イスラエル首相「我々は肉食動物を見た」、ガンツ前国防相「ハマスを地球上から消し去るであろう」
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【エルサレム=福島利之】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と中道野党「国民連合」を率いるベニー・ガンツ前国防相は11日、イスラム主義組織ハマスとの戦闘が続く間、「戦時内閣」を樹立することで合意した。政権が進める「司法制度改革」などに反対してきたガンツ氏が対立を棚上げし、与野党が一致してハマスに対する地上作戦を行う態勢を整えた。
合意を受け、ネタニヤフ氏はテレビ演説で「我々は肉食動物を見た」としてハマスの蛮行を非難した上で、「我々はハマスを粉砕し、破壊する」と強調した。ガンツ氏も「我々はハマスを地球上から消し去るであろう」と宣言した。
米国のブリンケン国務長官は12日、イスラエル最大都市テルアビブでネタニヤフ氏と会談後、「イスラエルの戦時内閣発足を歓迎する」と記者団に述べた。
ガンツ氏は元軍参謀総長で、ネタニヤフ氏やヨアブ・ガラント国防相と3人で戦時内閣を作る。通常の連立内閣も残るが、戦時内閣は戦争に関する重要事項を決定することになる。
ネタニヤフ氏とガンツ氏はハマスとの戦争が続いている間、戦争と関係のない法案の法制化や決定をしないことでも合意した。国内世論を二分してきた司法制度改革の法制化は当面、凍結される。
昨年12月に発足したネタニヤフ政権は、史上最も右寄りとされる。連立を組む極右や超正統派が、ヨルダン川西岸への侵攻や司法制度改革を巡って主導権を握ってきた。戦時内閣の発足について、有力紙ハアレツは12日付の社説で「危険な極右を(戦争に関する)政策決定の中枢から外した」と指摘した。
一方、ネタニヤフ氏は挙国一致でハマスに対抗するため、最大野党「イエシュ・アティド」を率いるヤイル・ラピド前首相にも戦時内閣への参加を要請したが、ラピド氏は拒否した。極右の閣僚を通常の政権の中枢から外すようラピド氏は求めたが、ネタニヤフ氏が応じなかったためだ。
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