指示役?不良グループ「怒羅権」初代メンバー逮捕　強盗傷害の疑い

　東京都豊島区のマンションで3月、5人組が押し入り現金などが奪われた強盗事件に関与したとして、警視庁捜査1課は10日、強盗傷害などの疑いで不良グループ「怒羅権」の初代メンバーの職業不詳汪楠容疑者（51）＝千葉県市川市＝を逮捕した。指示役とみている。汪容疑者は過去に服役した経験から受刑者の更生支援に取り組む活動をしていた。

　怒羅権は中国残留孤児2、3世らを中心に結成された不良グループ。汪容疑者が事務局長を務める受刑者の更生支援プロジェクトのホームページによると、1980年代後半に都内で結成された。汪容疑者は2015年から服役中の受刑者に本を差し入れるなどの活動をし、自身の半生を振り返った著書を出版し、テレビにも出演していた。

　5人組のうち20代のモンゴル人の男は、事務所にいた中国籍の男性社長ともみ合った際に首を負傷して死亡した。警視庁は8～9月に実行役の日本人の男2人を逮捕。残る2人はモンゴル国籍で事件後に帰国したとみられ、逮捕状を取り行方を追っている。他に運転役の日本人の男3人も逮捕している。

　逮捕容疑は実行役らと共謀し、3月21日、豊島区東池袋2丁目のマンション一室に侵入。男性社長らを暴行してけがをさせるなどし、現金約100万円とノートパソコンなどを奪った疑い。