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【主張】ハマスとイスラエル 国際社会が連携し双方に自制促せ
中東のイスラエルと武装闘争を繰り広げているパレスチナの勢力との衝突が本格的な戦争状態に突入しようとしている。日本をはじめ各国は双方に攻撃をやめるよう働き掛けを強めていかねばならない。
パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配し、イスラエルに対する武装闘争も辞さない強硬な政治組織のハマスは7日、同地区から数千発ものロケット弾をイスラエルに向けて発射した。同時に、ハマスの戦闘員がイスラエル領内に侵入し、襲撃。複数のイスラエルの兵士や民間人を人質にしてガザ地区に連れ去ったとも報じられている。
8日の時点で、イスラエルの民間人を含む死者は400人以上、負傷者は約2000人に上る。
一方、報復としてイスラエル軍がガザ地区を空爆。これにより、同地区の住民の320人が死亡、約1990人が負傷した。
この状況を受け、日本政府がハマスやほかのパレスチナの武装勢力だけでなく、イスラエルも含む「全ての当事者」に自制を求めたことは重要だ。今回のハマスによる攻撃はテロに等しく、強く非難されるべきだが、こうした武装闘争をイスラエル側が助長してきた側面もあるからだ。
イスラエルは、国連安全保障理事会の決議で「国際法違反」と非難された、ユダヤ人の住宅を建設するなどの入植活動をパレスチナ自治区で続けている。武装した入植者がパレスチナ人の集落を襲い、これに抵抗したパレスチナ人をイスラエル治安部隊が殺害する事態も相次いでおり、今年に入ってからパレスチナ人の死者が急増していた。
今回のハマスによる攻撃の作戦名は「アルアクサの洪水」だ。イスラム教の礼拝所であるアルアクサ・モスクにイスラエル警察が押し入り、パレスチナ人に暴行を加え続けていることへの怒りの表れであることがうかがい知れる。
国際社会は連携してハマスとイスラエルの双方に自制を促し、暴力の応酬の激化を食い止めるための外交に尽力すべきだ。