1万局に1回?本能寺の変前夜に出現の「三コウ」、出雲のプロ棋士が手順を発見

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 三コウまでの手順を見つけたのは、出雲市の桑本晋平七段(49)。囲碁の事典編集にも携わり、古い棋譜の研究を続ける。2015年頃から129手目以降について研究を始め、19年、就寝中に突然、盤面が動き出したという。

 「利玄の無念が乗り移った」

 その後も次々に手が浮かび、159手目でついに三コウが出現。複数の棋士からも「合理的で説得力がある」とお墨付きを得たこともあり、20年5月に日本棋院が発行する囲碁の専門紙で手順が紹介された。

 桑本七段は「実際にこの手順だったのかどうかは分からない」としながらも、それまで想像の域を出なかった逸話の根拠の一つを示せたことに「真実であれば夢が膨らむ」と話す。

 「『火のない所に煙は立たぬ』という気持ちで研究を続けた。三コウという神秘的な体験ができたことに、2人が喜んだのでは」

 古碁に詳しい福井正明九段は「棋譜自体の真偽が不明で、逸話は後付けされたという可能性は変わらない」と前置きした上で、「桑本七段の論理的な考え方と努力には敬意を表したい」とコメントしている。

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