完了しました
財務省は11日に開いた財政制度等審議会(財務相の諮問会議)の分科会で、コロナ禍で膨張した中小企業対策費を「早期に正常化する必要がある」と提案した。中小企業の新規事業を支援する「事業再構築補助金」は趣旨から外れたケースも目立っており、委員からは廃止を求める意見も出た。
中小企業対策費は、コロナ禍に対応した各種の補助金や資金繰り支援を盛り込んだ結果、2020年度は27兆7287億円まで膨らんだ。リーマン・ショック後の09年度(2兆9671億円)の9倍を超える規模だ。
このうち事業再構築補助金は、業績回復が難しくなった中小企業の新規事業を後押しする趣旨で設けられた。旅行企画会社によるオンラインツアーや、航空機部品メーカーがロボット部品事業に参入する計画などが採用され、2・4兆円の基金のうち1・8兆円程度がすでに使われた。
しかし最近は、ゴルフやエステに関する事業に偏りがみられるほか、複数の事業者がほとんど同じ内容の計画を申請するケースも目立つという。ある委員は、「対策費の縮減は当然だ」と指摘した。