籾殻の利用 2008年12月開始 file momi1 試験結果を随時更新して行きます。
ハイブッシュ系の場合、植え付け穴が小さいと5~6年で根の張れる部分が無くなり樹性が落ちてきている
園が多く見受けられるようになりました。
対策としては植え穴を大きくして、大量のピートモス投入が効果的ですがピートモスの価格も高騰し代用
できる資材を探しておりますが、過去に試験的に籾殻とピートモスを併用した土壌の接木成木を掘り返し
てみると籾殻の部分にも根が張り樹性を保っているようです。
ハイブッシユ系自根の場合は、パトリオット、ブリジッタ、ミスティーは籾殻部分に根を張って来ていました。
ラビットアイ系は全品種籾殻部分に根が張って来ていました。
籾殻も3~4年すると腐って来て、土壌が改良されて根を張って来ているようです。
そこで、本格的に籾殻を利用することを計画しました。
当園の今までの植え方 (10年後の根域を確保するため、列状に大量のピートモスを使用)
Ⅰ 植え付けに籾殻使用 2008年12月開始
籾殻も3~4年経つと腐って来てプルーベリーの根が張って来ていましたので、籾殻利用を実施して行きます。
また、本土地は硝酸態窒素が過剰なため籾殻の窒素吸収、流失効果も期待しております。
(本土地は、借地で過去15年間生牛糞の捨て場で30cmより深い土壌は硬く固まりスコップが入らない状態で
したので土壌診断後、ユンボを使い1.2m幅で列状に約60㎝の深さまで耕しました。)
参考資料
月刊 現代農業2005年11月号 赤木流 モミガラ徹底活用術 硝酸態窒素の弊害 窒素過剰対策
約200リットル/1袋 長さ 23m 列幅.1.5m 硫黄粉15㎏散布
長さ23m 列幅1.5mに籾殻2.400リットルを約30㎝の深さに鋤き込みました。
改良効果を見て、2009年秋に植え付け予定です、それまでに植え付け穴の処理を検討します。
3月01日、試験的にアリーブルーBSを植えつれました。
2009年10月25日生育調査
① 2009年3月01日に硫黄粉+籾殻に植えつけたアリーブルーBSは根が張らず枯れはしないのですが
成長しませんでした。 期待外れ
② 同じく試験的に硫黄粉+籾殻+ピートモスで植えつけた、ラビットアイ系 スパルタンBS アリーブルーBS
は、順調に根を張っていました。
ラビットアイ系のウッタート 根が深く張っていますが籾殻が多く乾燥状態
籾殻使用量20リットル/穴
籾殻をすき込んで根が張っていない所の籾殻は腐ってサラサラの土(異常に早い過剰窒素の影響?)
になっておりましたが、上の写真のように根の張っている部分は籾殻の原形を残しておりました。
根に水/窒素分を取られ腐らなかったと思われます。
年数が経ち腐れば乾燥しずらくなると思いますが、当面乾燥防止用チップが多く必要と思われます。
当方は、省力化のためチップの使用量を少なくするため、籾殻使用量を上記の半分10リットルとしました。
生育調査後 籾殻使用量を25リットルに増量変更した方が良いようです。2011年3月
③ 2009年10月01日 実験結果より下記方法で植え付けを開始しました。
ピートモスの粉砕 ハンマーナイフモア(草刈、剪定枝粉砕と当方の必需品HR662)を使うと便利です。
良く崩れます。 ピートモスの袋は何かと便利です。
直径80㎝ 深さ10㎝の穴の中にピートモス40リットル 籾殻10 →25リットル2011年変更(粘土質の場合は多くします。)
硫黄粉200g 緩効性肥料200gと良く混ぜます。
柄の長いスコップ(自作)で深さ50㎝までの 混ぜた穴に根張り用ピートモスを10リットル追加し
土と良く混ぜます。 深さ25㎝の土と良く混ぜます。
当方の土壌は、父から乾燥しやすく、肥料持ちが悪くサツマイモくらいしか出来ない土地と聞いておりました。
注1、ピートモス40リットルを減らすよう数々の実験をして来ましたが、ラビットアイ系の場合30リットル位でも
旺盛に成長しますが、スパルタンBS等は最低限必要です。 籾殻を多くすると通気性は良くなるのですが
乾きやすくなるので土壌状態を見て判断して下さい。
注2、硫黄粉(土壌改革)は,大手の苗木屋さんが言われている使用量ではpHが下がりずらいので多く
使用しております。
参考引用データ
(大手の苗木屋さんのデータではありません。 過去の実験結果よりピートモスを併用しておりますが、妥当な量と思います。)
地温が15℃を超えると活性化する。効果の発現に2~3ヶ月要する。土壌とよく混和する。pHを1.0下げるのに
必要な量は硫黄粉50~80g/㎡(深さ10cm)。
また土壌の種類によって下がり方が違う。砂質土では50g程度、壌質土では80g位必要になる。
上記の量は深さ10cmを改良する場合であり、20cmになれば、×2で、倍必要。
緩効性肥料を混ぜ込んだ方が根が深く張るようです。
下記方法で植えつけました。
左列のように植え付け土壌が出来るまで、ピートモスを大量に混ぜた土壌(ピートモス40%位)
に1~2年間位密植植えをして移植すると作業効率が上がります。
(写真の右は1年間密植した苗を植えつけた状態)
利点としては
① 植え付けるまで、乾燥防止チップ不要、潅水も不要 (木屑チップ寿命2年位しか無い。)
② 植え付けるまで、除草剤を使用し徹底的に多年草(スギナ、つる草等)の退治が出来る。
③ 密植植えは、ポット植えより潅水の手間がかからない。
④ ポット植えの場合、コガネムシの被害、夏の高温による根腐れが発生しやすい。
⑤ 根が植え付け土壌に馴染んで乾燥に強くなり根がよく張る。
⑥ 数本の苗を生育モニタ用に植える事で、土壌作りの良否が判断でき被害を最小限にできる。
(籾殻を併用した場合や、粘土質土壌等は特に慎重に検討した方が良いと思います。)
等々、移植の手間より多くの利点が有ります。
肥料は、緩効性のIB化成S1号を、3月、6月、9月に10g/1本程度与えることで十分です。
早く定位置に植えつけ大きくしたいと思う事は理解できますが、慎重に植えつけた方が早いと思います。
当方の仲間も焦って植えて多く失敗しております。
ポットで大苗にしてから植えると
植え付け土壌よりポットのピートモスの方が乾きやすいく、潅水の判断が外見では出来ません。
(葉が萎れるまで乾くと、ピートモスは上からの潅水程度では、水を吸い込みません。)
当方、コンテナー植えした大苗を、根を崩して畑に植え付けましたが、ピートモスが乾いて根が張れず多くを
枯らしてしまいました。
今後、列状に鋤きこんだ籾殻に根が張れば植え付け成功です、調査して行きます。
最悪、鋤きこんだ籾殻に根を張らなければ、大量のチップを敷きチップ内に根を張らせる(一般的方法?、マルチ地獄)事を考えております。
大量のチップに依存した栽培は、樹が大きくなるにつれ根域確保のため、より大量のチップが必要となり、また根も浅いので乾燥防止のため
のマルチの効果が薄れて来ています。 雨の影響の実割れも多いようです。 マルチ依存の利点は土壌作り、植え付けが簡単にできますが !!
色々な植え付け方法で、やっと全ての植え付けが終わりました。
第一園の植え付け配置図
肥料について参考にして下さい。
植え穴に、植え付けの1~2年前に大量の籾殻を投入し腐らせれば、ピートモス使用量を少なく出来るので
はと思います。 また、ピートモスの代用に腐葉土等も利用できるのではと思います。
もう実験場所が無いのと、時間がかかるため植え付け実験は終了し果実の味と肥料との関係を実験して
行こうと思います。 他のローコスト植え付けを実施されている方、ご指導願います。
2011年現在、生育も良好でピートモス使用量を減らす良い方法と考えております。
Ⅱ マルチに籾殻と木屑併用 2008年12月開始
有機物マルチに関しては問題多く、倶楽部メンバーと検討中 2011年1月26日
防草シート利用 練馬区のブルーベリー栽培ビデオ
木屑マルチを厚くするとカブトムシ、コガネムシが大量発生し、カブトムシは防鳥網に絡まり、
取るのに苦労します。
カブトムシは木屑マルチの厚みを薄くすると冬の寒さを乗り切れない事を知っているょうで幼虫は発生しません。
しかし、木屑は腐りやすく、厚くしないと1年間マルチ効果を保てません。
(針葉樹の杉皮等は虫が発生しないようですが、残念ながら当方では手に入りません。)
籾殻は厚くマルチしてもカブトムシ、コガネムシは発生しません。
そこで、籾殻と木屑とを併用したマルチの効果を試験する事を計画しました。
籾殻を約8cm厚に敷きました。 木屑を籾殻の上に籾殻が風で飛ばないように約3㎝
敷きました。
写真右側の列は木屑だけ約10㎝敷き効果を比較します。 (使用した木屑は広葉樹が多いです。)
籾殻は軽く(木屑の1/4程度)、チップ敷きの重労働から開放されます。
また、籾殻は腐りにくいので、マルチ敷き作業が2~3年に1回程度で済む事を期待しております。
過去に籾殻が飛ばないように米糠でコーティングしましたが、米糠を雀に食べられてしまいました。
当方、植穴を、大きく深く土壌改良しているため、チップの目的は乾燥防止、草防止で、チップに根を張ら
せる事を目的としてしておりません。 腐ったチップで、根域を作るのは作業的に非効率と考えております。