新幹線の液体漏れ、硫酸か　酸性の成分検出

9日正午ごろ、仙台市のJR仙台駅に到着した新青森発東京行き東北新幹線はやぶさ52号（10両編成）の車内で、乗客の男性の荷物から液体が漏れ、触れた5歳男児を含む4人が軽いやけどを負った。ほかに2人が体調不良を訴えた。

仙台市消防局によると、液体から危険性がある酸性の成分を検出。硫酸の可能性があり、宮城県警は業務上過失傷害の疑いを視野に男性から詳しい事情を聴いている。

県警仙台中央署によると、男性は東京の地質調査会社に勤務。業務で使う薬品をペットボトルのようなものに詰め、かばんに入れていた。誤って漏れ出したとみられる。

男性は七戸十和田駅から6号車に乗車。液体が漏れたのを近くの客に指摘され、容器が入ったかばんを6号車のデッキに運んだが、途中で通路にも液体が広がった。液体に足を滑らせ転倒した男児（5）がおしりに、駆け寄った30代父親が両足首に、40代母親が左手の甲にやけどを負った。男性もひざしたを負傷した。

煙を吸ったとみられる30代女性と駅職員の男性の計2人が体調不良を訴えた。

JR東日本によると、乗客が非常ボタンを押して仙台駅に停車。乗務員が7号車から煙のようなものが出ているのを確認し、乗客全員をホームに避難させた。床材の一部が黒く変色していた。はやぶさ52号が仙台―東京間で区間運休したほか、上り12本が最大55分遅れ、約7300人に影響した。〔共同〕