ハマス(HAMAS)
Harakat al- Muqawamaal-Islamiya
- 別称:
- イスラム抵抗運動 Islamic Resistance Movement
米国FTO(1997年10月8日)
主な活動地域
パレスチナ自治区、イスラエル
組織の概要
「ハマス」は、1987年12月、ガザ地区で発生した第一次インティファーダがパレスチナ全域に拡大した際、同地区の「ムスリム同胞団」最高指導者シャイク・アフマド・ヤシン(2004年死亡)が、武装闘争によるイスラム国家樹立を目的として設立した武装組織である。軍事部門「エゼディン・アル・カッサム旅団」を有する。現在の最高指導者はイスマイル・ハニヤである。
2000年の第二次インティファーダ以降、対イスラエル闘争を強化し、2002年には対イスラエル全面戦争を宣言したが、2005年2月にイスラエル・パレスチナ間の停戦合意を受け、停戦に応じた。「ハマス」は、2006年6月、イスラエル軍の砲撃でガザ地区住民が死亡したことから武装闘争を再開し、2009年1月、2012年11月、2014年7月及び2021年5月、イスラエル軍と大規模な戦闘を繰り広げた。
また、「ハマス」は、2005年9月、ユダヤ人入植者らがガザ地区から完全撤退した後、同地区内に学校、医療施設等のインフラを整備するなどして住民からの支持を獲得し、2006年1月のパレスチナ自治評議会(国会に相当、定数132議席)選挙で過半数の74議席を獲得し、「パレスチナ解放機構」(PLO)主流派「ファタハ」との連立政権を発足させた。しかし、2007年6月には「ファタハ」と衝突し、ガザ地区を武力で制圧したことから、同連立政権は崩壊した。2014年6月、「ハマス」は、パレスチナ自治政府との統一内閣樹立を宣言したが、ガザ地区については、同内閣ではなく「ハマス」が統治を継続したため、2015年6月に同内閣は解散した。2017年10月、「ハマス」は、エジプトの仲介の下、パレスチナ自治政府との和解協定に調印したが、同年12月に予定されていたガザ地区の行政権限移行は延期になった。