商社マンをされていた市内在住の市民の方から、投稿をいただくことにしました。

永年民間企業に勤めておられた立場からのご意見がいただけるものと思っています。




道の駅「三矢の里あきたかた」への「無印良品」の出店についての
市民モニター集約結果について



1.ホームページに掲載されている「アンケートの目的及び回答者数」について


① アンケートの目的内容を見ると議会による費用削減としか説明がなく、なぜ議会が削減したかの説明が欠落しており、モニターの方からすれば正確な判断を下すのに情報不足です。



出店の利点についての言及では、良い点ばかり強調され、既存の経済圏に対するデメリットが言及されていません。

また有害鳥獣や耕作地・・・・のくだりは、 本件に対して相談窓口となると記されていますが、無印良品の店舗との関係が理解できないのではないでしょか?


② 回答者数に関しても住民2万7千人に対して、回答者数が72人では、統計学的に正当な民意を反映している数字ではありえません。



小生は仕事柄多方面の識者とビジネス上のお付き合いがあり、今回の「無印良品」のアンケート結果について、専門家2人(情報系及び品質管理の専門家)に学術的な判断してもらった結果、以前市が行った「モニターによる議員に対する評価アンケート」と同様に、サンプル数が少なく、民意を反映しているには程遠いアンケート回答数であるとの指摘をいただきました。



<情報系専門家の意見>


単純に母集団の数から統計的に必要な標本サイズ(ここで言うところのアンケート回答者)を計算すると379人は必要です。

ただし、信頼水準は95%,許容誤差を5%として計算しています(この数字は一般的です)。


<品質管理の専門家の意見>


代表的な方法はアメリカの軍用規格MIL-STD-105E、日本産業規格ではJIS Z 9015(内容はMILと同じ)です。

この規格によると母数が10,001~35,000の間ではサンプル数は315(より信頼度を上げるためには500)となっています。



ただし、この大前提はランダム(無作為)に抽出(サンプリング)することです。

サンプリングが作為的であった場合にはこの抜取理論は成立しません。

また規定のサンプル数(この場合315)より大幅に少ない場合は、例え無作為であっても大変信頼性の低い結果となってしまいます。



以前、「議員に対する評価アンケート」についての議員からの質問に対して、市長は次のように答弁されました。



(統計学的に)サンプルサイズは67人くらいから有効で、今回は98人もいる。



市長は、三菱UFJ銀行でアナリスト(分析家)として、統計学的な知識は持たれているはずですが、この答弁は議員を素人と判断し、煙に巻いた感があり、自ら墓穴を掘ったと思います。



したがって、今回の「無印良品」の出店に係るアンケート結果も民意反映していないと判断しています。

信頼のないアンケート結果を発表したのは明らかに内部統制がなされていない証です。



また、本来なら、市長が、しかるべき手順を踏めば当該予算の削減もなく、議会も「無印良品」進出には反対するべく理由もなかったと個人的には推測し、進出計画を検討した職員もさぞかし臍をかんでいると思います。 
 


[追伸] アンケート結果に集計ミス?改ざん?


今回の道の駅への(株)良品計画の出店に係る「市民モニターアンケート」にとんでもないミスがあることを、「2pim」さんがツイッターで指摘されています。



「無印良品の出店は市の将来にとって必要だと思いますか」という設問に対して、年代別の「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計は、43名(59.7%)になっています。

一方で、居住地別の「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計は、39名(54.2%)になっています。

回答者72名を年代別と居住地別に分けたものですから、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」は同数になるはずですが異なっています。

わずか72枚、しかもたった2問の質問しかない回答の集計を、どのようにしたら間違うのでしょうか。



はっきり言って、今回のアンケート調査は市長の政治的な思惑を持った調査ですから、職員が集計の段階でこんな単純なミスを犯すはずはありません。

さらに、どのような形で出すかについても、厳重な検討が重ねられていたはずです。



市長のアンケートの意図は、「無印良品の出店は市の将来にとって必要なのに、議会の反対によって止まってしまった」ことを裏付けることですから、設問1と設問2は裏表の関係にあります。

裏表の関係にある設問に対しては、同様な数値の回答が出ることが期待されます。



ここで、面白いことに気がつきます。

「議会が市民の声を反映していない」と答えた市民が43名いるのに、「無印良品の出店は市の将来にとって必要だと思う」と答えた市民が、年代別では43人、地域別では39人なのです。



また、59.7%という数字は、約60%と説明できます。

一方で、54.2%という数字は、50%余りという説明にしかなりません。つまり、半分程度の「賛成」しかないとも取れることになります。

市長がこの数字に納得できるはずはありません。



当初、このアンケート調査結果は、6月27日の記者会見で発表されるはずでしたが、「検討が必要」ということで、なぜか先送りになっていました。

72人の回答の単純集計に時間は掛かりませんし、何を検討することがあったのでしょうか。



こうして見ていくと、「何らかの改ざんがあったのでは」という疑いが出てきます。

当初の発表は実数ではなく割合(%)で表示していましたので、「実数の矛盾に気がつかなかった」と考えるのが妥当性があるように見えます。



いずれにしても、「石丸市政には信用性、信頼性がない」ことを如実に示す事例です。



2pimさんのツイートはこちら