日本の女性名は殆どが二拍か三拍である。東京式アクセントでは二拍の名の場合はほぼ例外無く頭高に発音されるであろう。あい・あき・あみ・あや・いく・いよ・うの・えま・えみ・かな・かよ……
三拍の場合は頭高か平板になるであろう。
頭高になるのは「か・こ・な」
- はるか・あすか
- けいこ・ようこ・じゅんこ・えつこ……
- はるな・あきな
平板になるのは、「え・よ・み」で終る場合、それに動詞の連用形・終止形によるものなど。
- はるえ・なつえ・あきえ・ふゆえ・みずえ……
- いくよ・くるよ・ももよ・ともよ……
- なおみ・かずみ・あゆみ・さよみ・きよみ・しおみ……
- かおり・しおり・さおり……
- しのぶ・かおる……
- (その他)ちさと・ちひろ……
「みなみ」などが例外的に頭高で発音されるが、これは普通名詞とは違うアクセントにしたいという思いに拠るものであろうか。
揺れるのが「き」。「みゆき・なつき」は平板だが、「みずき・はるき」は頭高になりそう。「の」はどうだろう。「芳野」などは頭高で読みそうだが、「琴乃」は平板かな? 「さ」も「ありさ」は頭高で「なぎさ」は平板。渚は普通名詞と同じアクセントだから先程の「みなみ」の説明はまずいか。……
さてこれまでは日本人の女性名だったが、中国人の名は男女にかかわらず頭高で読むのが習慣づいているように思う。姓名を続けて三文字の場合には名の一拍目まで高くてあとは下がるという感じである。原語のアクセントにはとらわれないのである。
私が平板アクセントを奇異に感じたのは、外国人の名前を平板に読んでいると感じたためかもしれぬが、最初は中国の名だとは気付かず、聞取りにくい名だ、と思ったのである。
聞慣れない名前などはやはり頭高に呼ぶのが聞く方としては安心するのではないか。それで平板で呼んだのが私の耳にとまったのであろう。言っている方は慣れているのかもしれないし、原語のアクセントを残しているのかもしれない。言い慣れると平板化するというのは、よく言われる「カレシ」を平板に呼ぶなどを想起する。
ありさ・なぎさも言い馴染みの程度に拠る差か。そういえばナオミという名は巧く帰化しているがもとは外来語の筈である。アクセントは変化したのかな。
どうも纏まらず。
《佐藤さんの「~丸」》
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