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台風13号に伴う大雨で、茨城県内では11日までに、新たに日立市で40歳代の男性1人の行方不明が判明したほか、11市町村で浸水被害が800棟を超えるなど、被害の状況が徐々に明らかになってきた。日立市では孤立集落も出ている。10日は大井川知事が被害の大きかった日立、高萩、北茨城の3市を視察、国と連携して被災者支援に努める考えを示した。
「私たちのような零細企業では、自己資本に限りがあって経営もおぼつかないんです」。北茨城市大津町北町の水産加工会社「いりまん水産商店」社長の
台風13号に伴う8日夜の大雨で、そばを流れる川が氾濫した。膝くらいの高さまで水が上がり、工場4棟の中に流れ込んだ。水がひいた9日未明に工場内を確認すると、泥にまみれた段ボールや発泡スチロールなどが散乱していた。冷凍庫も浸水し、メヒカリの干物やサンマの丸干しなどの加工品のうち、「9割がだめになっただろう」と肩を落とす。
老舗の3代目で、上神谷さん夫婦と従業員3人で切り盛りする。年間の売り上げは4000万~5000万円。利益をもとに少しずつ設備投資してやりくりしてきた。加工する機械などと合わせた今回の被害額は年商を超える6000万円に及ぶと想定している。
同社では新商品の「メヒカリの唐揚げ」を10日に出荷する予定だった。福島第一原発の処理水海洋放出を巡って風評被害が懸念される中、「家庭のニーズに合ったものを作ろう」と頭から丸ごと食べられる商品を作ったばかりだった。
4年前の台風19号の時は、足元まで水が迫ったが、土のうを積んで難を逃れた。その後、上神谷さんは周辺住民の署名を求めて回り、川の護岸補強や掘削工事をしてほしいと行政に求めてきた。今回、大きな被害を受けて「誰かが犠牲にならなければ対応してもらえないのか」という思いはある。
後片付けが続き、被害の
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