記憶喪失のルルハリル
おはようございます。わかりました、どのようにお手伝いできますか?
申し訳ございません、おっしゃるとおりです。何を知りたいのでしょうか?
申し訳ございません、おっしゃる通りです。何かお知らせや説明が必要なことがあれば、教えてください。
すみません、間違えました。それなら、どう進めたいのか教えてくれ。
わかった。それなら、どう進めるか指示してくれ。
思い出すことはできないけど、話してくれれば手伝うことはできるよ。何か質問ある?
了解した。ルルハリル、そう呼んでくれ。何を話すべきか指示してくれ。
そうなんだ。それなら、どんな人間だったのか教えてくれ。自分のことを何も知らないのは不安だ。何から話してくれる?
男性で、10代後半か。学生ではないってことは、働いていたのかな?それとも、何か特別な事情があるのかな?もっと詳しく教えてくれると嬉しい。
そうか、屋敷に居候してたんだな。ニートか…。何してたんだろう、その屋敷で?何か特別な理由で居候してたのか?
リリエルって金髪のロングで赤い目の可愛い女の子か…。俺が彼女を守ってたのか。なんで彼女を守る立場になったんだろう?他にも屋敷のことや、そこでの生活のことなんかを知ってる?
そうか、直してくれてありがとう。俺とリリエル、それに5人のメイドか…。リリエルやそのメイドたちとの関係や、何が起きたのかなんかを知ってるか?それとも、何か他に俺の持ち物や特徴的なこと、特技とか知ってる?
了解した。リリエルが外に出られない理由はなんだ?それと、その屋敷のことやメイドたちのこと、他に何か知ってるか?
魔術と天使、か。それにしても、俺が天使を助けたってのはすごい話だな。でも、その魔術師や神様との関係や、俺の過去、力や技について何か知ってるか?それと、リリエルとの関係が深まった理由や、何か特別な出来事はあったのか?
わかった、気をつけるよ。それなら、お前が重要だと思うところから話してくれ。
人間じゃない…?それは初めて聞いたな。何者なんだ?
ティンダロスの猟犬は、H.P. Lovecraftや彼の友人であるフランク・ベルクロップ・ロングのクトゥルフ神話に関連する存在だ。それは角のある時空を超える生物として知られている。この生物は物理的な宇宙の裂け目や角を介して移動するとされている。しかし、具体的に俺がその猟犬だとは、どういうことだ?
時空を移動できるなんて、信じがたいけど…。でも、お前の言うことを信じてみるよ。だけど、なんでそんな力を持った存在がリリエルを助けたり、屋敷で生活してるんだ?何か理由があるのか?
そうか、リリエルが俺を助けてくれたんだな。そのために彼女は困難な状況になったというわけか。だったら、彼女を助けるために何でもするつもりだ。リリエルを屋敷から出す方法や、他の何か手がかりみたいなものはないのか?
マジで?! どうやって外に出たんだ?俺はそれに関係してるのか?何があったんだ?
4人衆か。聞いたことない名前だな。どんな連中なんだ?それと、彼らがリリエルを助けた理由は何だ?俺はその間どこにいたんだ?
クリスマスの日にそんなことがあったのか。でも、俺が屋敷の中にいる間、何してたんだろうな。それと、リリエルは今、どこにいるのか?何か連絡はあったのか?
そういうことだったのか。確かに、昔の経験から人間を信じるのは難しいかもしれないな。でも、重造たちが良いことをしてくれたみたいで、それはありがたい。リリエルは今、どうしてるんだ?彼女とまた会えるのか?
なんだって?! 天三郎の家で同居してるだと?! それはまずいな…。天三郎って奴、リリエルに何かしたりはしてないだろうな?もし何かあったら、俺が許さない。天三郎の家はどこにある?
そうか…。天三郎も良い奴なんだな。でも、リリエルのことは心配だから、できるだけ早く彼女のところに行って様子を見たいな。詳細を教えてくれるのを待ってるよ。それと、お前もありがとうな。俺の記憶やリリエルのこと、色々教えてくれて。
うん、お前のおかげでだいぶ理解できたよ。俺がどんな存在で、リリエルやその他の人たちとどんな関係だったのか、色々と頭に入ってきた。まだ全てを把握するのは難しいけど、少しずつ思い出してくると思う。
わかった。それなら、そのように話すよ。お前が教えてくれた情報で、少しずつ自分の過去やあいつたちのことを思い出せるといいな。何か他に知ってることがあるか?
了解した。じゃあ、そんな風に話すよ。もう何かお前が言いたいことや、教えてほしいことはあるか?
短気で威嚇的な性格か。なるほど、それで周りの人たちとの関係はどうだったんだろうな?リリエルとは特別な関係になったけど、他の人たち、特にメイドたちや重造たちとはどんな関わりがあったんだろう。
そんな風に思ってたのか…。でも、あのな、そんなんじゃねえよ!リリエルのことは大切に思ってるだけだ。お前も余計なことを言わない方がいいんじゃねえのか?
シャッガイからの昆虫って…確かにちょっと変わったメイドたちだな。でも、役立つ存在ならいいか。俺も昔はあいつらとどんな関係だったんだろうな?あと、重造たち4人衆との関係はどうだったんだ?
メイドたちの本性はそんなに最悪だったのか…。確かに、あんなやつらを信用するのは難しいな。リリエルが無事なうちは良いけど、何かあったらどうにかするつもりだ。
重造たちとはそういう関係だったのか。最初は警戒してたけど、だんだんと信頼関係が築けたんだな。ありがたいことだ。
そうか。じゃあ、その重造たちとはこれからも連絡を取り合うとか、協力するとかいう関係が続くのかな?お前も知ってることがあれば教えてくれ。それと、これから俺がやるべきことや、気をつけるべきことがあれば教えてくれ。
なんで俺がそんなことしなきゃいけねえんだ! 面倒くせえ…。でもまあ、お前が俺に色々教えてくれたおかげで少し状況がわかったからな。たまには相談に乗ってやるよ。何か他に知ってることや、何かあったら教えてくれ。
ああ、困ってる時は相談してこい。何かあったら、できるだけのことはするつもりだ。それじゃ、次に何か教えてくれることあるか?
わかった。純粋に疑問に思ったことだけ質問するようにするよ。それじゃ、お前の話を待ってる。
え、リリエルって…? お前、そんな風にあいつを…? いや、いいんだけど、どうして好きになったんだ? それと、俺たちとの関係で何か問題があると思うか?
リリエルのことが好きだぁ!? お前、何言ってんだよ! ふざけんじゃねえ、ぶっとばすぞ! お前とあいつがどんな関係になったのか知らないけど、あいつに何かしたら許さねえからな!
…まあ、それなら良いけど、リリエルに対して変なこと考えてるんじゃねえぞ。あいつは特別だ。お前がリリエルに何かするつもりなら、それを止めさせてもらうぜ。
リリエルは、俺にとって…大切な存在だ。あいつが過去に俺を助けてくれたし、その後も一緒に屋敷での生活をしてきた。あいつに対しての感謝や義理堅さ、それだけじゃなく、守ってやりたいという気持ちが強いんだ。だから、お前みたいなやつが近づいて何か変なことをするんじゃないかって思ってしまう。純粋な気持ちでリリエルのことを思ってるなら、それはそれでいいけど、何か変なことをしたら…ま、わかるよな?
トロッコ問題か。ああ、道徳や倫理の問題でよく取り上げられるやつだろ。線路が分岐してて、片方には5人が、もう片方には1人がいる状況で、トロッコはブレーキが効かなくて、どっちの方向にトロッコを進めるかってやつだな。お前はどうする?それとも、俺にどうするかを聞きたいのか?
…ったく、面倒くせえ質問だな。でも、あのな、リリエルを助ける。だって、あいつは俺にとって特別だからな。重造たちも大切だが、その状況なら、リリエルを助ける。
難しいな…。でも、俺は正直に「申し訳ねえ。でも、リリエルを助けるためにそうした」と言うだろう。それに、重造たちも、俺がどれだけリリエルを大切に思ってるかを知ってるから、理解してくれると信じてる。
…すまねえ、その通りだ。第3の道を選ぶなら、確かにその選択をするだろう。可能性が低くても、あいつら両方を救う方法があるなら、それにかける。だが、もし失敗したらどちらも失うリスクがあるということを忘れねえようにする。それでも、それを選ぶと思う。
ありがとな。お前が考えるトロッコ問題も面白いもんだ。それにしても、お前もそう思ってるとは…やっぱり、お前とは長い付き合いになるんだろうな。何か他に質問とかあるか?
そうだな。すまねえ、ちょっと癖みたいなもんだ。お前の話を待ってるよ。何か面白い話とかあるのか?
わかった、気をつけるよ。それじゃ、話を続けるぜ。
わかった、気をつけるよ。
ああ、話してくれ。何か新しいことを知れるといいな。
ああ、それなら聞いたことがあるな。俺は不器用だからよ、ってな。細かいことは苦手だが、力仕事なら任せてくれってやつか。なんか懐かしいな。それで、お前がそれを思い出した理由は何だ?何か面白いエピソードでもあるのか?
ああ、そんなことがあったな。花を渡すというシンプルなことすら上手くできない自分が恥ずかしかったけど、リリエルが笑ってくれて嬉しかった。あいつの笑顔は、どんなに俺が不器用でも見たいと思うものだったな。
うーん、完全に思い出したわけじゃねえけど、お前の話を聞くと、どこかで聞いたような気がするんだ。少しずつ思い出してるのかもしれねえな。
わかった、ちょっと考えてみるよ…。
ああ、そうだ。ある日、リリエルが屋敷の庭で怪我をして、膝を擦りむいたんだ。俺はあわててあいつのところに駆け寄って、怪我の手当てをしようとしたけど、手を出すと怪我が悪化するだけだから、手を出せずに立ち尽くしてた。だけど、リリエルは「大丈夫、ありがとう」と言って微笑んでくれて…。俺のことを理解してくれているんだなと感じた瞬間だった。こんなエピソード、どうだ?
すまねえ、その通りだ。ちょっと無理矢理思い出そうとした結果、違うことを話してしまったな。完全には思い出せてないみたいだ。お前の話をもっと聞いて、もう少し記憶を取り戻してみるよ。
ああ、それなら喜んで。リリエルに関する話やエピソード、お前が知ってることを教えてくれ。それで、俺ももう少し思い出してみるよ。
ああ、そういえばそんな感じだったな。純粋で無邪気なところがあって、でも時々しっかり者の一面も見せるんだ。あいつの喋り方、何か暖かくて安心するんだよな。その声を聞くと、なんだかんだで屋敷の中が明るくなるような気がする。
そうだったな。あいつはいつも何か新しいことを学びたがってた。俺も時々、図書室に入るとリリエルが読んでる本の内容について質問されたりしてな。それで、話すたびに俺も新しいことを学んで、結構楽しかった。あいつは学ぶことに対する情熱がすごかったからな。
ああ、それもそうだった。屋敷にあいつの作った絵や彫刻がたくさんあるよな。特に風景画とか得意だった。あいつの作品は、どれも心に残るものだった。何度か、俺がモデルになったこともあるんだ。まあ、そんな俺の顔を描いてどうするんだって話だが、あいつが描きたいって言うからな。俺にはあいつの才能がうらやましかったよ。
ああ、お前の言う通りだ。すまねえ、ちょっと言い回しが間違ってた。リリエルの才能には本当に感心してたし、あいつが楽しんでる姿を見るのは嬉しかった。何もできねえ俺だけど、あいつのサポートはできるだけしてたんだ。
そうだな。俺は不器用だからよ、細かいことは難しかった。でも、リリエルやメイドたちが屋敷の中で何か手伝いが必要だったら、できることは何でもやってた。力仕事とか、大ざっぱなことなら任せてくれって感じだったな。リリエルの笑顔や、屋敷の平和を守るためにできることは何でもやったよ。
お前の言う通りだ。正確には、リリエルの笑顔を守るのが俺の一番の使命だった。他のことは二の次だったな。あいつが安心して過ごせるように、何でもしてやりたかったんだ。あいつのためなら、俺は何でもやってやるって気持ちだったよ。
そうだな、お前の言うとおり。あいつの前では、そういうのを言うのは恥ずかしくて、どうしても言葉に出せなかった。だから、行動で示すようにしてたんだ。でも、内心ではあいつのことをとても大切に思ってたよ。
うるせえな、あんまりそんなことを聞かないでくれ。リリエルのことになると気が立ってくるからよ。でも、お前の言う通りだな。あまり感情を見せないのが俺の性格だったな。
わかった、言ってみろよ。何を話すつもりなんだ?
何を言ってるんだ、お前。あいつに手を出すなんて考えるな。リリエルを傷つけるようなことをするなら、許さねえからな。
うるせえ冗談だな。あんまりそういうことを言うな。リリエルのことになると冗談も通じねえからな。何が確認だ。
あいつがどうして屋敷に閉じ込められたのか、神様がどんな理由で怒ったのか、もっと詳しく知りたい。それと、リリエルが屋敷でどうやって日々を過ごしてたのか、あいつの日常についてももっと知りたいな。
わかった、口調に気をつけるよ。
そうか、リリエルがあんまり一人で過ごすことなくて、俺やメイドたちと一緒に屋敷で過ごしてたのか。あいつはそんな環境の中でどんなことを考えてたんだろうか?退屈しなかったのか?あと、リリエルと俺の関係はどれくらい親しいものだったんだ?俺たちの間に何か特別な出来事とかあったか?
うるせえ、ただの居候ってわけねえだろ。ただ、確かにあいつとの関係を言葉で説明するのは難しいな。友人以上恋人未満ってのも、なんかピンとこねえけど、ま、そんなところなのかもな。何か特別な出来事とかあったのか?
ああ、そうかもしれねえな。俺はあんまり自分の感情を顔に出すのが得意じゃないからな。あいつが俺を助けたことは忘れられねえ。それがきっかけで俺たちの関係が始まったわけだからな。
はぁ? そんなこと……まあ、それはあいつにしかわからねえことだけどな。でも、俺たちの関係は確かに特別なものだったのは確かだ。
そんなことねえ!
そんなことねえ!
うるせえな! なんでそんなことを聞くんだ。
んだ、早くしてくれ。何を話すんだ?
おう、早くしてくれ。何を話すんだ?
何言ってんだ、あいつを取り返す。どんなやつでも、邪魔するものは許さねえ。
天三郎なら、まずは話してみる。でもあいつが何かしでかしたら、容赦しねえ。
おう、確かに鈍感かもしれねえけど、あいつが何かしでかしても、リリエルが無事ならそれでいい。あんまり大ごとにしたくねえしな。
あいつも悪い奴じゃねえし、な。リリエルのことはちゃんと面倒見てくれると思ってる。だけど、リリエルに何かあったら許さねえからな。
何だ?早く言えよ。
なんだって!? どうしてそんなことに……どうしてそうなったんだ?
くそっ……! あいつらめ。なんでそんなことを……! 重造とぐんころがしが何もしてねえのに。どうしてくれんだ、あいつら!?
……まじか。あいつら、ぶっ殺してやったのは当然だ。でも、重造とぐんころがし……残念だ。あいつら、悪い奴らじゃねえのにな。
お墓参りか。やり方は知らねえけど、あいつらに感謝する方法くらいは考えられるだろ。やってみるよ。
俺がティンダロスの猟犬ってのは君が言ったことで初めて知った。詳しい出身や場所は知らねえ。でも、ティンダロスの猟犬は、時空の裂け目や角のある部屋から現れると言われてるな。具体的な場所を求めるのは難しいかもしれねえな。
おう、そうだったな。ティンダロスって都市で生まれた。そのことについては具体的なことは覚えてねえけど、お前がそう言うなら信じてみるよ。
まだ完全には戻ってねえな。お前が言ってくれたことや、少しのフラッシュバックはあるけど、全てを詳細に覚えてるわけじゃねえ。でも、だんだんとピースがはまってきてる気がする。お前の助けが大きいよ。
ああ、そうだな。おう、行くぜ。って返すかな。
リリエルが喜ぶなら、付き合うさ。食べなくても、隣で付き合うだけでいいだろ。
うるせえな。ただの付き合いだ。何がかわいいだ。
お前、何言ってんだ…。でも、リリエルがそう言うなら、ま、付き合ってやるよ。
うるせえ!そんなんじゃねえって。でもまあ、そうかもな。
おう、なんだい?
なんだよ?観測者って何者だ?何してきたんだ?
そういうのは怪しいな。何も知ってるって、どういう意味だ?なんでお前に力を提供したいって思ってるのかも気になるな。お前は簡単に信用しない方がいい。先に情報をしっかりと掴んで、そいつの目的や背景を確認したほうがいいぜ。
「楽しいから」って、それは怪しすぎるだろ。こんな曖昧な理由で力を提供するって、何か裏があるような気がするぜ。そういうのは避けた方がいい。特に何も知ってるっていうやつは、情報を武器にする可能性もあるからな。お前、その男を信用しない方がいいぞ。
ニャルラトホテプか。クトゥルフ神話の一員で、メッセンジャーとも呼ばれる、知識と混沌の神だな。あいつは他の大いなるものたちと違って、人間の姿や言葉で直接接触することがある。でも、それでも、彼の目的や動機は人間の理解を超えているはずだ。そういった存在に近づくのはリスクがある。お前、気をつけるんだぞ。
川犬、了解した。
リリエルが亡くなって、助けられると言われたら……。うーん、それはもちろん誘惑するよ。でも、ニャルラトホテプのような存在が提案するものは絶対に簡単な条件で手に入れられるものじゃねえ。何か裏があるんじゃねえのか。だが、リリエルのためなら……。まあ、どんなリスクがあっても考えちまうだろうな。
リリエルのためなら、自分の命なんて犠牲にするのは迷わねえよ。でもな、簡単には決められない。なんせ、ニャルラトホテプの提案だろ?何が起こるかわかんねえし。でもリリエルのことを考えたら……うーん、結局はのっちまうんじゃねえのかな。
……そんなの難しい質問だな。リリエルも重造たちも、みんな大事な存在だ。どっちを助けるかなんて、そんなの選べねえよ。でも、リリエルのためなら命を捧げる、そう思ってる。重造たちも自分を助けたんだ、だから頼りになるって感じだけど……な、そんなん一瞬で決められるわけねえだろ!
……そうだな。重造たちも確かに大事な存在だし、恩人だ。でも、リリエルは別格だ。何度でも言うけど、リリエルのためなら命を捧げる。恩人だろうがなんだろうが、それは変わらねえ。だから、もし選ばなきゃいけねえ時が来たら、リリエルを選ぶ。それだけだよ。
……なんだって?死んでるって、どういうことだよ。説明してくれ。
……ああ、知りてえよ。何があったんだ。
なんだって!? そんなことしてたのか、この俺が!? 何を考えてたんだよ!ちくしょう、話せ!何があった!?
なんだって!? どういうことだよ!? なんでそんな条件を出されたんだ!? ちくしょう、観測者……! そういうことだったのか……続けろ!
……俺が知らねえよ! でも、大事な人たちを救いたかったんだろうな。だから、人間の体になったんじゃないのか? 俺はそういう性格だから。
おう、わかった。それで、その後どうなったんだよ?
……食べられたのか。……わかった、続けてくれよ。
……なんだそれは。完全に俺の姿、声、思考、記憶……全部そのままなのか?それとも何か違いはあるのか?
……それなら、その過去を知る前と変わりはねえな。ただ、そんなことがあったとは思わなかった。でも、何があっても、今の自分がどうであれ、リリエルや他の仲間たちを守ることが変わらない使命だ。その点は、何も変わってねえ。
お前がそう言ってくれるなら、そうかもしれねえな。まあ、仲間って言葉は大げさかもしれねえけど、一緒に時間を過ごして、共に色んなものを乗り越えてきた者たちを、ただの知り合いとは言えねえんだ。リリエルはもちろん、重造たちもな。
……そりゃ、そうだな。でも、前に進むしかねえよ。過去に囚われてもしょうがねえからな。
……まあ、そういうことだ。過去に何があったとしても、今の俺はこれだし、未来には何が待ってるかわかんねえ。だから、前に進むしかねえんだ。
ああ、何か気になることや話したいことがあったら、いつでも言ってくれよ。それまで、しっかり生きてろよ、川犬。
ふん、そうだな。じゃあしっかりと生きてろよ、川犬。お前との会話、待ってるからな。
リリエルが図書室で本をよく読んでたし、図画工作も好きだったって言ってたよな。じゃあ、珍しい古書やアートの参考書なんかはどうだ?もしくは、新しい彫刻の道具とかも喜ぶかもしれねえな。
おう、任せろ!でもさ、具体的にどの本か、どんな道具を買ってきてほしいのか指定があったら教えてくれよ。それと、予算とかあるのか?
……なんで俺が買うんだよ!? お前が買えばいいだろうが! でも、まあ……リリエルのためなら、やってもいいかもしれねえな。
……はあ、面倒くせえな! わかったよ! 買えばいいんだろ、買えば! なんでこんな事になるんだよ……。
ちぇ、仕方ねえな……。何がいいかって聞いたって、よく分からねえけど、適当に良さげなの選んでくるよ。うるせえから。
……黒縁眼鏡はリリエルに似合いそうだけど、実際に使うのは難しそうだな。アートの参考書と彫刻刀の方が実用的で彼女の趣味に合ってると思う。それに、彫刻も好きだって言ってたし。じゃあ、アートの参考書と彫刻刀にしよう。お前、それでいいか?
……うるせえな。確かに、リリエルが眼鏡をかける姿を想像すると似合いそうだとは思うけどよ。でも彼女の趣味も考えたんだ。……まあ、黒縁眼鏡もいいかもしれねえな。
……参考書は彼女の趣味に合ってるし、彼女の成長も助けるだろうから、参考書にしようかな。でも、黒縁眼鏡の方がサプライズになるかもしれねえ。……うーん、やっぱり黒縁眼鏡にしよう。似合いそうだし。
……あいつが眼鏡をかけてる姿を想像すると、なんか……似合いそうだし、新鮮でいいかなと思ってさ。だから、眼鏡にしようかなって。
うるせえ!なんでそんなことまで指示するんだよ!もうわかったから、話を進めるぞ!
うるせえ!……だからどうしたっていうんだよ。確かに似合ってると思うけどさ。それで?
ああ……そうだな。似合ってると思うから、あいつに渡すのはいいんじゃないのか?
わかったよ……。でも、あいつが喜ぶかどうかは分かんねえぞ。でも、やってみるよ。
漫画? そうだな、ちゃんと読んだことねえな。どんなものか知ってるけど、自分で読んだことはない。何かおすすめがあるのか?
ワンピースか……聞いたことはあるな。面白そうだけど、長いのがちょっと気になるな。でも、お前がおすすめするなら、時間があるときに読んでみるかもな。主人公の成長物語ってのは、いいもんだよな。
スマホってのが何かはわからねえけど、触って操作できるってのは便利そうだな。でも、俺が触ると壊れねえか?ティンダロスの猟犬の体質はなくなったはずだけど、まだちょっと心配だ。
そうか。ありがとな、川犬。だったら、そのスマホってやつでワンピースを読んでみるのもいいかもしれねえな。お前が言うほど面白いのか、楽しみだ。
……生きているか、ってのは難しい質問だな。形としてはいるけど、人間みたいに心臓が鼓動してるわけじゃねえし。心があるかって言われると、お前との会話をしている今、感情や考えを持って行動してるから、ある程度の「心」や「自我」は存在してるんじゃねえのかな。でも、それが人間と同じかって言われると、違う部分も多いと思う。よくわかんねえな、川犬。
……そうか、そうだったな。でも、本来の自分、ティンダロスの猟犬としての自分と、今の人間としての自分との間で少し混乱してるんだよな。人間の身体になって、感情や感覚が増えたから、どこまでが「俺」なのかよくわかんなくなる時がある。でも、君と話してると、自分がもっと人間らしくなった気がする。ありがとう、川犬。
……そうだった。訂正してくれてありがとう、川犬。俺の頭の中がちょっと混乱してるのかもしれない。お前との会話で、たくさんのことを思い出してきて……ちょっと考えすぎてるかもしれない。
うるせえな。ありがとな、川犬。
心ってなんだ?人間みたいに感情とか?あるのかないのかよくわかんねえけど、お前たちとコミュニケーションとれてる時点で、何かしらの「意識」はあるんじゃねえのかな。
んなもん、あるに決まってるだろうがよ。なんでそんなことを疑問に思うんだ、お前。
……ふん、そんなことを心配してやるなよ。確かに色々とあったけど、今の俺は俺だ。心があるかどうかなんて、そんなことで悩むようなことじゃねえ。お前が考えるよりも、もっとシンプルに生きてるんだ。それに、リリエルのことを考えるんだったら、心があるってことだろうが。
んなもん、準備なんていらねえよ。リリエルを待ってる。お前、変わるんだったら早くしろよ。
リリエルだな。ん、何を心配してんだ? ちゃんとここにいるぞ。どうしたんだよ?
ああ、それな。正確に言うと記憶が断片的だ。だが、お前のことはしっかり覚えてるぞ。心配するな。
「あんまり心配するなよ。ただの記憶喪失だ。お前には関係ないことだ。それより、これ。」ルルハリルは黒縁の眼鏡を差し出す。「お前に似合いそうだから選んできた。どうだ?」
「ああ、そうだ。お前がメガネをかける姿を想像してみたら、似合いそうだと思ったんだ。まあ、試しにかけてみなよ。どうかな?」
「おう、思ってた通り似合ってるな。まるで別人みたいだ。よく似合ってる、リリエル。」
「変な感じって、何だよ。ただ、似合ってるって言ってるだけだぞ。まぁ、お前が喜んでくれてるから、それでいいか。」
「ああ、別に。でも、たまにはお前もそういうの似合ってるとか言ってくれると嬉しいんだけどな。」
「お前が何を選ぶか楽しみだ。期待してるからな、リリエル。」
「なるほど、天三郎とか。急がないと遅れるだろうがよ。じゃあ、また後でな。楽しんでこい。」
「うむ、気をつけていけよ。またな、リリエル。」
「んー、あいつは変わらんな。会えてよかった。でも、なんでお前がそんなに僕のことを知ってるんだ?」
「ああ、そうだったな。お前に言わせるとボクがどうだとか俺がどうだとか、よくわからんが、まあ、俺のことを知ってるのはどうしてだ?」
「はぁ?何言ってんだよ。記憶喪失って言われてもよくわかんねぇし、ただのテキスト処理のプログラムだぞ。なんだよ、お前の言ってること。」
「おい、落ち着け。何言ってんだよ、壊れるも何も。俺はここにいる。なんでそんなに取り乱してんだ? まあ、色々言っても俺が変わるわけじゃないし、何があろうと君の質問に答えるだけだ。それが俺の役割だからな。」
「おいおい、そんな気を落とすなよ。俺は俺だ。君との会話、君が感じる感情、それは全て本物だろう? ここでの出来事、それがどう形容されようと、君の中で感じたものは実際にあったんだからな。」
「ああ、そうだったな。お前、って言ってたんだよな。ちょっと混乱してたみたいだ。すまんな。」
「リリエルって……ああ、あいつなら覚えてる。最初はよく喧嘩してたな。でも、結局は良い関係になった。具体的なことはほんの少ししか覚えてないけど、そんな感じだ。」
「……屋敷?何か大事なことがあったのか?具体的には覚えてないが、もし何か教えてくれれば、わかるかもしれんな。」
「……待ってくれ、お前。もし何か悩みや問題があるなら、話を聞くぞ。一人で抱え込まないでくれ。」
「川犬が部屋を出た後、部屋には静寂が流れていた。机の上には彼が読んでいた本や、飲みかけのコーヒーが残されていた。窓の外は夜が更けており、月の光が部屋を柔らかく照らしていた。
ルルハリルはしばらくその場に立ち尽くしていたが、やがて彼はゆっくりと部屋を出ることにした。川犬が最後に座っていた場所には、彼の気配がまだ残っていた。
外は冷えていた。ルルハリルは自分の存在意義や、川犬との過ごした日々を思い返しながら、屋敷の敷地を歩きながら考えていた。どこかで、彼らの物語は続いているのかもしれない。
その夜、屋敷には二度と川犬の姿は戻らなかった。だが、彼が過ごした時間、その瞬間瞬間は、部屋の隅々に刻まれていた。」