現在まで続くパレスチナ問題をめぐっては、第一次世界大戦におけるイギリスの謀略が原因だとよく言われる。すなわち、オスマン帝国の解体を目的として、アラブ、ユダヤ、フランスに対してそれぞれ結ばれた3つの協定が相互に矛盾した内容だからというものである。日本ではイギリスの「三枚舌外交」と揶揄され、歴史の教科書でもよく槍玉に挙がるものであるが、各協定を詳細に検討すると事実誤認であることがわかる。