韓国の培養肉企業Simple Planetは今年後半に北米に支店を設立し、商品化および世界市場進出に向けて準備していることを発表した。
機能性成分としての培養タンパク質粉末

出典:Simple Planet
人口増加による高まる食肉需要・畜産による環境負荷への対策として、動物の細胞を体外で育てて肉にする培養肉など、代替タンパク質が注目されている。
培養肉企業の多くは、ミンチ肉からステーキ肉など従来肉に代わる製品の開発に注力しているが、Simple Planetは形状のある肉を開発する代わりに、細胞培養によるタンパク質・不飽和脂肪酸を粉末やペースト状で製造している。
動物組織から細胞を単離して、大量に培養するプロセスは他社と同じだが、広い用途で使用できる機能性食品成分に着目している点は業界でも珍しい。Simple Planetによると、同社製品は従来の食品の吸収を高め、風味、栄養を改善でき、高齢者から幼児を対象とした特殊な機能性成分としても使用できるという。
ここから先は有料会員限定となります。
読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。
すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。
関連記事
2023/04/11
韓国の培養肉スタートアップ企業TissenBioFarmは先月、韓国初の細胞農業ハブとなる慶尚北道細胞農業産業支援センターの開所式で、10キログラムの培養肉プロトタイプを発表した。
3月末に開催された開所式...
2022/08/04
韓国の食品医薬品安全処が、国家計画に初めて代替タンパク質に関するガイドラインを盛り込むことが明らかになった。
現在、韓国では様々な原料に由来する代替タンパク質製品の認可に関する法整備は整っていない。新たなガ...
2022/05/30
魚介類の培養肉スタートアップCellMEATは今回、シリーズAの投資ラウンドを終えて810万ドル(約10億3000万円)の資金を調達した。
Nau lB Capital、BHK Venture Capita...
2022/05/25
韓国の培養肉スタートアップ企業であるSpace Fは、パートナー企業の4社とともに、1500万ドル(約19億円)の助成金を獲得した。韓国産業通商資源部が支援する研究開発の取組みである「Alychymist Pro...
2021/08/17
培養肉を開発する韓国企業Seawithが、新たな目標を発表した。
同社はこれまで2022年終わりまでにレストランで培養肉を販売する計画を発表していたが、このほど、2030年までに培養ステーキ肉の生産コストを...
アイキャッチ画像の出典:Simple Planet