コラム

【事業再構築補助金】よくある勘違い5つ

事業再構築補助金のお問合せの中で、「間違いが多い」点は?

事業再構築補助金が新型コロナウイルス感染症対策として予算が編成され、令和3年2月15日にその概要が公表されました。しっかり読めばすべて書いてあることですが、当事務所へ寄せられる相談においても未確認であったり、思い違いがあるため、「よくある勘違い」として5つに絞ってご紹介させて頂きます。
【勘違い①】補助金は「採択」されれば必ずもらえる
補助金は、「採択」発表がされた後に、改めて交付申請を行い、「交付決定」を得る必要があります。そして、交付決定後に発生した(交付申請書記載の)経費であり、かつ、それが補助事業計画に従って、補助事業実施期間中に発注(契約締結)・支出・納入(検収)が完了した経費であり、「実績報告書」にて認められた場合に限り、補助金が交付されます。つまり、交付決定を受けた支出予定経費であっても、補助事業実施期間外の支出になってしまったり、否認される可能性があります。つまり、「採択」されて「補助金が必ずもらえる!」ではなく、しっかりと適切に補助事業を実施する責務を負います。
【勘違い②】既に支払った費用であっても、採択されれば「補助対象経費」となる
事業承継補助金に限らず、補助金制度は、原則として「交付決定後」に支出した経費のみが対象となります。例外的に事前着手申請を行い、「承認」された場合に限り、「交付決定前」に購入契約等については補助対象となり得ます。なお、この「承認」は採択ではないため、あくまで審査をクリアする必要があります。
「事前着手承認申請」に関する詳しい説明はこちら
【勘違い③】事業再構築の方法は、独自の考えに基づいて策定しても対象となる
「事業再構築指針」に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行うことが要件です。独自の手法で行うことは求められておらず、指針に従う必要があるため、指針を熟読して理解する必要があります。
【勘違い④】補助金は「返還する必要」がない
補助事業実施完了後も、5年間にわたり厳格な管理が必要とされ、不正・不当な行為があった場合には、補助金を返還しなくてはなりません。また、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」等の規定により、補助事業(補助金の交付を受けて行う事業)の結果により収益(収入から経費を引いた額)が生じた場合には、補助金交付額を限度として収益金の一部または全部に相当する額を国庫へ返納していただく場合があります(これを「収益納付」と言います)。そのため、「補助金は返還する必要がない」という理解は誤りとなります。
「収益納付」に関する詳しい説明はこちら。
【勘違い⑤】自社で働く従業員の「人件費」も対象となる
事業再構築補助金は、基本的に「設備投資」に対する補助金制度となっております。自社の従業員の賃金は補助対象外となります。例えば「システム構築」が必要な投資である場合において、自社の従業員が行った人件費は補助対象外ですが、外注先に依頼して開発した場合には、外注費(機械装置費)として補助対象となります。IT企業等で勘違いが多い部分です。