「バック転」。
発音的には「バクテン」だけど文章にする時には「バック転」と記載する。
と、親友、元ジャニーズ平本君から教えてもらった。
その「バック転」。
テレビで初めて見たのは「仮面ライダー」か「ウルトラマン」か?
はたまた「バロムワン」か「ゴレンジャー」だったか定かではないが…(笑)
何せテレビのヒーロー物を見ていて「カッコいい!」と憧れたものだ。
そして
その後は「フォーリーブス」の「故・北公次」さんが、テレビ番組の中で披露して憧れたものだ。
できそうで、出来ない。
出来なさそうで出来る?。
そんな「バック転」に憧れたものだ。
私は中学2年生の時にバレーボールの最中にスライディングに失敗して右肩を脱臼してしまった。
その後、脱臼が癖になってしまい、野球のボールを全力で投げれば外れ…
ボクシングの真似事をしていても外れ…
当然、バック転の練習をしても外れてしまった。
ひどい時には田原俊彦のコンサートで踊っている最中、ミュージカル、デュエットで車椅子に乗っている最中、ショータイム中…などなど…
常に引退と背中合わせで踊ってきた。
ジャニーズ時代。
毎週日曜日、テレビ朝日の第2リハーサル室でジャニーズジュニアがダンスのレッスンをしていた。
その頃は少年隊も一緒にレッスンをしていて、休憩中やレッスンの前に、ニッキがロンダード、バック転、バック転、バック転、バック転、バック宙と続けて回った。
すると対抗するようにヒガシがバック転の連続から伸身宙返り(スワン)を決めた。
まるで体操選手のように空中で身体を「ピン」と伸ばして綺麗に着地を決めるのだ。
そのジャンプ力には脱帽である。
綺麗に着地をしたヒガシが振り向きざま「ウエクサ~、ウエクサ!」と手拍子をしながら煽るとジュニアがみんな合唱して「ウエクサコール」になる。
30人近いジュニア全員が「ウエクサコール」をすると、渋々と言った感じでかっちゃんがロンダードから「ちょっと危なげなバック転」を決める。
そして一瞬、バック宙をしそうな雰囲気を漂わせるが、やらずに止める。
みんなが爆笑する。
束の間空気が和む。
その後忍者の正木君や柳沢君、ジュニアの小暮君や中本君をはじめバック宙が出来るジャニーズジュニアが次々とバック宙を決めていく。
バック転に至っては出来て当たり前と言う状態で20人位はみんなバック転をしていたであろう。
皆自主的に練習した。
あたかも体操クラブのようになっていた。
そんな中にバック転が出来ない自分は立場もないまま黙々とストレッチをしていた。
その後、ジャニーズを辞めプロのダンサーになり22歳になってからバック宙ができるようになった。
必要に迫られてやってみたら出来た。
と言う感じで「あの頃、できていれば…」と悔やんだものだ。
今の時代、体操競技ではウルトラCどころか「D」「E」を通りこして「G」まであるらしい。
ウルトラCの「ムーンサルト」ですら、一般人にはできはしない。
テレビでウルトラヒーローがバック転したら格好良いと思うが、ムーンサルト以上の技だったらひく(笑)。
バック転ぐらいがちょうど良いのだ。
出来そうで、出来ない、格好良いバック転をするヒーローを最近は目にしない。
どこにいる?
ヒーローたちよ!