顧問
高橋 史朗 |
時代は今、大きな歴史的転換期を迎えている。
その規模は地球的、人類的、文明史的な広がりと深さを持っており、
人間の営みのあらゆる領域で激しい変化と予兆が起きている。
私たちが直面しているのは二つの自然破壊、すなわち環境破壊という「外なる自然破壊」と、
人間性の解体化という「内なる自然破壊」である。
両者は表裏一体の関係にあり、この二つの自然破壊の根底には、つながり合う<いのち>の
全体がバラバラに分断されてしまったという近代文明の問題がある。
私たちが進歩と呼び、経済発展と称してきた今日までの科学技術文明の営みが
私たちの生命を弱め、地球の<いのち>の活力を失わせていることを考えると、
私たち一人ひとりの内なる<いのち>への目覚めこそが何より求められているといえる。
近代化を理念とする明治の「第一の教育改革」、民主化を理念とする戦後の
「第二の教育改革」は、欧米にモデルを求めつつ、過去の歴史、文化、伝統などの
「否定による進歩」を目指したところに限界があったといえる。
二十一世紀の「第三の教育改革」は、一人ひとりの人間の内在価値を開発し、
共同体との関わりの中で人格を陶冶し、国際社会に貢献する日本人を育成し、
「補完的進歩」を理念とする「共創」社会の建設を目指す必要がある。
日本教育推進財団がその中核的役割を担うことを心から期待する。
経歴
昭和25年生まれ。 早稲田大学大学院修了後、
- スタンフォード大学フーバー研究所客員研究員
- 臨時教育審議会(政府委嘱)専門委員
- 国際学校研究委員会(文部省委嘱)委員
- 神奈川県学校不適応(登校拒否)対策研究協議会専門部会長
- 青少年健全育成調査研究委員会(自治省委嘱)座長
- 東京都男女平等参画審議会委員
- 仙台市男女共同参画審議会委員
- 「子どもと家族を応援する日本」
- 重点戦略検討会議「地域・家族の再生」分科会委員(政府委嘱)
- 埼玉県教育委員会委員長
- 麗澤大学大学院特任教授
- 玉川大学大学院講師
- 一般財団法人親学推進協会 会長
- NPO法人師範塾理事長
- 埼玉師範塾理事長
- 感性・脳科学教育研究会会長
- 親学会副会長
- 日本家庭教育学会常任理事
- 日本仏教教育学会理事
- 日本健康行動科学会理事
- 日本感性教育学会理事
- 埼玉県青少年健全育成審議会会長
◆主な著書
- 『悩める子供たちをどう救うか』(PHP研究所)
- 『教科書検定』(中央公論社)
- 『感性・心の教育〔全五巻〕』
- 『癒しの教育相談〔全四巻〕』
- 『平和教育のパラダイム転換』(明治図書)
- 『魂を揺り動かす教育』(日本教育新聞社)
- 『教育再生の課題〔上・下〕』(日本教育新聞社)
- 『感性教育』(至文堂)
- 『ホリスティック医学と教育』(至文堂)
- 『感性を活かすホリスティック教育』(玉川大学出版部)
- 『「学校崩壊」10の克服法』(ぶんか社)
- 『日本文化と感性教育』(モラロジー研究所)
- 『ホリスティックな学校教育相談』(学事出版)
- 『親と教師が日本を変える』(PHP研究所)
- 『親学のすすめ』(モラロジー研究所)
- 『続・親学のすすめ』(モラロジー研究所)
- 『親が育てば子供は育つ』(MOKU出版)
- 『これで子供は本当に育つのか』(MOKU出版)
- 『親学対談』(MOKU出版)
- 【訳書】『ホーリズムと進化』(玉川大学出版部)