[5日 ロイター] - 米実業家イーロン・マスク氏による2022年のツイッター(現X)買収に関する調査を巡り、米証券取引委員会(SEC)は証言を求めマスク氏を提訴している。5日の裁判所提出書類で明らかになった。

SECは、マスク氏がツイッター株取得のほか、その取引についての発言やSECへの提出書類に関連して連邦証券法に違反したかどうかを調べている。調査は22年5月に発表された。

提出書類でのSECの説明によると、今年5月にマスク氏にサンフランシスコの事務所で証言するよう召喚し、同氏は9月に証言することに同意した。だが2日前になって「複数の偽りの異議」を唱え、応じない意向を伝えてきたという。また、SECはこのデポジション(証言録取)を10月か11月にテキサス州で行うことを提案したが、拒否されたという。

マスク氏の弁護士は「SECはこの見当違いの調査で既に何度もマスク氏の証言を取っており、もうたくさんだ」と述べた。

SECは声明で「われわれの合理的かつ適法な調査に関連する未保有の情報を得るため」にマスク氏の証言を求めているとした。

法律事務所モーゼス&シンガーのパートナーで元SEC当局者のハワード・フィッシャー氏は、マスク氏の9月の証言拒否は異常だと指摘。「公開会社で役職に就いている上級幹部が出頭しなかったという話は聞いたことがない」と述べた。