PROJECT STORIES
太陽光発電所を取得、
そして当社初の発電事業へ
根本 高臣
環境エネルギー営業部(取材当時)
1991年4月入社
渡辺 政人
首都圏営業第四部(取材当時)
2020年4月入社(キャリア採用)
One Mizuho が叶えた
新しい挑戦
―リース会社が発電事業者になった日―
01重い空気を救った“勘とセンス”
「リース会社が太陽光発電の事業者に」。そのニュースは社内にも社外にも大きな反響をもたらした。 2012年7月に再生可能エネルギーの普及を促進するべく始まった固定価格買取制度(FIT)。みずほリースでも再生可能エネルギー事業は大きな柱のひとつであり、そこに力を注ぐことは第五期、第六期中期経営計画を通して大きく語られている。しかし太陽光発電所の取得に関しては、話はあってもなかなか成約までこぎつけない。無理なのかもしれない…。そんな重い空気を救ったのが渡辺の“勘とセンス”だった。
渡辺 「私が担当している銀行の支店に、環境エネルギー営業部が作成した提案資料を持っていき、「みずほリースとして太陽光発電所の買取事業をしていますがお客様のニーズはありませんか」と働きかけたんです。するとすぐ、1週間くらいした頃に担当者から「太陽光発電所を売却したいという案件があります」という話があり、すぐに引き合わせいただいたという感じですね。タイミングよく」
02リレーションシップはチカラだ
渡辺はすぐに環境エネルギー営業部の根本に相談した。
根本 「話を聞いて、すごくいい物件だなと思いましたね。まずおおよその金額を机上計算して、それを渡辺に伝えて、渡辺からお客様に伝えました」
しかし、実は最初の金額では他社の提示に負けていた。それがわかったのも渡辺の持つもうひとつの力だった。
渡辺 「正直、太陽光発電についてはそれまで経験したこともなく知見も少なかったんですが、前職が金融で法人営業をしていたこともあり、いわゆるリレーションシップの作り方、人との距離の縮め方というのはある程度自信がありました」
渡辺は売主側の反応から、提示した金額が負けていることを感じ取った。渡辺はすぐに根本に連絡を取った。根本は金額の見直しに入った。削れるコストを探し、収益とのバランスを考え、そこで出した答えは売り主側にも満足のいくものだった。2人は釧路にある太陽光発電所へと飛んだ。広大な敷地に整然と並ぶ太陽光パネル。光を受けてキラキラと輝く風景に2人は目を奪われた。
根本 「お客様自ら施工した発電所ですごくいいものだと感じたのでぜひ買いたいという思いがさらに大きくなりました」
渡辺 「同行してくれた先方の社員が車内で「本当に売っちゃうんですかね」と残念そうに話しているのを聞き、大切にされている発電所なんだなと。それだけ大事にされていたものなので、我々も真摯に対応しないといけないなと再確認しました」
03粘り強さとひたむきさ。それが勝負のカギ
そこからは時間との勝負だった。根本は発電所に関する売電権利を始めとした土地の権利関係やアクセス道路の権利関係、あるいは、コンプライアンスの観点などさまざまな面での調査を進めていった。
根本 「環境エネルギー営業部だけではできないところもありますのでそこは社内の専門部署、また、外部の弁護士事務所やコンサルタント会社に委託して。そこから得たものを渡辺経由であったり、時には直接であったり、お客様に返す。そんなキャッチボールを3ヶ月くらいやっていましたね」
もちろん売り主とみずほリースの両方にメリットがなければ事業として成り立たない。社内の了解を得ることも大事な仕事のひとつだ。
根本 「渡辺の熱意をどうにか形にしつつ、かといって専門部だけのジャッジではだめなので、審査部や本部サイドの合意を得られるよう、ギリギリのところを綱渡りしたという感じですかね(笑)」
渡辺 「根本さんは本当に人柄がよくて、どんな話でも相談すればすぐ聞いて答えてくれる。社内の風通しのよさも今回の案件の成功につながっていると思います」
契約締結までわずか。安堵の2人の前に突然、暗雲が立ち込めた。発電所へのアクセス道路の一部権利関係に疑義を発見したのだ。これが解決しないと買うことはできない。2人は動いた。
根本 「環境エネルギー営業部内で土地に詳しい他のメンバーが現地にも飛んで、役所での地図の確認やヒアリングもして、また、売り主とみずほリース、双方の弁護士事務所の見解を聞きました。その結果、アクセス道路の使用権利はきちんとしているということがわかりクリアできた。最後の最後でしたし、ホッとしましたね」
04そして、新たなる未来へ
2021年3月31日、みずほリースは太陽光発電事業者となった。
根本 「発電事業者としては取得してからがスタート。これからこの発電所を活用してどれだけ社会に貢献できるかという面と事業運営ならではの面白みという面、新しい分野が拡がる楽しさを感じています」
渡辺 「わからないことばかりでしたが、根本さんが拠り所にいるという安心感、そしてみずほ銀行が非常に協力的に動いてくれたので非常にやりやすかったと感じています。けっこういろいろな人が関わっていて、関わる人が多いと時間がかかりそうなイメージですがそうは感じないくらいスムーズに進んで、”One”Mizuhoの力を実感しましたね」
みずほリースとして第一号の案件を無事、成約させた2人。この経験をどう生かしていきたいと思っているのだろうか。
根本 「カーボンニュートラルを目指すという世界的な潮流のなかで、再生可能エネルギーばかりに目が行きがちですが、そもそも電気などのエネルギーを使う量を減らす省エネ化に対するビジネスと再エネビジネスは両輪だと思っているので、双方をうまく提供できるような新しいプロダクトを検討・進めていきたいと考えています。あとは営業がいろいろな案件を取ってきてくれるでしょうからそれに対応していく、ですかね(笑)」
渡辺 「企業のホームページを見ても太陽光分野をよく見るようになりましたね。「売るニーズはありますか? 拡大していくニーズはありませんか?」という話もできるようになり、アンテナが増えたなと感じています。まだ1号なので、2号、3号とつながるように営業をしていかないといけませんし、私しか知見がない分野なのでこれを社内に広げていくところにも貢献していかなければと思っています」
2人の、そしてみずほリースの未来は、まだ始まったばかりだ。