よう実×呪術廻戦   作:青春 零

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22話 Dクラスとの接触

 土日が明けて月曜日最初の休み時間。護は一人でDクラスの教室へと来ていた。

 目的は、ある人物に会って話をするため。

 

(しかし、顔がわかんないのは厄介だな)

 

 昼食時の昼休憩と違って授業の合間の休憩時間であれば、生徒のほとんどは教室にいる可能性が高い。問題は、護自身が件の人物の顔を知らないこと。

 

(誰かに来てもらえたら楽だったんだけど、有栖さんの耳に入るかもしれないし)

 

 神室や橋本辺りであれば、護の目当ての人物の顔も知っているかもしれないが、有栖にこれからしようとしていることがバレるのはあまり望ましくない。

 

 護は教室内を覗き込むと、見た感じ人当たりが良く話しかけやすそうな人物に何名か目をつける。

 すると丁度トイレにでも行こうとしていたのか、その内の一人が教室内から出てきたので、すかさず近づき声を掛けた。

 

「ごめん、ちょっといいかな?」

 

「あ、えっと……たしか五条君、だよね? Aクラスの」

 

 声を掛けると、どうやら話しかけた相手は護のことを知っているようだった。

 こちらは向こうを知らないのに向こうは自分を知っているという現象にも、最近では慣れてきたことに諦観の念を抱いてしまう。

 

「あー、うん。そうだけど、ちょっとDクラスの平田君か櫛田さんって人に用があるんだ。申し訳ないんだけど、呼んでもらってもいいかな?

 勝手言うようだけど、あまり目立ちたくないんだ」

 

 そう言うと、相手は困惑した様子を見せながらも愛想を浮かべながら口を開いた。

 

「え? 平田なら僕だよ。平田洋介です。初めまして」

 

 どうやら声を掛けた相手はまさかのご本人だったらしい。

 突然呼び止められたことにも不快感を出さず、にこやかに対応できている辺りコミュニケーション能力の高さがうかがえる。

 

「えっと、僕に用事って何かな? 必要なら櫛田さんも呼んでこようか?」

 

「いや、一人でいいんだ。これを渡したかっただけだからね」

 

 言いながら、護はポケットから一通の手紙を取り出して平田に差し出す。

 

「これは?」

 

 手紙を受け取りながら、疑問気に問いかけてくる平田。

 

「用件はこれに簡単に纏めておいたから。できれば一人で読んでほしい。

 明日の放課後、5時まで屋上で待ってる。読んで、もしも興味が湧いたなら来てほしい」

 

 Aクラスの生徒からの接触。

 不信感を抱いて然るべき状況だが、平田は相手に不快感を与えないよう気を遣ったのか、それを表に出すことはなかった。

 

「はは……なんだか、そういう言われ方だとラブレターみたいだね」

 

 代わりに、抱いた不信感を誤魔化すように、そんな冗談を口にする。 

 

「安心していいよ。俺にそういう趣味はないから」

 

 空気を軽くするためだけの軽い冗談。それが分かったから、護としても特に不快に思うことはなかった。

 

「別に興味が無いなら無視してもらってもいい。

 わざわざ足止めして悪かったね」

 

 あまり長居をして他の生徒にこの場を見られても困る。

 言いたいことを言い終わると、護はすぐさま踵を返した。

 

「あ、うん。またね五条君」

 

 平田としても色々と疑問はあるのだろうが、短い休み時間の間に全てを聞けるとも思っていないのだろう。戸惑いながらも、どうにかそれだけ返事を返した。

 

(彼がDクラスね……)

 

 歩きながら、今しがた見た平田の人物像を考える。

 話した感じ人格面に大きな問題は感じなかった。むしろ真面目で人当たりの良い好青年といった雰囲気。

 そんな人間がDクラス。よほど勉強が苦手なのか、過去に何かしらの問題を起こしたのか。

 

(もし後者なら、少し面倒かもな……)

 

 クラスの中心人物が優秀でありながら致命的な問題を内包している。それは、場合によっては一瞬にしてクラスが瓦解しかねない可能性を意味している。

 

(ま、その時はその時か。さすがにそこまでは面倒見切れない)

 

 護は一昨日楓花と話した内容を思い出しながら、ため息を吐いた。

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

「Dクラスに過去問を渡す?」

 

「そう」

 

 怪訝な表情を浮かべる楓花に対し、護は端的に頷いた。

 その答えに対しすぐには疑問で返すことはせず、楓花は「ふむ」と考え込む素振りを見せる。

 

「……何らかの取引の材料として渡すのではなく、か?」

 

「一応、最初は高めのポイントを請求するつもりだけど、話の流れ次第では無料で渡しても構わないと思ってる」

 

「クラス争い、とは関係なさそうだな。

 となると呪術師の視点で、今のDクラスを放置できないということか?」

 

「大体当たり。楓花さんって、今の1Dがどういう状況か知ってるの?」

 

「ああ、2、3年の間でも噂になっているとも。歴代最高評価を叩き出したAクラスと、最低評価のDクラスとな。

 なるほど、負の念が呪霊となる可能性がある以上、今のDクラスの状況は望ましくないか」

 

 全てを説明しなくても自然と察してくれる辺り、楓花との会話は楽である。

 

(これで人を揶揄ったりしなけりゃなぁ)

 

「まぁ、そういうこと。とはいえ状況改善自体をしたいわけじゃない。

 この学校がこういうシステムである以上、一時的に改善したところで意味はないしね」

 

「確かにな。では、何が狙いだ?」

 

「しいて言うなら、心構えの問題かな。

 こういう試験の度にいちいち手を貸してたらキリがないからね。確認したいのは、Dクラスに自分で立ち直れるだけの力が有るかどうか。

 それが無いようなら、警戒度を引き上げておこうってだけの話」

 

 もしもDクラスの状況がこれからも続くというのなら、呪霊が発生したり引き寄せられたりと、呪いの温床になる可能性は高い。

 かといって、試験の度にその場その場で護が手を貸したとしても、根本的な解決にはならない。

 それができるとすれば、クラスの外にいる人間ではなく中にいる人間だ。

 

「つまりは、Dクラスのリーダー格に過去問をチラつかせ、対応力を見るのが狙いか」

 

「ああ、どこかしらでDクラスと接点を持てないかとは思ってたから、いい機会だったよ。だから過去問に関しては感謝してる」

 

 現在の状況に絶望して諦めきっているのか。それとも上のクラスを目指すつもりがあるのか。あるとして、それだけの能力があるのか。

 

 別にどういう結果になろうと、護自身が具体的に何かをするつもりはない。

 本当に、ただ今後のDクラスに対する意識の向け方が変わるだけの話。

 いざという時、警戒の有無による初動の差が明暗を分ける場合もあり得る。これはそのための確認だ。

 

「そうか、無駄にならなかったようで何よりだ。

 しかし、これが自分のクラスにバレれば、少々厄介なことになるのではないか?」

 

 確かに、他クラスに肩入れするような行為は、裏切りと思われてもおかしくない行為だ。

 

「かもね。けど、現状Aクラスの生徒は他のクラスのことが眼中にない。

 取引相手のDクラスの生徒にさえ気をつけておけば、バレる可能性は低いよ。

 仮にバレたとしても、今のAとDの差を考えれば、そこまで大きな問題になるとも思えない」

 

 周囲から多少の信用を失うことは避けられないだろうが、以降の試験で献身的に働けば取り返しのきくレベルと、護は判断した。

 

「後は場所をどうするかなんだけど……」

 

「密談をするならば、以前に私が呼び出した場所があるだろう」

 

 以前に楓花が護を呼び出した校舎裏。確かにあそこであれば人通りも少なく、密談をするのには適している。

 しかしその言葉に、護は悩ましげに頬を掻きながら呟いた。

 

「あそこはちょっとなぁ……」

 

 その様子を見て、楓花は護の方に僅かに身を寄せて、揶揄うような笑みを浮かべた。

 

「なんだ、私と初めて会った場所を誰かに汚されたくないのか?」

 

「んなこと言ってねぇ。

 単に、あそこって監視カメラが届かない場所だから、かえって相手に警戒されるかもってだけだよ」

 

「そこまで強く否定してくれるな。

 繊細な乙女心が傷ついてしまうぞ」

 

「乙女であることをアピールするなら、もう少し警戒心を持った方がいいんじゃないですかね?

 いい加減手放してくんない?」

 

「フッ、何を言うか。お前にそのつもりがあるなら、いくら警戒していようとしていまいと、私など簡単に手籠めにできるだろう。

 それに手を握られたくらいで動揺するほど、初心な精神でもないだろう? お師匠様よ」

 

(この人、俺がキスシーンで初心って言ったこと、根に持ってやがる)

 

 意地の悪い笑みを浮かべる楓花を見て、護は少し前の自分の発言が失言であったと後悔した。

 護の腕力ならその気になれば無理矢理外すこともできるが、その場合楓花の手を痛める可能性もある。それくらいにガッチリと握られているのだ。

 護は諦めたように腕から力を抜いて、軽く項垂れた。

 

 そんな護の様子に満足したのか、楓花はふざけるのを止めて先ほどの会話に話を戻した。

 

「ふむ、しかし警戒されずに密談に向いた場所か。であれば屋上を使うといい。あそこは元々人気のある場所ではないからな。放課後であればあまり人も寄り付かない。

 カメラも1台のみ。仮に録音機能がついていたとしても、距離に気を配れば会話の内容はわからないだろう」

 

「ああ、そう。じゃあそうする」

 

 まともな助言ではあるが、先ほどまで揶揄われていたためどうも素直に感謝する気がおきず、護は適当に返事をした。

 

(しかし、クラス争いとか関わりたくなかったのに、どうも変な形で関わっちゃってるな)

 

 元々クラス争いには乗り気ではなかった護。それも自分のクラスを勝たせるのではなく、他のクラスに助力する形で動くことに、何とも倦怠感が湧いてくる話だった。

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

「今日も図書館で勉強会をやるのか?」

 

 放課後Dクラスの教室にて、綾小路清隆は隣の席に座る堀北鈴音に向かってそう問いかけた。

 

「ええ、そうね。須藤君達には既に伝えてあるわ。あなたも遅れないように来なさい」

 

 上から目線で命令してくる堀北だが、そんな態度にも最近では慣れてきてしまった自分に、何やら物悲しさを感じる綾小路。

 と、そこで近づいてくる一人の男子生徒に気が付いた。

 

「ごめん、堀北さん。ちょっといいかな?」

 

 そう言って、話しかけてきたのはDクラスの中心人物、平田洋介。

 本来人当たりが良く社交的な平田であるが、人付き合いを苦手とする堀北とそんな彼は真逆の存在。彼女にとっては、はっきり言って苦手なタイプである。

 そんな人物から話しかけられたため、堀北は眉を顰めながら露骨に面倒くさそうな表情を浮かべた。

 

「何かしら。これから勉強会なのだけど、用件があるなら早くしてもらえる?」

 

 不機嫌そうに堀北が言うと、平田は困ったような表情を浮かべた。

 

「ごめん。実は相談したいことがあるんだけど、あまり人に聞かれるのはまずいんだ。場所を移させてもらえないかな?」

 

 チラリと綾小路の方を見ながら声を潜めて言う平田に対し、堀北の表情に不信感が宿る。

 それを察したのか、平田は慌てた様子で言葉を続けた。

 

「中間テストに向けて相談があるんだ」

 

「それならここで話せばいいでしょう?」

 

 平田の言葉に対し、堀北からすぐさま反論が飛ぶ。

 そう言われた平田は、躊躇いがちにポケットから一枚の紙きれを取り出した。

 

「これを、見てほしい」

 

 警戒した様子で紙を受け取り、目を通す堀北。

 綾小路の位置からはその内容は見えないが、その紙を見た堀北は次第に難しそうに考え込む様子を見せた。

 

「これは……」

 

「なんて書いてあるんだ?」

 

 綾小路がそう問いかけると、堀北は紙を差し出してくる。

 しかしそんな堀北に対し、平田から焦ったような声が飛んだ。

 

「待って堀北さん。それは……」

 

「生憎と、私はあなたを信用していないの。むしろ彼の方がマシなくらい。

 私を誘い出すための自作自演の可能性もある以上、彼が居ないならついていくつもりはないわ」

 

 堀北とて、本気で平田が自分に良からぬことをするなどと考えてはいないだろうが、綾小路を無関係のまま話をするつもりもないようだ。

 本来ならかなり失礼なことを言われた平田だが、しかし全く怒る素振りは見せず、諦めたように頷いた。

 

 その様子を見て、綾小路も紙を受け取り目を通す。

 

 

 

――――――――――――

 

 

 中間考査について、確実に赤点を回避する方法を教える。

 興味があるなら明日の放課後、学校の屋上に来てほしい。

 

 このことはできればあまり広めたくはない。

 同行者は二人まで。口が堅い者としてもらいたい。

 

 

――――――――――――

 

 

 

「これは……」

 

 紙から視線を上げて、平田の方を見る綾小路。

 

「相談に乗ってもらえるってことで良いかな?」

 

「ええ、構わないわ」

 

「俺は了承してないんだが……」

 

 勝手に話を進める堀北に対し綾小路から苦情が飛ぶが、彼女はそれを一笑に付した。

 

「読んだのだから、あなたも無関係ではいられないわよ」

 

「お前が読ませたんだけどな」

 

「あら、私はあなたに読めなんて一言も言っていないけど?」

 

(それは屁理屈だろ)

 

 確かに堀北は読めなんて言葉は言っていない。ただ手紙を差し出しただけだ。

 しかしそれを言ったところで無駄だろうと、諦めてため息を吐いた。何より、綾小路自身もこの手紙には興味がある。

 綾小路は大人しく、教室を出ていく二人についていくことにした。

 

 

 人目のない場所と言っても、教室からそう遠くない場所で完全に密談に向いた場所はない。

 三人は適当に歩きながら、できるだけ周囲に人がいないと確認できる場所で立ち止まると、話を切り出した。

 

「それで、どうして私に相談しようと思ったのかしら?」

 

 最初に切り出したのは堀北。

 それに関しては綾小路も疑問に思っていた。現状平田は自身でも堀北に敬遠されていることを理解している。相談する相手としては不適格の筈だ。

 

「最初は櫛田さんに相談することも考えたんだ。けど仮にこの手紙が信用できるとして、今一番必要としているのは、失礼だとは思うけど須藤君達だと思ったんだ」

 

「……確かにそうね」

 

 難しい顔をしながら、堀北は平田の言葉を認めた。

 現在、堀北はDクラス内でも赤点に近い位置にいる生徒達に勉強会を開いている。

 最近ではある程度軌道に乗ってきたとはいえ、元々まともに勉強をしてこなかった生徒の集まり。確実に赤点を回避できるとも言い切れないのが現状だ。

 

「私に持ってきた理由は分かったわ。それで、あなたはどう思っているのかしら?

 このあからさまな罠と思える手紙に対して」

 

「……僕としても、確実に赤点を回避できるなんて都合の良い話は無いと思ってる。

 けど、この手紙を渡してきた相手が相手だから、ひょっとしたらって気もするんだ」

 

「手紙を渡した相手? 一体誰が渡してきたというの?」

 

「Aクラスの、五条護君だよ」

 

「Aクラスの生徒が?」

 

 堀北はクラスの部分に注目したが、平田の口ぶりはその人物、個人に対して評価しているような口調だった。

 それが気になった綾小路は口を挟んで問いかける。

 

「有名人なのか?」

 

「うん、評判はかなり良いみたいだよ。あまり社交的ではないけれど、話せば礼儀正しく人当たりが良いって。けど、それだけじゃないんだ。

 二人は、ポイント説明の時に茶柱先生が言ってた事、覚えてるかな? Aクラスで初日に学校の全容を言い当てた生徒がいるって」

 

「まさか……」

 

 僅かに目を見開く堀北。

 そこまで言われれば嫌でも続きは察せられる。綾小路も表情には出さないまま、おおよその話の流れは予想できた。 

 

「うん、彼がその生徒なんだ。

 あの話の後、僕も気になったから、部活で他のクラスの生徒に聞いてみたんだ。そこで彼の名前が出てきた」

 

「五条、護……」

 

 堀北は噛み締めるようにその名前を呟いた。

 Aクラスという立場に並々ならぬ拘りを持つ彼女だ。その中でも入学してすぐ目立った功績を上げた人物に対して、複雑な感情を抱いてしまうのだろう。

 

「彼なら、僕達では気付かなかったテストの抜け道に、気付いた可能性は十分あると思う」

 

「だとしても、それを私達に教える意図が分からないわ。罠だと考えるのが自然よ」

 

「僕もその可能性は否定できない。けど、直接会って話した感じ、人を貶めるような性格には見えなかったんだ」

 

「愚かね。会って間もない相手を信用するなんて」

 

 辛辣な堀北の言葉。

 平田自身も信じるに足る明確な根拠が示せないために、渋い顔だ。

 

「あなたはどう思うのかしら綾小路君」

 

 平田を相手にしても無駄と思ったのか、堀北は綾小路に対して意見を求めた。

 なんと答えるべきかと迷った綾小路だが、素直に思ったことを口にしてみる。

 

「確かに、会ったばかりの相手を信用するのは難しいな。

 けど、罠と断定するのも早いんじゃないか?」

 

「どういうことかしら?」

 

「例えば、相手が対等な取引を申し込んでいた場合はどうする?

 ポイントと引き換えに、テストの攻略法を教えると言ってきたら」

 

「仮にそうだとしても、その方法が正しかったか証明されるのは、実際にテストを受けた後よ。

 下手に余計な情報を吹き込まれて、混乱が生じる方が危険だと思うけど」

 

「それは実際にその方法を聞いた後で考えればいいんじゃないか?

 今平田が聞いてるのは、その誘いに乗るかどうかってことだろ」

 

 綾小路の視線を受け、平田が頷く。

 

「うん、僕としても実際に会って話を聞くのは悪くないと思う。

 問題は、僕一人じゃ判断を誤る危険もある。それを防ぐためにも誰かについてきてほしいんだ」

 

 平田の言葉を後押しするように、更に綾小路から言葉が続けられる。

 

「仮に罠だったとしても、その五条って奴はAクラスの中心人物なんだろ。

 どういう人物か、実際に会って確認する価値はあるんじゃないのか?」

 

「……いつになく饒舌ね。綾小路君」

 

「意見を求められたから客観的に述べただけだ」

 

 実のところ、綾小路自身も五条護という人物には興味はあった。

 常人とは違う視点を持ち、自分ともまた違った視点を持っているかもしれない人物。

 それがどういう意図を持って、このような手紙を送ってきたのか。

 

「……いいわ、話だけでも聞きに行きましょう。行くのはこの三人でいいわね」

 

 しばらく悩む素振りを見せた堀北であったが、最終的には了承した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 う~ん……私、地の文におけるキャラクターの呼称は護君の呼称とある程度連動させているのですが、鬼龍院さんのことを楓花と書く違和感よ。

 そして、綾小路君を主眼に置いた視点、思っていたよりも難しい。
 特にこの時期の彼、性格が安定していませんし。悩んだ結果アニメ寄りの口数少なめな感じに。


 ちなみに、護君の目的に関する鬼龍院さんとの会話。本当はDクラスとの交渉後にでも、実はこういう目的だったんだよ~という感じで入れようかとも思ったのですが、そこまで引っ張るほど大層なものでもないかと、今話で差し込む形としました。



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