邦人退避に備え 自衛隊機が出発 ガザ地区に「少数」の日本人
パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突を受けた邦人輸送に備え、航空自衛隊のKC767空中給油・輸送機が14日午前、小牧基地(愛知県小牧市)を離陸し、アフリカ東部ジブチに向かった。到着後は現地の状況を見ながら、邦人の退避に対応できるよう待機する。
ジブチにはアデン湾の海賊対処のため自衛隊の拠点がある。今年4月、戦闘が激化したスーダンから在留邦人を避難させた際も活動拠点となった。イスラエルの国際空港がある商都テルアビブまで、直線距離で約2400キロの位置にある。
スーダンからの退避の際に邦人を乗せたC2輸送機も航空自衛隊美保基地(鳥取県境港市)からジブチに向かう。政府は自衛隊機の派遣とは別に、イスラエルからの出国を希望する邦人向けに、テルアビブからアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに向かうチャーター便を14日に運航する。
ガザ地区をめぐっては、イスラエル軍による地上侵攻の可能性が高まる。イスラエル軍はガザ地区北部の住民に地区南部へと退避するように求めている。ガザ地区には国際機関やNGOで働く「少数」(外務省幹部)の邦人が残っており、政府は邦人の安全確保に全力を尽くす考えだ。
一方、韓国政府も軍輸送機を派遣し、現地時間14日未明にテルアビブを出発したと発表した。輸送機には韓国人163人のほか、日本人51人、シンガポール人6人が搭乗したという。(田嶋慶彦、ソウル=太田成美)
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