2023.10.07

ただ「靴を作る」だけじゃない? 「オーダーメイドの靴づくり」はこんなにスゴかった

『靴の向くまま』漫画家みやびあきの×オーダーメイド靴ブランドAYAME対談

モーニング・ツーで好評連載中の『靴の向くまま』が靴業界で注目されている。亡き母の靴工房を引き継いだ主人公・結彩が、様々な悩みを抱えたお客さんに寄り添いながら“その人の足に合う”オーダメイド靴を作っていく。

普段、私たちが何気なく履いている既成靴だが、実は自分の足に合っていない靴を履いている人のほうが多いそう。自分の足にフィットする靴とはどういうものなのか? 漫画家のみやびあきのさんと、オーダーメイド靴ブランドAYAMEの代表取締役CEO・諏訪部梓さん、AYAMEシューラストデザイナー・島倉和也さんに自分に合った靴を作ることの魅力を語って貰った。                (文/高畠正人)

左よりAYAME・島倉さん、漫画家・みやびさん、AYAME・諏訪部さん
みやびあきの
福岡県生まれ。マンガ家&イラストレーター。『まんがタイムきららフォワード』(芳文社)でデビュー。代表作に『はぢがーる』、『おにまん』、『なでしこドレミソラ』、『珈琲をしづかに』など。現在『靴の向くまま』が2巻まで発売中。
AYAME 諏訪部梓
高専の頃はロボット作りなどを学ぶ。ITコンサルタントとして10年ほど経営とITの実務を経験し、3Dプリンタの特許切れをきっかけにして、3Dプリントする木型を使ったオーダーメイド3Dシューズ菖蒲|AYAMEをスタートさせる。靴作り以外にも修理付きサブスクという新しい靴の利用方法を提案している。
AYAME 島倉和也
AYAMEの靴デザイン、木型設計の責任者、店舗運営の責任者として従事。3Dの足から3Dの木型を設計する新しい木型設計の方式を開発し、1000足以上のオーダーメイド靴の3D木型設計を行う。
 

記事前編は「履いてみれば世界が変わる!知られざる『オーダーメイド靴』の奥深さ」からお読みいただけます。

オーダーメイドで靴を作るということ

ーーオーダーメイドで靴を作るというのは、通常の既製靴を買うのと何が違うのでしょうか?

諏訪部:オーダーメイド靴って聞くと、“靴を作る”という部分ばかり頭に浮かぶと思うんですけど、結局、お客さまとの接客という部分が大切なんです。

我々の世界ではビスポーク(※1)と言ってますけど、お客さまの思いを靴に込めていく作業がオーダー靴のいちばん大切なところです。対話を重ねながら、“なぜその靴を必要としているか?”ということを理解して靴作りに反映させていくわけです。

※1「ビスポーク」…注文により作られた品(服や靴)を指す。 ”be spoken”が語源と言われている。

島倉:結彩ちゃんくらい丁寧に接客するのが理想ですね。

みやび:彼女くらい丁寧にしちゃうと採算が合わなくなっちゃいますよね、きっと(笑)

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