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会話

アカウントを削除します。 これまでも何回か炎上経験はありますが、今回は私の家族を巻き込んだ、陰湿で、執拗な、脅迫と加害が繰り返されたことから、削除を決定しました。 私は、「無関係なツイートに妻や娘を持ち出して強姦やレイプの話をしないでほしい」とはっきりと書きました。 ノーと明言されたことを行うのは、加害ではないですか? 多くの人が、加害現場にいなかった私に対して「加害を傍観した」といって責めましたが、私への加害は、まさに現場で傍観されていますよ。それどころか、もっとやれとばかりに煽られていました。 嫌だと明言したのに、やめてくれず、お前もやれとばかりに仲間を増やす。この構図って、自身の欲求を満たすためだけに輪姦した連中とまったく同じではないですか? もしかしたら、「やめて」というツイートを見ていない、気づかなかった、そんな人がいるかもしれませんが、それって、攻撃を許される理由になりますか? 「いや」と言うのが聞こえなかったという強姦魔の言うことを真に受けているみたいじゃないですか? あなたがたが、私を責めると同時に繰り返し娘たちの性被害に言及することで、「こいつの家族を強姦しても、自分はみんなに支持される」と勘違いした「正義の強姦魔」が目をつけるかもしれないということに、思い至りませんでしたか? そういうところに想像が及ばないまま、ああいうことを繰り返し書いていたのでしょうか? 「強姦を傍観したやつが悪い」「あんなことを書いたやつが悪い」「子どもの写真を載せているからだ」「つまり、自己責任だ」 きっと、こんなことを言う人がいるでしょう。 加害者は、被害者に責任を押し付けるものですから。 これも性犯罪でありがちな話ではないですか。 「夜道を歩くやつが悪い」「誘惑する服を着ているからだ」「無防備に酔うからだ」 「お前と一緒にするな。先に傷つけたのはお前じゃないか」と言う人がいるかもしれません。 私が、 あなたを、 傷つけたのですか? もし本気でそう思っているのなら、傷つけたことについては謝ります。 アカウントを削除する前に、発端となったツイートについて書いておきます。 精神科医という仕事がら、性犯罪の被害者や自殺についての文章に触れることが多く、そのときにふっと思い出した記憶でした。 そして、考えました。 この話が広まれば、当時の加害者のうちの誰かの目に入るのではないか。大学名やサークル名など出さずとも、年代さえ合っていて身におぼえがあれば分かるだろう。 「身内だけで隠せたと思っていても、決してそういうわけではなかったんだぞ」 と感じさせることができるかもしれない。そのときその場にいた身内以外に知られているということを目にするのは、きっと精神的に苦痛なはずだ。 たとえ加害者を見つけることはできなくても、これは加害者が見れば分かる話。漠然とでも、彼らに追われる恐怖を与えられるかもしれない。 結果的には、私が共犯扱いどころか、加害者よりも私のほうが責められることになっていますね。もしも加害者がこの光景を見たら、さぞかしホッとしていることでしょう。ツイートも削除されましたし。 ツイートする時点で「大学名とサークルを明らかにしろ」という意見が出ることは見越していました。 しかし、たとえば「アニメ研究会だった」と明かせば「だからアニメは」となり、「アメフト部だった」と言えば「やっぱりアメフトは」と、「パソコン研究会だった」と書けば「そういう連中は」となるでしょう。私への攻撃が、私の家族へ波及し、私の属性を持ち出し、「性加害する精神科医」とまで発展したのですから、サークル名を出したらどうなるかは明らかです。大学名も同様です。 だから、事前に、明かさないと書いたのです。それが加害者をかばっていると思われたようですが、私がかばおうとしたのは加害者ではなく、現在その大学に通っている若い学生さんたちと、そのサークル内容に携わっている人たちです。彼らと事件とは無関係ですから。 上記したように、ツイートを見た加害者だけが「自分のことだ」と気づけば良いわけです。そのときに「俺はお前の大学もサークルも聞いているし覚えているぞ」と圧をかけるのが狙いでした。 この話を聞いた当時、私は福岡の大学に通っていました。たまたま東京に遊びにいったときに、高校時代の友人数名と集まって酒を飲み、この話が出たのです。私の衝撃と怒りは大きかったです。ツイートはたった4行の会話で済ませましたが、実際にはそんな簡単なものではありませんでした。その場では、その友人とかなりもめましたが、それで彼が被害者や加害者の名前を言うはずがないでしょう。警察に言うべきだと諭しても、就職を控えているからかどうか、一蹴されました。ちなみに、1998年は就職の超氷河期です。 「こうなると思ったから、お前には聞かせたくなかったんだよ」 「だったら俺には言うなよ!」 これが、その場での友人との最後のやりとりです。 私に聞かせたくなかったのは、高校時代からの付き合いで、私の性格を知っているからでしょう。それでも大学卒業前に吐露せずにはいられなかったのか、そのあたりの彼の心境は分かりません。 「お前が警察に言うべきだった」と責める人もたくさんいますが、私が警察に駆け込んで、なんと言えば良かったのですか? 「名前も年齢も知らない女性が、名前も年齢も知らない男性数名に乱暴された。1994年ころということ以外、日時も場所も知らない。分かっているのは、大学とサークルだけ」 これで警察が動きますか? そこで私が友人の名前を出したとしても、警察に問われた彼が正直に言わないのは目に見えているでしょう。彼が「友人との酒の席でつい嘘をついた」と言えば、それで終わりです。 私は中学高校のころから曲がったことが嫌いで、生真面目です。だいぶ丸くなった今でも、子もちの人の不倫が嫌いだし、医療者と患者さんが恋愛関係・性関係になることに嫌悪感を抱くなど生真面目の名残りがあります。それは普段のツイートを見ている人ならご存知でしょう。 そんな私ですから、当時、「だったら自分で調べてやる」とも少しは考えました。とはいえ、ネットもない時代の、福岡に住む22歳ですよ。できそうなことは何も思いつきませんでした。 マスコミに言うべきだった、と責める人もいます。そんなことくらい、22歳の私も考えました。でも、ネットが普及して細分化してニッチな需要のある現在のマスコミと違い、1998年はまだ「大マスコミ」という印象でした。少なくとも、福岡に住む22歳の私には、あまりにも縁遠い世界でした。それに、そもそも「知らない女性が、知らない男たちに、日時も場所も分からないが乱暴されて自殺した、という話を友人に聞いた」そんな情報を得たところで、当時の大マスコミが動いたとは思えません。 30年もたった今じゃなく、当時に注意喚起や情報発信をすべきだった、と責める人もいます(中には大学教員を名乗る人もいましたが)。彼らはもう覚えていないのか、それとも知らないのか、それは分かりませんが、1998年って身近にネットないんですよ? 2チャンネルなんてないんですよ? ヤフーはあったかもしれませんが、パソコン持っている人は身近に一人もいませんでしたよ。注意喚起や情報発信でできることって、なんですか? その大学でビラでも配るべきでしたか? 「1994年ころに自殺した女子学生を探しています」と? 「そのサークルで強姦がありました」と? 酒の席での友人の発言を根拠に、22歳の、東京に住んでいるわけでもない私はそこまですべきで、それをしなかったことで責めているのでしょうか? ところで、何もしなかったといって私を責め立てた人の中に、この話を知ってから、1994年か1995年の関東圏内の18歳から22歳の自殺者数を調べた人はいるんでしょうか? このネットが普及した現代で、指先一つであれこれ調べられる環境で、私の話に、というより、当時なにもできなかった私に怒り、攻撃し、脅迫した人たちの中に、「お前が調べないなら自分が少しでも調べる」と、指先をほんの少し動かした人がどれくらいいるんでしょうか? 発端となったツイートのコピーを持って警察に駆け込んだ人がどれくらいいるんでしょうか? 半分は皮肉での問いかけですが、そんなことはしないでしょう。できないでしょう。 時間がない、自分には自分の生活がある、それにそもそも情報が足りなすぎる。 それは、22歳の私だって同じです。 さて、このときの会話もキッカケになったと思うのですが、その友人とはまったくの疎遠になりました。 こういうことも最初は一緒にツイートしようとしました。ただ、そんなことを書いたところで、私の正義感アピールにとられてしまい、本筋にとって意味がないどころか、内容を薄めてしまうと思えました。 私の意図、願いは、どこかでのうのうと暮らしている加害者たちの誰かに「お前のしたことを覚えている第三者がいるぞ」と伝わることなのですから。 それはもうかないません。 残念ながら、私の思惑が負け、当時の加害者の勝ちです。 これは本当に心から強烈な怒りを込めて書きますが、やめてくれと懇願する私に対して執拗に、陰湿な脅迫と攻撃を加え続け、当時の加害者の勝ちに貢献した人たちには、心底ヘドが出ます。 それから、「この炎上があって急に家族の話をたくさん書いて良いパパ演出している」なんてツイートを見たときには、つい吹き出してしまいました。私を攻撃している人の中には、本当にまったくツイートをさかのぼらない人がいるんだな、と。ほんの少しでもさかのぼれば、家族の話題だらけなのに。私のことを傍観者だ、同罪だ、妻子がレイプされたら云々と言っている人の中には、こんな早とちりな人たちもいるんだなと思うと、本当にバカバカしくなりました。 私に対する加害者の人たちへ。 と呼びかけても、その自覚がないでしょうから、自分のこととは思えないかもしれませんが……。アカウント削除までの数日、このツイートは残しておきますので、その加害性を思う存分に発揮なさってください。 最後になりましたが、私への攻撃を見て、傍観することなく関わってくださった方たちもいました。そういう方々の一部しか把握できていないと思いますが、本当にありがとうございます。そして、どうか、以後は本炎上には関わらないでください。 彼らの加害性は、自覚がないゆえに、底なしです。
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