「2人とも正直に語っています。政治家たちは統一教会や関連団体と付き合うことを問題だとはまったく思っていなかったのだから。イベントに祝電を送ったり出席してあいさつをしてやるだけで選挙のときは信者たちが無償で猛烈に働いてくれる。マスコミがそのことを問題視しないのだから、政治家にとっては教団を使わない手はない。
結果的に多くの政治家が教団をコンビニのように便利に使ってきた。ただし、以前は違いました。少なくとも2006年に安倍さんがUPFに祝電を送ったとき、メディアはしっかり報じているのです」
2006年、官房長官だった安倍氏は教団の友好団体、天宙平和連合(UPF)に祝電を送っている。マスコミが報じたことで、安倍氏は、「誤解を招きかねない対応であるので担当者にはよく注意した」と、釈明に追われる事態となった。
ところが状況は変わる。
15年余りが経過した昨年9月、安倍氏は再びUPFのイベントにビデオメッセージで登場。韓鶴子(ハンハクチャ)総裁に「敬意を表します」とまで言い切った。
反応しなくなったマスコミ
「山上徹也容疑者が教団と安倍さんの『近さ』を感じ、殺意を抱くきっかけになったとされる映像なのですが、もうこの頃には大手のテレビ局や新聞社がまったく反応しなくなっていました。報じたのは『週刊ポスト』と『FRIDAY』、私が寄稿した『実話BUNKA超タブー』、日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」のみ。
マスコミが継続的に報道していれば、安倍さんがUPFにビデオメッセージを送るようなことも、山上容疑者が安倍さんに殺意を抱くこともなかったかもしれない。そうした観点で事件の原因を考えると、メディアの責任は決して軽くないと思うのです」
メディア側には宗教問題を忌避する事情もあった。
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