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入管体制の解体が必要だ。

史上最悪とも言われる入管法改悪が成立しました。強行的な採決を批判するのは当然としても、その先の展望や方向性を語るべきではないですか。

この間、入管体制の非人道性と出鱈目さが明らかになり、入管そのものが反社会的組織であることが露わになりました。我々が目指すべきは端的に入管体制の解体と移民局・難民保護局の創設だと思います。

この間明らかになった入管の反人道体質は、もはやその存在そのものを許してならない域に達しています。ウシュマさんの死は氷山の一角です。人命軽視どころか積極的に人を殺す方向で動いている組織は、近代文明国にあってはなりません。組織そのものを解体し、暴力や殺人に加担した個人は罪に問うべきです。

私は入管について改めて調べるうちに、アウシュビッツ絶滅収容所を何度も想起しました。ドイツ人はその存在を知っていて見て見ぬふりをしたのです。今、私たち日本人はすでに入管の存在を知ってしまいました。

そもそも入管体制は朝鮮人を差別的に管理することが出発でした。植民地支配に対する無反省がそもそもの出発だったのです。入管体制そのものが大日本帝国の遺産であり、これを解体できないことは、日本が大日本帝国の亡霊と一緒に暮らしていることにほかなりません。

今や入管体制そのものの解体を論じる段階にきていると思います。入管体制を解体し、他国から労働力を正しく受け入れる移民局、そして、真に条約に則した難民保護局を作りましょう。それがアジアで最も遅れた人権後進国、経済小国・日本を再生させる唯一の道ではありませんか。

初出2023年6月9日Facebook

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2000年から弁護士。武蔵小杉合同法律事務所を主宰。自由法曹団常任幹事。元植村隆東京弁護団事務局長。著作「ヘイトスピーチに抗する人々」(新日本出版社2014年)。「9条の挑戦 ~非軍事中立戦略のリアリズム」(大月書店2018年)。布施辰治弁護士を敬愛。愛読書は「レ・ミゼラブル」。
入管体制の解体が必要だ。|弁護士神原元