岸田首相が「3名の方、1時間半会った」と新答弁…旧統一教会“被害者”面会は本当なのか?
岸田首相の国会答弁が波紋を広げている。真偽が疑問視される旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の被害者との面会をめぐり、「3名の方から約1時間半、直接うかがった」と明言したが、自民党の消費者問題調査会などの合同会議が了承した被害者救済新法の条文案にその成果は見えない。ホントに旧統一教会の被害者と会ったのか?
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岸田首相が答弁したのは、28日の衆院予算委員会。質疑のトップバッターに立った立憲民主党の西村智奈美代表代行から「個人情報に関わらない範囲で、どういう立場の方からどういった被害実態をうかがったのか。ぜひお答えください」と問われ、こう答えた。
「先日、旧統一教会の被害者の方々と内々にお会いし、3名の方から約1時間半にわたり、献金などによる財産被害や周囲からの孤独、あるいはDV被害など、凄惨なご経験、直接うかがいました」
コトの経緯はこうだ。
岸田首相は先月24日の衆院予算委で「被害者、弁護士の方々をはじめとする関係団体の意見を聞くことは大事だ。私も直接、お話を聞かせてもらいたい」と答弁。関係者の期待を膨らませたが、一向に動きはなく、今月4日の衆院厚労委で野党議員から迫られ、「来週までに、できるだけ早い時期にそういう場を調整したいと考えている」と気色ばんで答えていた。
そうして、野党が共同提出した救済法案を退ける形で閣法をブチ上げた8日、「私自身、旧統一教会の被害者の方々と内々お会いし、凄惨なご経験、直接おうかがいいたしました。政治家として胸が引き裂かれる思いがいたしました」と発言。しかし、会った相手について具体的な言及はなかった。