今までに2回くらい書き記して来ました、銀と銅の腐食の大きな違いについて、今日はまとめておきたいと思います。



まず、現在のRCAケーブルの電気抵抗を測っておきたいと思います。



LCRテスターを使って、①銅のイケ綿ケーブル(2年前に購入)と、②銅のZ社ケーブル(10年もの)と、③銀のケーブル(5年前に購入)の1kHzにおける電気信号線のインピーダンス電気抵抗Rs(Ω)を測ってみました。




①銅のイケ綿ケーブル


0.07Ωです。



②銅のZ社ケーブル


0.046Ωです。



③銀のケーブル


なんと、3.785Ωもあります!


前より上がったような。



桁を見間違えたのではないかと目を疑ってしまいましたが、ほんとのようです。



銀線は、導線の役割を果たしているのか?と考えさせるくらい抵抗が高くなりました。



腐食が進行しているのでしょうか。



実際の音質を聴くと、やはり1番モコモコしたはつきりしない音質です。




銀線は、腐食が進んでいるのかもしれません。



理屈を改めて紐解いてみます。



J-Stageからの論文です、



湿度が高いときにはaの腐食形態となり、湿度が低いときにはbの腐食形態になるそうです。



銀は、湿度によらず、空気中の硫化水素H2Sにより硫化銀AgSを作り、塩素Cl2により塩化銀AgClを生成するようです。



銀は、銅の酸化被膜のような導線の表面だけに留まらず、中までやられるのが厄介です。



また、被膜してもあまり意味はありません、相手は気体なので、粒子のサイズが違いますので、プラスチックなど荒い分子間は簡単に通ります。






銀の腐食の実験値と計算値の比較がありました。



大した量には思えないのですが、しかし。




摩擦材のブレーキ温度を測る熱電対に、銀を溶かして付けて使っていた話をしました。



作ってから1週間後に起電力を測ると10%低下しており、銅の電導率より悪くなっていたことを話しました。(銅の熱電対は起電力は1週間どころか半年は落ちません)



また以前、自宅にお客様が来られたときの話は初めてだと思いますので、記述しておきますと、



私が、摩擦材の開発をしていたときの先の1週間で10%低下し、使いものにならなかった話をしますと、



いや、一週間どころか、1日で腐食しますと。



何故詳しいかと尋ねましたら、宝石商をやっているオーディオマニアだからだと?



銀は腐食が早くて、ケーブルには使い物にならないでしょうと。



純銀のケーブルを作るまでに既に腐食しているため、被膜してもだめで、



純銀のケーブルの音を聴いた人は世の中にいないのではないか?



という話にまで。



一方で話は変わり、電導率は劣るものの一度、24金の音を聴いてみたいと思い、線に伸ばしてスピーカーケーブルを作ってみたことがあると、



結果は、銅が1番いいことを再認識したとか。



ちなみに、純金のケーブル、材料費だけで300万円以上かかると思いますが、腐食しないからまた溶かせば良いとのことでお作りになられたと聞きました。



さすがです。



実際に純金のスピーカーケーブルを作って聴かれた方の話を聞くことができ、やはり電導率の順なんだとわかり、すっきりしました。



余談の方が凄かった。















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