Sky 星を紡ぐ子どもたち:陽光の日々2023、突然の仕様変更とコミュニティの分断
イントロダクション
この記事では、ゲーム「Sky 星を紡ぐ子どもたち」で現在開催中のイベント「陽光の日々」に焦点を当てます。特に、このイベント中に突然実施されたアイテムの値下げと補填について詳しく解説します。
陽光の日々について
2023年の陽光の日々は9月11日から9月25日まで開催される晩夏のイベントです。以前は常夏の日々と呼ばれていましたが、南半球のユーザーに配慮され(※)、2022年よりイベント名が陽光の日々に変更されました。
※公式Discordより Days of Sunlight
This build includes a rough (ya know, beta) version of an event that is new to Sky: Days of Sunlight. For this event in particular, we wanted to find a way to celebrate the unique experiences within the world of Sky. (I see you, Southern Hemisphere folks)
今年は新規に5つのアイテムが登場し、そのうち3つがIGC(in game currency:ゲーム内通貨)、2つがIAP(in app purchase:ゲーム内課金)です。その他復刻アイテムもありますが、今回の件とは無関係のため説明は省略します。
イベント開催後の突然の仕様変更
イベントは当初の予定通り9月11日に開始されました。IGCとして登場した3つのアイテムは、3種類のケープがイベント専用通貨のチケットでそれぞれ22枚、25枚、31枚で交換できるというものでした。
チケットは毎日最大6枚まで取得可能ですが、この価格設定は、イベントにほぼ毎日参加して最大数のチケットを取得し続けなければいけないという、多忙なユーザーには大変厳しいものでした。その為、星のキャンドル2本でチケット1枚を取得できる仕組みを利用し、プレイの負担を減らすユーザーが一定数いました。
そのような状況の中、9月16日に運営から突如仕様変更の発表がありました。内容は、IGCアイテムの価格を下げ、補填としてチケット25枚を配布するというものでした。理由は「計算誤り」とされ、それ以上の詳細な理由の記載はありませんでした。
仕様変更によるコミュニティへの影響
この突然の仕様変更に対して、既に値下げ前の価格で交換してしまったり、星のキャンドルを消費してしまったユーザーから批判や疑問の声が上がりました。
一部のユーザーによる「自己責任論」
本来使用する必要のなかったゲーム内通貨、特に貴重な星のキャンドルを消費してしまった被害者に対して、一部のユーザーによる批判的なツイートが散見されました。 損したってそれはその選択をした結果だよね??使わないっていう選択もできたよね??でも早く手に入れたいが為に使うほうを他の誰でもない自らが選択した訳であって、それを運営のせいだなんて責任転嫁もいいところだね 今回の専用通貨の件、星キャン補填って言ってる層は運営に無理やり星キャン交換させられるように指握られてタップさせられでもしたんかな。スケジュールカツカツだったとはいえ一応交換できる数ではあったんだし、星キャン使って早く獲得しようと判断してオッケーボタン押したのは自分なのでは。 え?
運営対応してくれたのにまだネチネチ言ってる人いるん??
星キャン交換は任意だし
何か用があって取れないとか何とかは分からんが
結果25枚貰えるならヨシでは?
それ以上の価値はあると思うんだけど
チケット1枚につき星キャン2本
=星キャン48本分
の価値は戻ってくるし…
運営の対応に落ち度はなかったか
現在もコミュニティは分断状態ですが、運営の対応に落ち度はなかったのでしょうか?コミュニケーションと補填の内容について考えてみます。
コミュニケーションについて
9月16日に突如告知があるまで「計算誤り」に関する情報はどこにも出ておらず、変更の可能性があることについても触れられていませんでした。そのため、ユーザーにとって今回の仕様変更は寝耳に水であり困惑を生む結果となっています。
また、補填についても一方的に25枚のチケットが配布されるというもので、喜ぶユーザーがいる一方で批判の声も上がっており、コミュニティの分断が発生しています。担当者が不在のため緊急対応を行ったとのことですが、例えば、変更の予定だけを告知して、補填については後ほど対応するという選択肢はなかったのでしょうか。
これらのことを考慮すると、運営のコミュニケーションには問題があったと言わざるを得ないでしょう。
補填の内容は十分だったか
次に補填についてですが、アイテムの値下げによりチケットの合計必要数は78枚から57枚に減っており、その差は21枚です。また、告知があった9月16日時点でイベント開始から5日が経過しており、チケット数に換算すると5日分で30枚になります。この点だけを見ればチケット25枚という補填内容は概ね妥当と言えるでしょう。
問題は、仕様変更前に既にアイテムを交換してしまったユーザーや、星のキャンドルを消費してチケットを取得したユーザーについてです。
まず前者についてですが、余ったチケットは一定数まで魔法と交換が可能で、チケットはそのイベントが終了すれば消滅する一時的なゲーム内通貨です。このことを踏まえると最終的な損益としては妥当と言えます。しかし、まだアイテム交換をしていなかったユーザーと比較すると手持ちのチケットに差が生まれ、アイテムの入手時期が遅れるため不公平感は残ります。
星のキャンドルを消費したユーザーについては2つの観点があります。1つは、他のユーザーに先んじてアイテムを入手したいがために星のキャンドルを消費して先行でアイテム交換を行った場合。もう1つは、プレイの負担を減らすためにあらかじめ星のキャンドルをチケットに交換した場合です。
どちらのケースにおいても、当初から値下げ後の価格であれば消費する星のキャンドルはもっと少なかったはずです。その差額分について、運営から補填に関する情報は出ていません。これを「自己責任」と片付けてしまうのは運営のミスをユーザーに責任転嫁している行為とも取れます。
星のキャンドルの希少性
星のキャンドルは週に20本前後しか入手できず、課金で購入することもできない大変貴重なゲーム内通貨です。本来消費する必要のなかった貴重なゲーム内通貨を失ってしまったユーザーにとって、運営から適切な補填がなければ不満が残ることは当然のことです。
星の子たちへの優しさを
星のキャンドルについて、中には「少しゲームで時間をかければ無料で入手できるため不満はない」と感じるユーザーもいるでしょう。しかし、全員がそのように感じていれば今回のような問題は発生しなかったはずです。もし、フレンドが悩んでいたら何と声をかけますか?
私たちは同じSkyの世界に生きる星の子どもたちです。他者への思いやりをもって、自分とは異なる背景を持ち、異なる生活スタイル、プレイスタイルの星の子どもたちもいるのだ、ということについて、もう少しだけ思いを巡らせてみることはできないでしょうか。
まとめ
陽光の日々のイベント、その突然の変更と補填は、ただの一過性の出来事ではなく、運営の信頼性とコミュニティの健康に関わる大きな問題を提起しています。運営とプレイヤーが互いの信頼を築くために、オープンで誠実なコミュニケーションが求められています。
2023年9月22日追記
9月16日の時点でSkyの運営スタッフより公式Discordで以下のアナウンスがありましたので、続報が来るのではないかと待機していました。 The Community team will likely follow up with additional messaging in our usual communication spaces soon.
※訳注
コミュニティチームは、いつものコミュニケーションスペースで近々追加のメッセージを発信する可能性が高いです。
しかし、1週間が経過しても続報が来ることはなく、イベント専用通貨の価格に関するお知らせの記事が予告なく削除されていることが判明しました。 記事削除されてるので、親切な私は画像を張り付ける。 https://t.co/HtmY4z6PUb pic.twitter.com/q0KXMpdLa6
9月22日現在、公式からこの件についてのお知らせはありませんが、今後の動きを引き続き注視していきます。
2023年9月23日追記
9月23日早朝(日本時間)、運営より、不具合のお詫びとして最大で21個の専用通貨を42個の星のキャンドルに変換できるオプションを追加したとの告知がありました。このオプションは9月25日15:59まで利用可能とのことです。 更新:不具合のお詫び
一時的な特例として、眠そうな行商人の舟に最大で21個の専用通貨を42個の星の🕯に変換できるオプションを追加いたしました。
この数は陽光の日々開始より想定価格に変更されるまでの間に、使用された可能性のある差額を元にしております。 #thatskygamehttps://t.co/PuKvigHwQD https://t.co/XHChEU2E8I
今回はTwitterや公式サポートサイトに加え、ゲーム内でのお知らせもありました。
補填の妥当性
今回の補填対応は星のキャンドルの変換上限が42本であるため、それを超えて消費したユーザーには不十分であると言えます。問題発覚から星のキャンドルの補填告知まで1週間が経過しており、この間にチケットを魔法交換で消費してしまったり、集めるのをやめてしまったユーザーもいるようです。
ユーザーから見れば個別の対応がなく不満が残りますが、運営側からは多数のユーザーの溜飲を下げ、コミュニティ全体の安定を確保したとも言えます。視点によって評価が分かれるものの、ユーザーにとってみれば結局不公平感のある対応だったことは否めないでしょう。
過去同様の事例において、納得のいく対応がなされたことはありませんでした。今回のような補填措置は前例がなく、この点を考慮すれば、運営にとっても苦肉の策だった可能性があります。今後、同じような問題が発生しないことを願うばかりです。
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