「みんなで大家さん」は危ない?リスクを賃借対照表で読み解く&ファンド例から見る将来性

都市綜研インベストファンド株式会社の賃借対照表を読み解いてみよう

「最低投資金額100万円~」はデメリットとして取り上げましたが、不動産投資の観点からは非常に手頃な金額です。そのため、必ずしもそれ自体が危険性やリスクになるとは言えません。

一方で、「行政処分の過去」については投資者として気になるところです。そこで2023年時点での「都市綜研インベストファンド株式会社」の運営状況を詳しく知るために、同社が公表している賃借対照表を「流動比率」と「固定比率」という2つの指標から読み解いてみましょう。

参考元:都市綜研インベストファンド株式会社 第25期決算公告(2023年6月30日発表)

流動比率(流動比率(%) = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100)は?

流動比率とは、流動資産(短期間で現金化可能な資産)を流動負債(1年以内に支払義務のある負債)で割ったものです。

同社の流動資産と流動負債は、第25期決算公告では以下のようになっています。

(資産の部) 金額(千円) (負債の部) 金額(千円)
流動資産 16,214,178 流動負債 79,911,970

流動比率の計算式は以下の通り。
流動比率(%) = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

この計算式に当てはめると、同社の流動比率は約 20.29 %になります。

一般的に流動比率は、100%を超えることが望ましいとされています。流動資産が流動負債をカバーできることを示しているためです。そのため「流動比率」という一点のみで判断すると、一定の危険性があると言えます。

ただし現時点での20.29%という数値は、後述する「日本ゲートウェイ成田」の計画などに大きな先行投資をしているためとも考えられます。短期的には負債が先行していることを示していますが、「数字だけ」を見て危険性があると判断するのは早く、他の指標も合わせて確認することをおすすめします。

固定比率(固定比率(%) = 固定資産 ÷ 自己資本 × 100 )は?

固定比率とは、自己資本(純資産)に対する固定資産(会社が1年以上にわたり長期保有している資産)の割合を示したものです。

同社の固定資産と自己資本は、第25期決算公告では以下のようになっています。なお、賃借対照表では、自己資本は一般的に「純資産合計」という項目に計上されます。

固定資産(千円) 217,992,500 純資産合計(千円) 9,298,339

固定比率の計算式は以下の通り。
固定比率(%) = 固定資産 ÷ 自己資本 × 100

この計算式に当てはめると、同社の約2344.42%となります。

これは、固定資産の価値が自己資本の約23.4倍であることを示しています。固定資産を全て自社でまかなっていれば、固定比率は100%を下回ります。

一方、100%を超えている場合は固定資産への投資金を外部調達でまかなっているということになり、2344.42%という非常に大きい数字は、同社の経営状況について「借り入れが極めて大きいのではないか」という見方はできるでしょう。

そのため流動比率と同様に、固定比率だけを見ると同社が「危険である」と判断できます。とはいえ、「みんなの大家さん」は過去に元本割れといった事は起きていないため、数値だけで投資判断するのではなく、後述する「日本ゲートウェイ成田」などのプロジェクトに共鳴できるかどうかといった点も重視しましょう。

みんなで大家さんが危ないと言われるその他の理由は?

デメリットで紹介した以外にも、みんなで大家さんが危ないと言われる理由があります。

一時的な債務超過になったことがある

債務超過とは、資産をすべて売却しても負債を返済できず倒産のリスクがある状態のこと。「みんなで大家さん」の場合は、2013年頃に一部上場企業の会計基準を求められたことが影響し、債務超過に見えたことがあります。

利回りが高すぎるとみられやすい

何度も説明したように、みんなの大家さんは6.0~7.0%とかなりの高利回り。そのため、本当に配当金の支払いができるのかと不安を抱く事業参加者(出資者)も多いようです。

みんなで大家さんの将来性

みんなで大家さんの将来性はどうでしょうか?

日本ゲートウェイ成田(シリーズ成田15号)

シリーズ成田15号は、みんなの大家さんで販売されていたファンドのひとつ。

日本ゲートウェイ成田

日本ゲートウェイ成田は、内閣府が定める「国家戦略特区」の指定区域内の再開発プロジェクトとして、2026年度末に開業予定の複合施設です。ただ、当初は2025年春のオープン予定でした。成田国際空港から車で3分、東京ドーム10個分にも相当する広大な土地に建設されており、日本ゲートウェイ成田には、ホテル、ショッピングセンター、コンベンションホール、アートギャラリー、国際展示場、商業ゾーンなどが建設される予定です

(画像引用元:日本ゲートウェイ成田公式サイト

日本ゲートウェイ成田は「成田空港周辺開発プロジェクト用地」にて建設予定。都市綜研インベストファンド株式会社のグループ会社である「共生バンクグループ株式会社」が開発を手掛けています。先に紹介した「成田16号」など、シリーズ成田はいずれも日本ゲートウェイ成田に関連するものであり、現在多数のシリーズが販売されています。同プロジェクトに魅力を感じられるかどうかも「みんなで大家さん」で投資をするべきかの重要な指標の1つとなるでしょう。

みんなで大家さんファーム

みんなで大家さんは、栽培事業に関与する「みんなで大家さんファーム」というファンドも運用しています。

みんなで大家さんファーム

みんなで大家さんファーム1号では、対象不動産を農業法人に賃貸し、そこでバナナを栽培。賃貸利益を事業参加者(出資者)へ分配しています。現在「みんなで大家さんファーム」シリーズは、1~3号は満期を迎えていますが、ファーム4~6号は運用中です

みんなで大家さんは本当に儲かるの?みんなで大家さんの特徴

実際、みんなで大家さんは本当に儲かるのでしょうか?みんなで大家さんの特徴を紹介します。

想定6.0〜7.0%と高利回り

すでに何度も述べているように、みんなで大家さんの利回りは想定6.0〜7.0%と高利回りなのが特徴。今まで元本割れしたこともなく、口コミでも「想定利回り7%を下回ったことがない」という声もあがっています。

運用や管理の手間は無し

運用や管理は、営業者である「都市綜研インベストファンド株式会社」が行うため、一般的な大家としての仕事はありません。運用や管理などの手間がないのが特徴です。

3〜5年の中長期案件が中心

みんなで大家さんのファンドは、3~5年の中長期案件がほとんどです。一般的には、出資者を募る「不動産投資型クラウドファンディング」は短期型が短いものが多いですが、みんなの大家さんでは高利回りでじっくりと投資できます。

優先劣後方式を採用

優先劣後方式を採用を採用しているため、万一、損失が発生した場合も安心です。

優先劣後方式を採用

優先劣後出資方式とは、損失が出た場合に優先出資者に優先的に利益が分配される仕組みのこと。前述したように、みんなの大家さんでは優先出資として事業参加者への分配利益が守られます

配当は隔月(2ヶ月に1回)

配当は2ヶ月に1回、つまり1年で6回も利益を受け取れるため、定期的な収入になります。

途中で解約(地位の譲渡)が可能

みんなの不動産では、満期を迎える前でも「地位の譲渡」という形で途中解約が可能。解約手数料として出資金から差し引かれますが、手元に急にお金が必要になった際でも安心です。

「みんなで大家さん」がおすすめの人・おすすめしない人

「みんなで大家さん」は、最適でも3~5年間の余剰資金として100万円を用意できる人におすすめです。長期で運用しつつ短期間で配当を得たい人に向いています。

一方で、100万円を高いと感じる人や営業者の管理・運用に不安を抱いている人には向きません。資産運用の中には、100円~1万円程度で始められる商品もあるので身の丈にあった方法で投資を始めることをおすすめします。

まとめ

みんなの大家さんは「危ない」のかファンド例や賃借対照表を読み解きながら、解説をしました。みんなの大家さんは、これまでに元本割れを起こしたことがないですが、無論ほかの投資と同様に「元本保証」ではありません。いずれの投資にもリスクはつきもの。

今回紹介したみんなで大家さんのスキームやデメリット、またリスクを踏まえたうえで投資すべきか検討しましょう。賃借対照表の数値や、提供されているファンドにそもそも「将来性を感じられるか」検討してくださいね。

オトナライフ編集部
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