なぜ? 旧統一教会の文化庁聴取記録なし、98~09年9回分を作成せず
なぜ記録を取っておかなかったのか? 宗務行政を担う文化庁と旧統一教会の関係に対する疑惑は深まるばかりだ。同庁は1998~2009年に教団から活動状況を9回聴取したが、この際、会議資料や報告書を作成していなかったことが分かった。24日、共同通信が報じた。09年に元信者の70代女性が献金の返還を求め旧統一教会などを提訴したが、その訴訟資料から判明したという。
文化庁は「記録を残すかどうか法的根拠はなくケース・バイ・ケース」と説明している。訴訟で原告側代理人を務めた弁護士は「行政として継続的に対応するには適切な記録保管が重要だ」としている。
一方、文化庁は教団への聴取をこの訴訟を口実に取りやめたことがすでに明らかになっている。同庁は「訴訟が提起されて以降は、無用の誤解を避けるため」などと説明して聴取を取りやめ、教団への警戒を緩和。当時の所轄大臣は安倍派の塩谷立文科相であり、教団から要請を受けて便宜を図ったのではないかとの疑惑も浮上している。