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知識量より愛を話したい

ぷはー!
「いい線いってる夜」おかげさまで満員御礼の熱いトークショーになりました!
ご来場のみなさま、お気にかけてくださったみなさま、本当にありがとうございました!最高の夜だったね!!!

第一部「活動報告会」では、それぞれの愛でる線を好きになったきっかけやどこに注目しているか等、写真を解説しながら「好き」をたっぷり深掘りした発表をしました。

第二部「マニアお悩み相談会」では、なにかを強く愛するがゆえに発生するお悩みを事前に募集してお答えしました。
なかでも「自分よりそのジャンルに詳しかったり、情熱を傾けている人に出会った時に落ち込んだことはある?」
「自分の好きなことを他人にも理解されたい?」
という問いは電線愛好家として何度も考えています。し、これからも考え続けて変わっていくことなのかなあとも思うのですが「いい線」の三人で話してみたら、それぞれがバラバラのことを考えていて面白かったです。

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今回の「いい線いってる夜」では、知識はたのしさのドアであり、今夜一緒に見たいのはその先にある「愛でるときめき」だ!という気持ちを大切にして、知識の量を披露するよりも個々人の「いい線」というものの見方、感覚や共感、あるいは違和感を披露してたのしむ会にしました。

一般的に電線愛好家のような「マニア」と呼ばれる人たちは、とにかく知識量が圧倒的で、対象についてばーっと語りだす…というイメージがある気がします。
実際にメディアで描かれる「マニア」は、対象を独自のスタンスで偏愛する市井の「専門家」として、まず初めに豊富な知識を披露して相手を驚かせることや感心させることが求められると感じています。
私は何かを学び、知ることも詳しい人から話を聴くのも大好きです。
マニア的活動でも、対象のおもしろさを知る入り口として興味を持ったものについて調べたり歩いたりしながら知識を得ることはとても大切だと思います。知識の獲得は、間違いなく電線愛好家としてのたのしみのひとつです。

ことマニア的な文脈における知識では「ひとつの事実」という正解(例えば電線の色が何の素材によるものか等)がありますが、愛・好きという感覚にあるのは「それぞれの真実」だと思います。
今回は「いい線」を愛でる三人が見たそれぞれの真実(と言うと大仰ですが、どんな感覚で街中の線を見ているか)を見せ合い「いい線いってるねー」とはしゃぎ合いました。これが本当にたのしかった。

イベントが終わってから、今回のテーマの一つ「知識量より愛だ!」についてずっと考えていました。
「そもそも知識を得るのは愛があるからだよね」いやでも「街中の線」について人前で話すときに知識量の披露をするのはなんだか腑に落ちないと感じてたのですが、「知識量より愛」というのをなぜ言い出したくなったのかぴんときました。やっと。今朝!

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私の話ですが、私は電線が好きで電線を追いかけていったら知識の量がすこし増えて、そうなると人から「すごい」と言われがちになり、この頃は「私ってよく知ってるのかも」とどこかで思っちゃうようになってしまったのですよ。浅はかだね〜

しかし私の知識は実際むらだらけで、もし一冊の本だったとしても、所々が虫食いになって読めないどころか800ページある本の3ページ分が水にぼやけた字で残っててあとは世界中に散らばってるらしい…みたいな感じ。
こんなことばかり書いても仕方ないですが、正直なところイベント中にも自分の勉強不足を感じました。

しかも「自分が何をどう見てどう愛しているのか」を考える時間が減ってる気もしたんです。「知ってる」と思うとちゃんと見なくなるから。反省。

本当は知れば知るほどなにも知らないことがわかるし、知ることはずっと追いかけられて最高に楽しいです。
しかし、こと人前では聞かれた時に答えるくらいでいいんじゃないか。
知識量を披露することや先生のようにふるまって誰かに教えるよりも、電線への愛をどんなふうに感じているかについて会話をしたほうが、長い目で見て色々な人がたのしめるんじゃないかと思ったんです。
そして実際やってみて、これは的を得ていると感じました。
「街中の線」を愛でる三人が寄り合うことでうまれたのは、「自分が何をどう見てどう愛しているのか」に関する熱い会話でした。

別視点ガイドの松澤さんの感想をみて、あらためて中島さん、加賀谷さんのお二人と話せたからこそピースなバイブスになったのだな…と思いしみじみありがたみを感じています…。本当にありがとうございました…。
お二人との打ち合わせで「知識量より愛」というテーマは一瞬で共有できたから、なぜなのかということを深く言葉にしてこなかったんだけど「街中の線を愛でる」という感覚は正答のないことだから会話が有機的になったのかなあ…。
知識を中心に話そうとするとマウントとか勝ち負けとかのある雰囲気にも近づきそうで私はそれが嫌だったんだよね。お二人とならそんなこともないんだけれど。うーん。わかったような気はするけれど、まだうまく言葉にしきれないので考え続けます!

ああ、こんなに長々書いちゃってすみません。
イベントに来てくれてありがとうございました!っていう記事でした。
「いい線いってる夜」は次回もかならず開きます!
もっと楽しんでもらえるようにしますので、今回来られた方も来られなかった方もぜひ遊びにきてくださいー!!

ではでは


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野口ワタル
>本当は知れば知るほどなにも知らないことがわかるし、知ることはずっと追いかけられて最高に楽しいです。
とても共感します。知識や経験を重ねた時にそこで満足せず、新たな「未見の我」に出会うことができれば、人として成長し続けられるのかなとも思ったり。
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知識量より愛を話したい|石山蓮華