しゅう動機構が必要であった.可動部へは高速,高荷重かつM-ATK特有の複雑な挙動が入力として加わるため,その環境において軽量,コンパクトかつ耐焼付き性の高い往復機構を設計した.

224

アトキンソンサイクルにおけるピストンストローク特性の性能に及ぼす影響

中西 啓太朗・高橋 研介・清水 航(本田技術研究所)

機械式アトキンソンサイクルにおいては,機構パラメータが増えることから各行程におけるピストンのスピードをある程度自由に変更することができる.ピストンスピードの変化はエンジン性能に大きな影響を及ぼす.本研究では,この影響の定量化を行い,実際のアトキンソンサイクル機関における最適化の一例と実証結果を示す.

225

機械式アトキンソンサイクルエンジンにおけるエンジンフリクション・振動低減に関する研究

岡田 義裕・岩迫 昭大・溝上 彰悟・酒木 崚・中西 啓太朗(本田技術研究所)

従来機構と異なる機構とその機構を保持する構造となる機械式アトキンソンサイクルエンジンはフリクション,振動特性が課題となる.そこで解析モデルを構築,活用し,両性能を改善する仕様とした試作エンジンによる実証を行った結果,仕様の有効性を確認でき,正味熱効率向上とエンジン振動低減を達成した.

226

80℃のNOxバブリングにより劣化エンジンオイル中の添加剤劣化分析

沼田 俊充・荒木 祥和・藤井 由利子・伊藤 孝憲・稲葉 雅之・中村 清隆(日産アーク)

本研究では80℃でのNOxガスバブリングで作製した劣化オイルをXAFS,LC-MSで分析し,添加剤の分解挙動について考察を行った.併せて,SRV試験機による摩擦係数の測定,XPSによるトライボフィルムの分析を行った結果を紹介する.

227

ピストン摩擦平均有効圧力のAI予測手法の構築

杉本 桂一・櫻井 渉・小林 邦彦(アート金属工業)

従来弾性流体解析で算出していたピストンスカートフリクション(摩擦平均有効圧力:FMEP)について, 寄与する各種パラメータを洗い出し, 過去解析データを活用したAI予測手法を構築した. 今回, FMEPを予測するためのAIの構築方法及び弾性流体解析結果とAI予測の比較結果について報告する.

228

摩耗の進行を考慮したEHD解析によるすべり軸受の潤滑限界予測手法の研究

八田 智也・上西 隆文・森本 洋平(ヤンマーホールディングス)・村木 正芳(湘南工科大学)

すべり軸受の信頼性評価に当たり、なじみ過程を考慮したEHD解析の有効性が提唱されているが、これを潤滑限界の予測に応用した報告事例は少ない。本研究ではなじみの進行を再現できるEHDモデルを利用した予測手法を提案し、評価用すべり軸受を用いた試験機でその妥当性を検証した。

  • セッションNo.137 動力伝達系
  • 10月13日 名古屋国際会議場 222+223 13:10-15:15
  • 座長:佐藤 恭一(横浜国立大学)
No. タイトル・著者(所属)
229

大型FCVの回生ブレーキ作動不可時向け空気圧縮開放式補助制動装置 (第3報)
-多気筒化に向けた制動容量制御システム最適化-

藤田 壽憲・山口 諒・佐野 ちなつ・豊野 陽平・柴山 尚士(東京電機大学)

FCVトラックは電池容量が小で満充電になりやすく長い急降坂で満充電となり回生充電ができずに回生ブレーキ失陥が発生するケースが稀だが発生し得る.対策として開発中の空気圧縮開放式の簡易型補助制動装置を第1,2報で提案した.第3報として多気筒化構造に適する制動容量制御システムの検討結果を報告する.

230

高効率高減速化を達成する1枚歯ピニオンギヤ遊星歯車機構の開発

時﨑 哲平・小林 幹明・川島 義親・湯本 透・高草木 竜一・増山 譲(ミツバ)

高効率・高減速を達成する減速機「1枚歯ピニオンギヤ」については,インボリュート歯形と同様に,様々な仕様の減速機構への応用が可能である.本稿では,1枚歯ピニオンギヤを自動車部品への採用が多い「遊星歯車機構」へ応用し,入力・出力軸の同軸化及び,高減速化,小型化が可能であることを確認した.

231

後輪増速機構を用いた車両運動挙動のメカニズム解析

伊藤 奨・柿原 裕介・藤沢 侑哉・清水 友博・須山 稔・小野 瞭・小栗 昌己・山崎 義暢・薮崎 佑介・甲斐 千裕(SUBARU)

後輪増速機能を持たせたセンターデフ付きのAll wheel drive機構を用いて,等速状態と増速状態が影響を与える旋回時の車両運動挙動について,メカニズムを解析したので報告する.

232

スフェリカルクロスグルーブ構造による固定式等速ジョイントの車両適用開発

髙橋 誠二・桑原 隆宏(日産自動車)・船橋 雅司・崎原 立己・加藤 拓也(NTN)

ドライブシャフトではトルク伝達の過程でジョイント内部の摩擦により僅かながらトルク損失が発生する.
近年では,高まるSUV車の人気によりトルク損失率が大きい取り付け角度での適用が増えていることから車両燃費に対する影響が無視できない状況になってきている.今回,スフェリカルクロスグルーブ構造による高効率ドライブシャフトジョイントを開発・採用することにより車両燃費へ貢献すべく開発を実施したので報告する.

233

小型商用車用9速トランスミッションの開発

明石 浩平・岡本 壮史・金子 直弘・秋山 雄介・大西 俊介・江浪 健宏(いすゞ自動車)

小型商用車用に9速トランスミッションを開発した.
独自のコンパクトなギヤトレイン構造によるワイドレンジかつクロスレシオのギヤ比設定と,低損失・高効率化により,燃費性能を大幅に向上させると共に,デュアルクラッチの採用によりシームレスな変速性能を実現しました.
今回はその概要について紹介します.

  • セッションNo.138 振動・騒音・乗り心地II
  • 10月13日 名古屋国際会議場 224 9:30-12:10
  • 座長:杉山 康二(スズキ)
No. タイトル・著者(所属)
234

エンジン音質改善のためのパワープラント伝達関数の計測法と評価法

鳥居 建史(本田技研工業)・小西 敬三(本田技術研究所)

以前,筆者らは,燃焼騒音の音質を改善するための構造系伝達特性の中間評価指標を開発した.しかし,この指標は筒内圧を参照信号とした周波数応答関数を基にしているため,既存の振動解析法と連携させることが困難であった.そこで,力加振による実験で得た周波数応答関数を基に,類似の中間評価指標を得る方法を開発した.

235

シャフトの自転影響を考慮したR-S連成原理によるギヤノイズ解析の提案

小川 祐則・新谷 啓行・菅野 将俊(エステック)・酒井 和人・山﨑 友博(トヨタ自動車)

パワーユニットの電動化,高回転化に伴い,駆動系ギヤノイズ解析の重要性は従来に増して高まっている.従来手法はシャフトの自転を無視しているため予測精度に課題がある.本発表ではシャフト自転を考慮したR-S連成原理を応用し,精度の向上と同時にサイドバンド振動の予測が可能な新しいギヤノイズ解析手法を提案する.

236

変速音に対応した変速ショックおよび変速操作力の設計による変速操作感の創生

五十嵐 啓紘(中央大学大学院)・戸井 武司(中央大学)

パドルシフト等の変速操作に対するフィードバックに適した変速音の設計により心地よい変速操作感を創生した.また,加速走行時の音環境変化を考慮した変速段ごとの変速音の設計による加速感の向上を図った.本研究では,変速段ごとの変速音に対応した変速ショックおよび変速操作力の設計による新たな変速操作感を創生する.

237

ドア部品の遮音性向上のための三重壁構造因子の検討

岩間 隆史・佐藤 健太郎・玉井 良清(JFEスチール)

車外騒音に対するドアの遮音性能において,質量則より軽量化は不利と考えられる.ただしドアは三重壁構造(アウター,インナー,トリム)であり,一枚壁が前提である質量則の効果は不明である.
三重壁モデル実験において,軽量化(アウター薄板化,インナー開口率増加)の遮音性への影響および遮音向上対策を検討した.

238

固有振動数成分除去法によるマルチロータ型ドローンの吊り荷の制振

栗原 海・山崎 徹・岩田 和朗(神奈川大学)

ドローンで荷物を吊り下げて運搬する場合,停止時に生じる残留振動が問題となる.本報では,非線形性や減衰の影響をも考慮して吊り荷の残留振動を抑制できる固有振動数成分除去法を用いて制振を図った.数値シミュレーションおよび実験により,本手法のマルチロータ型ドローンの吊り荷に対する有効性を検証できた.

239

道路交通騒音予測のための車両騒音モデル構築法の提案

岩本 凌(神奈川大学大学院)・白橋 良宏(神奈川大学)・和田 将行(日産自動車)・山崎 徹(神奈川大学)

自動車の道路交通騒音の予測のために,車両単体騒音を正確に予測する騒音モデルの構想・構築法を示す.また,騒音モデルの活用事例として,100%電動駆動ハイブリッド車を対象に一般道路における車両単体の道路交通騒音へ及ぼす影響を検討したので結果を報告する.

  • セッションNo.139 振動・騒音・乗り心地III
  • 10月13日 名古屋国際会議場 224 13:10-15:15
  • 座長:多田 寛子(本田技研工業)
No. タイトル・著者(所属)
240

疲労強度開発のための走行時荷重に基づく路面分析技術

大網 徹(トヨタ自動車)

車両の疲労強度の観点から,車両の悪路走行時の負荷のモードに着目した,ランダム悪路の評価手法を開発した.
本手法は,市場の路面と車両開発の評価路面の対応の把握,評価路面の設計,車両評価のコンポ評価への落とし込み等への応用が期待される.
今回は,この手法の内容について報告する.

241

空調機騒音の能動制御技術の研究

重 昂輝・寺島 修(富山県立大学)

空調機騒音の能動制御技術の提案を目的に研究を行った.制御システムはドアスピーカ,マイクロホン,コントローラからなり,システムをシンプルにするため,制御アルゴリズムはフィードバック制御とし,耳元位置での騒音を周波数領域で1サンプル毎に予測するものとした.制御の結果,O.A.値で4-5 dBの騒音低減効果を得た.

242

AI手法を用いた自動車用HVACのBPF騒音予測技術

鈴木 拓哉(デンソー)

HVAC送風機で発生するファン回転1次騒音(以下BPF騒音)について,従来の空力音響計算を量産設計段階で適用するためには,計算コストの抑制,解析スピード向上が課題.
本報では,「蓄積した実験評価データ」と「解析結果データ」を組み合わせてBPF騒音を予測する予測技術を紹介する.

243

2圧力/2システム法を用いたブレーキシステムの圧力脈動1Dモデル開発

矢野 眞大・吉岡 信彦(アドヴィックス)・小池 洋平・駒田 匡史(トヨタ自動車)

ブレーキ作動音は,制御ブレーキアクチュエータの圧力脈動がブレーキ配管内の定在波によって増幅されて配管が振動することで発生する.諸元から計算することが難しいアクチュエータ特性を2圧力/2システム法を用いて実験同定し,ブレーキ配管内定在波を予測できる 1D モデルを構築した.

244

ラム圧が低い車両での随伴法を援用したエンクロージャ設計

中川 修一・池上 聡一郎・阿部 倫大(ヤンマーホールディングス)・桃瀬 一成(アドバンスドナレッジ研究所)

定置/低速で運転される車両では,ラム圧が冷却ファンの全圧に比して低く典型的にはファンの増速やエンクロージャの開口などで熱管理するが,定置/低速が故に一定空間への長時間騒音曝露が問題となり得る.本稿では,熱管理と騒音制御のジレンマ解決に随伴法を援用したエンクロージャ開口位置の探査技法を提案する.

  • セッションNo.140 運転行動
  • 10月13日 名古屋国際会議場 232+233 9:30-11:35
  • 座長:北島 創(日本自動車研究所)
No. タイトル・著者(所属)
245

A Study on Accident Risk for Multiple Hazards after Takeover from Autonomous Driving

Fumitaka Fukuzawa・Yusuke Tanaka・Seiya Tanaka (Suwa University of Science)・Masashi Makita (Teikyo University)・Hiroshi Kuniyuki (Suwa University of Science)

In the evolutionary process of autonomous cars, there is concern about traffic accidents caused by driver operation immediately after the driver's takeover from autonomous driving. In this study, the authors set up a scene with multiple hazards immediately after switching from autonomous driving to manual driving on an urban general road, and analyzed the effects on cognition and driving behavior after takeover using a driving simulator.

246

Analysis of Motorcycle Driving Maneuvers for Road Alignment in Hilly and Mountainous Areas

Hiroshi Kuniyuki・So Takechi (Suwa University of Science)

There are many riders who drive motorcycles on hilly and mountainous roads and caused single motorcycle traffic accidents on curved roads. In this study, in order to clarify the driving operation of a motorcycle that is necessary for stable driving against the road alignment such as curve curvature, the authors analyzed the required curve initial operation and driving maneuvers in curves depending on the traveling speed used an analytical simulation.

247

市街地走行中に危険場面に遭遇した場合の人間ドライバの回避行動に関する実験的考察

児島 亨・真鍋 裕輝・北田 幸一・佐野 邦英(自動車技術総合機構)・篠原 歩・髙橋 奈々・島 忠史(国土交通省)・池田 幸洋(トヨタ自動車)

自動運転車に要求される安全の水準は人間ドライバと比較してどのような関係にあるべきかを検討する上で,人間ドライバの運転行動分析が必要である.本研究では,自動運転車が回避困難な事故シーンにおける人間ドライバの運転行動について分析するため,考え得る場面におけるドライビングシミュレータ実験を実施した.

248

An Analysis of Motorcycle Overtake Behavior from the Thailand Naturalistic Driving Study

Marko Medojevic・Hisashi Imanaga (JARI)・Hiroyuki Mae・Takashi Hasegawa (JAMA)

Traffic accidents encompassing motorcycles are disproportionately high in Thailand. For effective death and injury reduction, understanding motorcycle behavior in dangerous situations is pivotal. This study uses NDS data and focuses on identifying and understanding motorcycle overtake behaviors. Two urban traffic situations are considered: 1) motorcycle overtaking a vehicle going straight, and 2) motorcycle overtaking a vehicle that is changing lanes. Scenario-based analysis was used to identify maneuvers and describe the cause of danger in the selected cases. The preliminary results indicate complex patterns arising in motorcycle overtake behaviors. The identified maneuver patterns may be beneficial for vehicle safety feature development.

249

ペダル踏み間違い時加速抑制システムにおける不要作動に関する研究

甲斐 綾太郎・及川 昌子・廣瀬 敏也(芝浦工業大学)

ペダル踏み間違い時加速抑制システムの作動について,通常の運転時に加速抑制システムが発生する可能性がある.本研究では,加速抑制システムの不要な作動について,どのような場面で発生するか等についての調査を行った.研究ではドライビングシミュレータを使用した.

  • セッションNo.141 運転支援技術
  • 10月13日 名古屋国際会議場 232+233 12:35-14:40
  • 座長:松井 靖浩(自動車技術総合機構)
No. タイトル・著者(所属)
250

ハードウェアアップデートによる高度運転支援システムの機能向上の検討

小森 照元・赤羽 慧・原田 晃汰・五十嵐 功・名波 剛(ウーブン・バイ・トヨタ)

運転支援システムをソフトウェアアップデートによってライフサイクルの中で機能強化する取り組みが近年見られる.中でも自律センサ技術の進歩は早く,この特徴を生かして運転支援システムのさらなる機能強化を実現することが期待される.本稿では,全方位監視用センサハードウェアと運転支援ソフトウェアの両方をアップデートする新しいアプローチの検討結果について報告する.ハードウェアアップデートにより側方および後方にフラッシュLiDARを追加搭載し,周辺車両の位置情報をより高精度に取得できるようになり,新たに隣接至近車両に対する自車制御機能ソフトウェアのアップデートを実現することができた.

251

カメラによるドライバーの非接触式生体情報推定を用いた体調異常検知システムの検討

高橋 龍平・中村 雄大・田中 堅人・岸 千弘・村地 遼平・加藤 仁・常道 大智・小島 太一・大澤 隼也・白神 健瑠(三菱電機)

意識消失等のドライバの体調異常は重大事故になり易く予防が急務である.従来,体調異常時の姿勢崩れをカメラで検知する技術があるが,姿勢を維持して意識消失するケースへの対応が課題だった.今回,カメラで推定した生体情報の変化から体調異常を検知する新技術を提案する.本提案により課題ケースへの対応が期待できる.

252

カメラを用いた二輪車用運転支援システムにおける進路予測アルゴリズムの検討

長谷川 翔馬・武田 拓己・尾上 太郎・品川 晃徳(ヤマハ発動機)

本研究ではカメラの画像を用いた二輪車用運転支援システムにおける自車及び周辺車両の進路予測アルゴリズムを提案する.
このアルゴリズムでは二輪車の挙動を考慮し自車の進路とカメラ画像から検出した周辺車両の進路を予測する.
本稿ではこの進路予測機能をシステムに実装し実験により妥当であることを検証した.

253

緊急操舵回避支援装置の効果とドライバ受容性に関する研究

鈴木 崇・若杉 貴志・菊地 一範(日本自動車研究所)・千賀 雅明・占部 博之・平田 直(日本自動車工業会)

被害軽減ブレーキが新型車に義務付けられたが,より一層の事故削減に向けては,操舵回避支援への注目が高まると予想される.システムの操舵回避に対するドライバの受容性に関する研究例は少ないことから,本研究では,支援システムをドライビングシミュレータに構築し,支援とドライバ操作との干渉について検討した.

254

駐車位置周辺の路面マップ生成による簡単操作のメモリ機能付き駐車支援システムの技術開発

竹田 椋・渡邉 武史・鈴木 康啓・武者 祐介・松本 真都・桑原 絢一・高野 照久・佐藤 行(日産自動車)

日常的な運転負荷の軽減のために,自宅などいつもの場所で簡単に使える駐車支援が求められている.提案システムでは,ドライバーが駐車したときの路面模様を遡って広範囲に記憶しておき,周辺での停車時に照合することで位置を自動的に検出する.これにより煩雑な設定操作を排したワンタッチ操作の駐車支援を実現した.

  • セッションNo.142 安全教育と危険予測
  • 10月13日 名古屋国際会議場 232+233 15:20-18:00
  • 座長:吉田 傑(元本田技研工業)
No. タイトル・著者(所属)
255

安全運転管理教育システムASSISTにおける出会い頭事故防止教育用リアルタイム遠隔管理機能の開発

安藤 愛斗・合志 和晃・林 政喜・隅田 康明(九州産業大学)・松永 勝也(九州大学)

多くの運転者は一時停止規制箇所を徐行で通過しており事故の原因となっている.事故を防止するには,不安全行動があった時点で指導することが望ましい.本研究では,車載したエッジAIデバイスを用いて一時停止の評価を行い,同乗せずともリアルタイムに遠隔地から不安全行動を確認できるシステムを開発した.

256

自動運転技術を用いた遠隔教習指導システムの開発

半田 健太郎(ミナミホールディングス)・村木 友哉(ティアフォー)・宮崎 渉・石原 航平・江上 喜朗(ミナミホールディングス)・松木 裕二(福岡工業大学)

現在,一部の自動車学校においては遠隔(無線)による教習が行われている.この遠隔による教習を効率的に行うために,指導員の役割を担える遠隔教習指導システムを開発した.本システムは教習所内の走行順路を案内する機能,運転技能を評価する機能,評価の結果を教習生にフィードバックする機能の3つで構成されている.

257

ビッグデータを用いた交差点の危険度評価と対策効果推定について
-郡山市自治体との協業による郡山市交差点の危険度評価-

大西 浩史・伊藤 雄佑・小阿瀬 丈典(トヨタ自動車)

この研究は,トヨタのコネクテッドカーと交通事故データからのプローブデータを使用して交差点の潜在的なリスクを評価することを示しています. まず,0.4Gにわたるブレーキデータから急ブレーキ率を算出し,事故データと交通量から事故率を算出します. これらのデータを使用して,潜在的なリスクのある交差点とリスクのある交差点が検出されます. これらの交差点については,プローブデータによる解析に加え,郡山市と現地調査を実施しました. その結果,リスクのある交差点と潜在的なリスクのある交差点ごとに特徴が見出されます. 交差点ごとに交通事故リスクを軽減するための対策を検討しています. 特に大池北交差点については,信号周期変更の影響をVISSIMシミュレーションにより評価しています. 小さな道路横断バイパスの黄信号継続時間を延長することによる右折事故リスクの軽減が見出された. また,交通事故の危険がある交差点の多くは丘のようなアーチ状になっており,最初に丘があり,その後交差点に下ります.

258

機械学習を用いた点群データによる外界認識に関する研究

高橋 勇人・廣瀬 敏也(芝浦工業大学)・伊東 敏夫(芝浦工業大学/Hyper Digital Twins)

近年, LiDARを用いた点群データ上で物体認識を行う手法の研究が盛んに行われている. しかし,点群データによる物体認識は, 画像ベースの認識技術に比べて精度が低い.そこで,本研究では, 機械学習を用いて点群の3次元特徴と移動量を物体特徴情報として扱う,多様な特徴を考慮した高精度な物体認識手法を提案する.

259

自転車乗員への教育に向けた自動車との出会い頭時の走行位置と衝突リスクに関する検討

立和名 慎一・守谷 永翔・堤 成可(香川大学)

交通死亡事故削減のため,車両と自転車の出会い頭事故のような事例への対策が必要であり,車両側だけでなく,自転車乗員への教育方法の検討が重要である.本稿では,交差点接近時の自転車の走行位置と接近車両の関係から,衝突リスクを可視化し,乗員に伝えることを目的とした,リスク評価と表現方法の検討を行った.

260

実路面の摩擦特性計測に関する研究
-実路計測における課題抽出-

渡辺 淳士・栗谷川 幸代(日本大学)・景山 一郎・原口 哲之理(日本大学/先進路面摩擦データベース研究組合)・金子 哲也(大阪産業大学)・西尾 実(アブソリュート)

我々は試験路において路面摩擦係数の推定に取り組んできた.既に路面の乾湿の違いや,摩擦の異なる規定された路面での摩擦係数推定値が規定値と同等であることを確認済みである.次のステップとして,実路での摩擦係数推定を行い,計測輪が白線やマンホール等を通過することで生じる摩擦係数の変動に関する課題を抽出する.

  • セッションNo.143 通信・エレクトロニクスI -制御プラットフォーム-
  • 10月13日 名古屋国際会議場 234 9:30-12:10
  • 座長:松原 豊(名古屋大学)
No. タイトル・著者(所属)
261

Logical Execution Timeパラダイムの拡張とAUTOSAR Adaptive Platformにおける試作評価

石郷岡 祐・羽生 浩幸・祖父江 恒夫・芹沢 一(日立Astemo)

マルチコア対応ソフトウェア開発を効率化するLogical execution time (LET)パラダイムが提案されている.しかしながらLETは入力から出力までのレイテンシが長くなる課題がある.本研究ではFlexible LETと呼ぶLETパラダイムを拡張した手法を提案する.我々はAUTOSAR Adaptive Platform上にプロトタイプを実装し,性能を評価した.評価結果により,実用可能な見込みを得た.

262

制御系ECUのFOTAシステム開発

大橋 栄介・埋見 昌明・菊池 光彦(日産自動車)

本FOTAシステムは,無線通信を用いたSW配信・更新システムであり,下記特徴がある.
・IVIのみならず,大部分の制御系ECUのソフト更新に対応
・ソフト更新時の車両不動時間が非常に短い

本講演では,上記実現のため,
システム全体構成,システムフロー,対象ECUメモリ構成,サイバーセキュリティ対策,安全対策について,発表する.

263

既知のハミング重みに基づいたAUTOSAR E2EのCRC故障検出能力

山崎 康広・江見 太一・Nay Aung Han・大崎 博之(関西学院大学)

機能安全対応のため車載ネットワークではAUTOSAR E2E Protocolを利用する.E2Eはタイマー,カウンタ,情報の冗長(CRC)を持ち,故障を検出して危険事象の発生を防ぐ.ここでCRCは従来ハミング距離による簡易であるが保守的な故障検出率評価が行われている.本稿ではCRCの故障検出能力を正確に評価し,従来よりも正確な故障検出能力を導出する.

264

量子インスパイアード車載プラットフォームの提案と試作

大矢 晃示・藤本 裕(ミライズテクノロジーズ)・濱川 洋平・山崎 雅也・辰村 光介(東芝)

組合せ最適化問題をリアルタイムで解く車載プラットフォームとして,量子インスパイアード処理ユニット(QiPU: Quantum Inspired Processing Unit)を車載SoCのコプロセッサとして持つアーキテクチャを提案した.量子インスパイアドアルゴリズムとしてSBMを選択し,AI処理とリアルタイムに協調動作するPoCを車載FPGAで実現した.モチーフとして多体物体追跡を実機評価し,その結果,車載の自律制御システムとしての適合性と,多体物体追跡アプリにおける有効性を実証した.

265

ISO 21448及びISO 26262への対応を目的とした,車載システム向けSTPA拡張手法の提案

大場 諒介(三菱電機)・岡本 圭史(仙台高等専門学校)・村松 竜・毛利 寿志・三澤 学(三菱電機)

今日の車載システム開発において,車両の安全に関する国際規格である,ISO 21448及びISO 26262への対応が求められつつある.
しかし,両規格の共通成果物の流用により,効率よく両規格に対応する安全分析手法は確立されていない.
本講演では,既存の安全分析手法 STAMP/STPAに着目し,両規格対応の効率化を実現するSTPAの拡張手法を提案する.

266

ECU Software Virtualization for Virtual Verification

Kangyoung Lee・Yeongmo Lee・Eunhyung Cho・Subin Jung・Seongho Han・Beomseop Kim (Hyundai-Autoever)

SDV means Software Defined Vehicle, it consists of an electronic architecture consisting of OTA update, integrated ECU, vehicle software and cloud, and a service platform that integrates mobility and connectivity services. In this paper, in line with this SDV, we would like to present the virtual ECU development methodology for SIL environment-based virtual verification as two virtualization methodologies, HW and SW. Test engineers can use this solution to build a SIL environment and perform verification before HIL. In conclusion, this brings a front-loading effect that can be verified at the SW development stage.

  • セッションNo.144 通信・エレクトロニクスII -情報通信-
  • 10月13日 名古屋国際会議場 234 13:10-14:50
  • 座長:森野 博章(芝浦工業大学)
No. タイトル・著者(所属)
267

SDV実現のための異種通信フローを収容するTSN活用時間・帯域分割フロー配分型車載ネットワーク設計技術

大石 裕司・前田 功治(日立製作所)・小野 豪一(日立Astemo)

車両の全動作をソフトウェア制御するSoftware-Defined Vehicleに向け,単一車載ネットワーク内で異種通信フローを共存可能とするTime-Sensitive Networkingを用いたネットワーク設計の計算量低減のため,時間・帯域分割フロー配分型車載ネットワーク設計技術を提案する.

268

Software Defined Vehicle(SDV)実現のためのECU後付けおよびネットワーク動的設計技術の試作評価

大武 生祥・山崎 康広・山根 遼(トヨタ自動車)・山本 祐輔(住友電気工業)・中條 充(トヨタ自動車)・泉 達也・齋藤 卓大(住友電気工業)・栗山 奏・後藤 英樹(トヨタ自動車)

SDVは販売後にソフトやハードを継続的に更新する事で車の魅力を向上する.この際,車両全体のネットワーク設定を更新する必要があるため,SDNを用いて高速な切替えを実現する.またPnP実現にむけ物理的な情報を管理する機構も準備する.上記を実現するPoCを作成し,システムの実現可能性および作業時間短縮効果を確認した.

269

通信遅延及びネットワーク拡張性を考慮した車載イーサネット開発

此下 眞司・岩崎 一・湯本 大次郎(日産自動車)

車載イーサネットを用いた通信システム設計において,通信遅延の低減やECU追加・削除・トポロジ変更など,ネットワーク拡張を柔軟に対応する事を可能した,機能毎に仮想ネットワーク(VLAN)IDを定義する方法について述べる.

270

レイヤ2ネットワーク冗長化プロトコルの障害復旧性能評価と車載イーサネットへの適用検討

吉田 拓人・小谷 安弘・加来 芳史(デンソー)

車載イーサネットの冗長化を検討している.フェールセーフの観点から,通信経路に障害が発生した場合の冗長経路への切り替え時間は重要な検討事項である.本稿では,レイヤ2スイッチを用いてLink AggregationとRapid Spanning Treeの切替時間を計測し,車載イーサネットへの適用を検討する.

  • セッションNo.145 通信・エレクトロニクスIII -設計開発-
  • 10月13日 名古屋国際会議場 234 15:30-18:10
  • 座長:荒川 俊也(日本工業大学)
No. タイトル・著者(所属)
271

電源電圧の変動に強い実効電圧制御のための液晶レンズ駆動回路

宮内 悠明人・清水 創太・竹脇 僚哉(芝浦工業大学)・佐藤 進・河村 希典(秋田大学)・Matias-Jose Lopes(コインブラ大学)・長谷部 信行(早稲田大学)

本稿では従来の液晶レンズ駆動回路が実効電圧制御時に電源電圧の変動に大きな影響を受ける点に着眼し,新たな駆動回路を製作した.本駆動回路は印加電圧をコントローラにフィードバックして内部で実効値を推定することで,電源電圧値が急激に変化した場合でも,安定した所望の実効電圧値を与えることが出来る.

272

音響共鳴を用いた超音波液晶レンズの光軸位置制御

竹脇 僚哉・清水 創太・宮内 悠明人・無量林 圭吾(芝浦工業大学)・佐藤 進(秋田大学)・Jose Matias Lopes(コインブラ大学)・長谷部 信行(早稲田大学)

本稿では,音響共鳴による液晶超音波レンズの光軸位置制御について発表する.提案する手法により円周上に配置された複数の超音波発振器の位相及びオンオフのタイミングを制御することで,所望の位置に凹凸両方のレンズ効果を作り出すことが出来る.試作された駆動回路を含む実験装置についても詳細に述べる.

273

基板過熱に対する樹脂ケースの耐力設計手法の開発(第1報)

川﨑 美和・堀川 敦(日産自動車)・宮地 洋樹・八木 慎太郎・小山 航輝(エフ・シー・シー)

樹脂ケースの採用で課題になる プリント基板過熱に対する耐力設計を行うための手法を開発している. 耐力設計を行うために,基板発熱量の定量化と 発熱量に応じたケース材料変質の定量化が必要である. 本講演では基板発熱の定量化について報告する.

274

コーティング剤による電子機器の耐硫化性能の検討

永田 道治・大島 康裕・西森 久雄(トヨタ自動車)

混合ガス環境下における硫化対策案として,温度変化による応力が小さい3種のコーティング剤を検討した.結果,コーティング剤により硫化反応時間に差異があり,使用する部品と搭載温度環境の両方に配慮したコーティング剤選定の必要性が分かった.また,混合ガスにより理論的に発生するとされる硫黄ガスの存在を確認した.

275

Znウィスカの市場における成長の予測法

武藤 潤・柴田 靖文・西森 久雄・高井 康行・徳田 貴士(トヨタ自動車)

Znめっき鋼板から生じるウィスカについて発生する試験条件を調べた.すると一定条件を満たす温度サイクルを与えた場合にウィスカが発生することが分かった.
また,その結果から試験における熱ストレスと市場ストレスとの相関性を推定し,市場温度データから適切な試験期間を定める方法を考案した.

276

自動車通電部位の錆生成に関する机上検討手法

内田 晃(SUBARU)

電源システムなどの自動車の中で大電流が通電される部位に対する,錆生成の推定手法構築を試みている.電源システムは錆による機能失陥が顕著な部位であることに加え,常態的に電場が印加され錆生成に影響するという特異性を持つ.手法構築のために実施したモデル解析および実機計測の結果を報告する.

  • セッションNo.146 車室内空気質制御I
  • 10月13日 名古屋国際会議場 国際会議室 9:30-11:10
  • 座長:吉浪 讓(日産自動車)
No. タイトル・著者(所属)
277

Risk of Infection and Control of Airborne Pathogens in Automobile Cabins

Gursaran D. Mathur (Highly-Marelli North America)

The author has developed a photocatalysis system that is capable of eliminating all viruses including Covid-19. A HVAC system has been developed by using a filter impregnated by titanium di-oxide (TiO2) with UV lights to improve and maintain cabin air quality. The author has conducted additional testing and analysis of the virus destruction that are typically encountered in a conditioned space. The author has also conducted a detailed analysis of the potential risk of infection and control of the pathogens in a cabin of an automobile based on the infected occupant sitting in the cabin.

278

将来に向けた車室内空気質デザイン

達 晃一(いすゞ自動車/産業技術総合研究所)・篠原 直秀(産業技術総合研究所)・坂口 淳(新潟県立大学)・金 勲(国立保健医療科学院)・徳村 雅弘(静岡県立大学)・長尾 祥大(エスペック)・臼井 信介(カネカテクノリサーチ)・栗原 昇・岩井 彩(産業技術総合研究所)・後藤 貞仁(東洋紡エムシー)・林 則光(いすゞ自動車)・鍵 直樹(東京工業大学)・津田 研一郎(いすゞ中央研究所)・久野 稔(ジーエルサイエンス)・内藤 航(産業技術総合研究所)

これまで車室内空気質の改善は,内装部品から発生するVOCの低減として取り組まれてきた.これら対応は規制成分に対する対応であり,安全性の確保の意味合いが強い.一方で車室内環境は自動運転の技術進歩が加速する中,その使い勝手も変化しており,乗員に合わせた快適と付加価値を持った空間の提供が必要であると考えている. 将来を見据えて,新たな価値創造の可能性がある空気質の果たす役割について,空気質の指針と見える化の評価試験結果より,今後の将来展望の検討を行った.

279

利用者の視点から見た路線バスの室内環境に関する調査

坂口 淳(新潟県立大学)・篠原 直秀(産業技術総合研究所)・達 晃一(いすゞ自動車)

この研究では,路線バスの利用者視点から室内環境に関する課題を明らかにするため,ウェブアンケート調査を実施した.アンケートでは,利用頻度や混雑状況への意識,満足度,室内で気になるにおい,利用時に行っている感染症対策,そしてバス車両に導入を期待する感染症対策などを調査した.

280

公共交通における感染リスクとその対策

篠原 直秀(産業技術総合研究所)・達 晃一(いすゞ自動車)・鍵 直樹(東京工業大学)・金 勲(国立保健医療科学院)・坂口 淳(新潟県立大学)・内藤 航(産業技術総合研究所)

Withコロナ・Postコロナ時代において,持続的な経済活動を行うためには,感染源と感染経路の特徴を踏まえた実効性のある感染リスク対策が必要である.一般の人が狭い密閉空間に滞在する公共交通機関の車内における感染リスクの把握とそのリスク低減対策は社会的に重要な課題である.本研究では,地下鉄やバスなどにおける換気および感染リスクの評価と,対策としての外気導入およびエアロゾルフィルター導入,飛沫防御板の効果を把握するために,各種計測を実施した.

  • セッションNo.147 車室内空気質制御II
  • 10月13日 名古屋国際会議場 国際会議室 12:10-14:15
  • 座長:岩井 幸一郎(豊田中央研究所)
No. タイトル・著者(所属)
281

車室内VOCのトレーサビリティとその管理方法の検討

城井 啓吾・鈴木 達也・篠原 司(ジェイ・バス)・達 晃一(いすゞ自動車)・篠原 直秀・岩井 彩(産業技術総合研究所)・星野 邦広(ENVサイエンストレーディング)・臼井 信介(カネカテクノリサーチ)・徳村 雅弘(静岡県立大学)・阿部 徳之(IDIoT)

各自動車メーカーはシックハウス症候群の原因の一つであるVOC削減対策に取り組んでおり,バスは公共交通機関として多くの人に利用されていることから,VOC削減活動には大きな意義があります.
ジェイ・バス宇都宮工場では,設計・製造の両面でVOC削減を意識した活動を実施しています.
今後安心してバスをご利用いただくために,本稿で当社のVOC削減活動についてご報告いたします.

282

パッシブサンプラーによる車室内VOCの定量評価

星野 邦広(ENVサイエンストレーディング)・達 晃一(いすゞ自動車)・徳村 雅弘(静岡県立大学)・榎本 剛司(日本電子)

JAMAでは車室内VOCs試験方法として車室内空気をアクティブサンプリングで捕集した後,TD-GC-MSにて分析する方法を定めている.一方,量産車両に対するVOCs試験を考えた場合,サンプリング器材が必要となるアクティブサンプリングは実用性に乏しいと考えられる.そこで著者らは器材が不要なパッシブサンプリングを用いたTD-GC-MS分析方法を検討したので報告する.

283

車室内空気中に存在する未規制物質を含めた網羅的なリスク評価手法の検討

徳村 雅弘・酒井 颯大・大森 果菜(静岡県立大学)・達 晃一(静岡県立大学/いすゞ自動車)・榎本 剛司・小池 あゆみ(日本電子)・篠原 直秀(産業技術総合研究所)・牧野 正和(静岡県立大学)

自動車室内の内装材からは多種多様な化学物質が放散し,それらに起因する健康影響が懸念される.本研究では,未規制物質を含めた化学物質のノンターゲット分析と毒性ポテンシャルの予測手法を組み合わせることで,車室内空気中の化学物質に対する網羅的なリスク評価の手法を検討した.

284

車室内空気質に対する喫食の影響
-機器分析による空気質の計測-

内山 一寿・山城 舞・小関 在・松井 秀親・丹羽 啓誌(東海技術センター)

近年の社会ニーズやSDGsを進めるに有効なカーシェアリングが着目されている.しかしそこでは前の乗員が残したニオイや感染対策が重要な課題となる.今回, 車内での喫食前後のニオイを含む有機化合物をGC-OID-FPD-NPD-TOFMSで分析し,その結果を報告すると共に,最新の分析方法について述べる.

285

ガスクロマトグラフィー質量分析法の代替キャリアガス検討
-ヘリウム供給不足に対応したTD-GC/MSによる車室内空気室の分析方法-

達 晃一(いすゞ自動車)・中村 貞夫・芹野 武(アジレントテクノロジー)・星野 邦広(ENVサイエンストレーディング)

ヘリウムは不燃性,無色,無味無臭の不活性希ガスで,多くの科学プロセスや製造プロセスで利用されている.多くの産業がヘリウムに頼っているため,生産,不足,価格などに関する問題が生じており,アプリケーションにヘリウムを使う必要がある場合,様々な影響が生じる可能性がある.ヘリウムの代替ガスとして水素と窒素があるが,水素は大気開放環境下での使用は安全性に問題がある.窒素は平均線速度が小さくなるため分析時間が長くなったり,ピークシグナルが小さくなったりするなどの問題があるため,これらの課題を解決するための検討を行った.