2022-10-27 18:53

旧統一教会、憲法審に飛び火=立共、改憲論議で自民けん制

 衆院憲法審査会は27日、今国会初の自由討議を行った。立憲民主党は、憲法と「政治と宗教」の関係を整理する上で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る議論は避けて通れないと主張。共産党も加わり、教団との関係に批判が強まる自民党をけん制した。旧統一教会問題が憲法審にも飛び火した形だ。
 「旧統一教会問題は、政治と宗教の関係をどのように整理するかという根本問題に至る。憲法の下で議論することは時宜を得たものだ」。立民の中川正春元文部科学相は意見表明で、教団問題を憲法審で正面から取り上げるべきだと述べた。
 同党の階猛氏は、教団と自民党の関係を暗に示し、「外国に本拠を有する勢力がわが国の政治家と政策協定を結び、政策実現を図ろうとすることは国民主権に反しないか」と非難。全議員を対象に政策協定の有無を調査すべきだと主張した。
 立民は、昨年の衆院選、今夏の参院選を連勝した自民党が改憲に乗り出してくることを警戒していた。しかし、改憲を主張する教団と自民党の主張が重なり合うことに着目。自民党の動きにくぎを刺すのに教団問題は格好の材料とみる。
 共産党の赤嶺政賢氏も追随し、「今問われなければならないのは旧統一教会と政治の癒着だ。韓国に拠点を置く反国民的な謀略団体と一緒に改憲を進めることは到底許されない」と訴えた。
 攻勢にさらされた自民党は討議で旧統一教会問題に一切触れず、公明党も同調。自民党は従来の主張である緊急事態条項の整備などを取り上げ、公明党は自衛隊を憲法で位置付ける必要性に言及するなどにとどまった。
 「改憲勢力」に位置付けられる日本維新の会、国民民主党も旧統一教会には触れず、立民、共産両党とは一線を画した。
 次回の審査会は11月10日開催となる見通し。ただ、議論するテーマについては、自民党が「緊急事態条項」、立民が「宗教と政治、国葬」を主張し、意見が割れており、与野党の駆け引きが激しくなりそうだ。 
[時事通信社]

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