旧統一教会、オウム真理教との違いは 予算委で岸田首相が言及
岸田文雄首相は24日の衆院予算委員会で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡り、指揮監督する立場の人物や法人の責任を問う「使用者責任」が認められた民事裁判の判決について「20件把握していると承知している」と語った。
立憲民主党の長妻昭衆院議員の質問に答えた。岸田首相はこの20件と、教団自身による組織的な行為を判断された「不法行為」の2件と合わせ、民事上の責任が認められた判決が計22件あるという認識を示した。
教団は霊感商法が刑事事件化した2009年に「コンプライアンス宣言」をし、責任を持って会員を指導してきたとしている。文部科学省や問題に取り組む全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、それ以降も献金の勧誘などで不法行為や使用者責任があったと認定する判決が少なくとも計3件出されているという。
宗教法人法は「法令に違反し、著しく公共の福祉を害する行為をした」場合などが解散命令の事由にあたると定めている。首相は19日の参院予算委で、宗教法人の解散命令を裁判所に請求する要件に「民法の不法行為も入りうる」と述べたうえで「使用者責任」もこれに含まれるとの考えを示していた。
一方で、首相は24日の答弁で、過去に裁判所から解散命令が出された宗教団体として、代表らが殺人罪で起訴されたオウム真理教や、代表役員らに詐欺罪で有罪判決が出た明覚寺の例を挙げ、旧統一教会の民事裁判は「解散事由に該当すると明確には認められない」と発言。「報告徴収・質問権の行使によって、より事実を積み上げる必要がある」と述べた。報告徴収・質問権の行使について「年内開始したい」と語ったが、具体的な時期は明言しなかった。
また、首相は「被害者、弁護士の方々をはじめとする関係団体の話を聞くことは重要。私も直接、お話を聞かせていただきたい」として、被害者らに面会する意向も示した。
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