企業のコンプライアンス重視が叫ばれる時代に、耳を疑うような疑惑が世間を騒がせている。ビッグモーターの「街路樹問題」だ。本当に「環境整備」の名目で除草剤を散布し、公共の街路樹を枯死させたのだろうか。  ビッグモーターへの追及はもともと、保険金の不正請求から始まった。しかし枯死して無残に伐採された切り株や、店の前で途切れた並木のインパクトは大きく、一気に注目が集まった。各地で被害が明らかになり、本社や店舗への家宅捜索に発展している。  ところで、除草剤に高さ数メートルもある街路樹を枯らせるだけの力があるのだろうか。除草剤成分や樹木の特性をよく知る2人の専門家は、単にまくだけで枯らせることは難しいと口をそろえる。「ただし…」。両者はそう解説を続け、いくつかの可能性を示してくれた。