米国「国境の壁」建設再開 バイデン大統領、公約を撤回
米国が再び「国境の壁」建設に動き出した。バイデン大統領は政権発足当初の公約を撤回し、メキシコとの国境に最長20マイル(約32キロメートル)の新たな侵入防止柵を設けると発表した。トランプ前政権と打って変わって寛容な移民政策を掲げたバイデン政権だが、想定を超えて不法越境が広がっているためだ。影響はメキシコとの外交関係や再選を狙う2024年の大統領選挙に跳ね返りかねない。
メキシコ「問題解決ならない」
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(更新)- 上野泰也みずほ証券 チーフマーケットエコノミストひとこと解説
この件を伝えたウォールストリートジャーナルの記事の題名は「Biden Administration to Resume Border Wall Construction in Policy Reversal(バイデン政権は政策を転換、国境の壁建設を再開へ)」。就任初日に実行した公約を、次の大統領選まで13か月ほどしかないタイミングで事実上撤回した意味合いは重い。リベラル寄りの民主党支持者の失望を招く恐れが大きい。しかも、壁建設再開を急ぐため「周辺地に対して大気や水、絶滅危惧種などを守る26の連邦法の適用を免除する」とは・・・。「地球を守ること」への貢献よりも、国境の壁建設を優先する形である。
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(更新) - 菅野幹雄日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員ひとこと解説
バイデン政権の象徴的な公約の撤回といえるでしょう。メキシコからの不法移民問題に手こずっているのは事実。政権発足から間もない時期にバイデン大統領からこの問題への対処を任されたハリス副大統領は全くの無力を露呈し、いまに続く不人気の始まりとなりました。 このまま大統領選に突入して共和党に格好の攻撃材料を提供するより、現時点での軌道修正でずるずると争点化するのを避けようとする「守りの決定」といえます。 とはいえ、民主党支持者から見るとトランプ前大統領の看板政策にこの時点で政権が歩み寄ったのは非常に大きなマイナス材料。進むも退くもイバラの道、というバイデン政権の状況を象徴しています。(再掲)
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