「みんなさっさと逃げていく」民間に実務を丸投げ、巨額基金の実態

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大日向寛文
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 巨額の基金運営が企業に委ねられている。背景にあるのは、コロナ禍後に繰り返された数十兆円単位の経済対策だ。政治判断による「規模ありき」の財政運営の副作用として、公的機関で対応しきれず、企業に頼らざるを得ない実態が浮かび上がる。

 巨額基金の執行を求められる中央省庁の現場は、どうやって実行に移すのかに苦慮している。

 「予算獲得まではいいが、いざ誰が執行するかを決める段階になると、みんなさっと逃げ去っていく」

 昨年度補正で新設された「中小企業イノベーション創出推進基金」の政府関係者は、こうぼやく。

 この基金は、岸田政権が成長戦略の柱に据えるスタートアップベンチャー企業の育成に向けた目玉事業の一つ。当初は、経済産業省所管の国立研究開発法人、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に運営を任せる予定だった。

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