「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」をめぐり自民党が公表した党所属国会議員への点検結果は、政権与党内の教団との関係の広がりを改めて示した。党総裁の岸田文雄首相は、これをもって問題に区切りをつけ、信頼回復につなげたい考えだ。ただ、当の自民議員から自己点検の「限界」を認める声が漏れる。
「軽いものまで発表する必要があるのか」
「決して少ないとは思っていない。重く受け止め、率直に反省しています」
8日夕、茂木敏充幹事長は党本部での記者会見で、教団側と接点がある議員数と件数をゆっくりと読み上げ、神妙な面持ちで、反省を口にした。点検対象とした379議員のうち179人と、実に半分近い議員に教団との接点があった。
「かなり詳細な項目について事実確認をした。今後は一切関係を持たないという党の方針を順守することが大事だ」とこれで一区切りとする姿勢を見せたが、そうなるかは見通せない。
1週間前、若手議員の一人は党幹部から電話を受けた。「党への報告内容とマスコミの報道と違う部分があるけど大丈夫?」という問い合わせに、「党への報告と、マスコミの報道内容の整合性を気にしている」と感じたと明かす。
今回の公表に向けて報告内容の確認作業に携わった党関係者は、朝日新聞などが先に実施した議員アンケートの結果との関係で疑念を持たれないようにすることが重視されたと話す。報道機関への回答と齟齬(そご)がある報告も散見され「(接点が)軽いものまで発表する必要があるのか、と議論になった」という。結局、他党は該当する議員名を公表している「会合への祝電送付」「インタビュー掲載」は、全体の議員数と件数だけが公表された。
この日、茂木氏は「かなり詳細に事実確認した。党の調査と言ってもいい」とアピールしたものの、ここに至るまで自民党の実態解明への動きは鈍かった。党所属国会議員に、教団側との接点を点検し報告を求める通知を出しながら、「党としての調査ではない。点検結果の集約だ」(茂木氏)と、党の責任をあいまいにして報告内容の責任は議員個人に負わせるような姿勢が目立った。
そうして議員に「自己申告」…
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- 【視点】
「軽いものまで公表する必要があるのか」自民党、それは認識が甘すぎでは?国民を信者に取り込むために、祝電やインタビューも容赦なく利用するのが旧統一教会の手口ということは、さすがにもうご存知なのではと。 「軽いものまで公表しないと国民が納
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