議長と教団、幕引き急ぐ与党=立・共「不十分」と追及継続
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が指摘される細田博之衆院議長が24日、与野党の代表者との質疑に応じた。これをもって問題の幕引きを急ぐ与党に対し、立憲民主、共産両党は「不十分だ」と批判。通常国会の審議を通じ、引き続き追及する構えだ。
「派閥の長として票を差配した事実はあるか」。議長公邸での懇談会形式の質疑で、立民の笠浩史氏はこう迫ったが、細田氏は「思い当たる事実はない」と真っ向から否定した。
細田氏は、教団との関係が深いとされる自民党最大派閥の清和政策研究会(現安倍派)の元会長。野党側は、国政選挙で教団票を派閥議員に割り振ったと、疑念を強めている。23日召集の通常国会の審議への影響もちらつかせ、細田氏の説明を要求。与党側の譲歩を引き出した。
約1時間に及ぶ質疑で、細田氏は自身に向けられた疑惑に対し、否定や釈明を繰り返した。ただ、安倍晋三元首相と教団の関係に話が及ぶと、「安倍氏は大昔から関係が深い。こちら(自分)は最近だ」と主張。責任は安倍氏にあると言わんばかりの姿勢も示した。
これに、古巣の安倍派重鎮は「面白くない。そこまで言う必要はない」などと反発。細田氏にとって、新たな火種となる可能性もある。
与党は、今回の質疑で「一区切り」(自民党幹部)としたい考えだ。同党の高木毅国対委員長は会見で「非常に丁寧に対応してもらった。評価したい」と強調。公明党幹部も「細田氏は説明責任を果たした」と足並みをそろえた。
これに対し、立民の岡田克也幹事長は会見で「説明責任が果たされたと考えていない」と主張。共産党の塩川鉄也氏は「オープンな場での説明が必要だ」と述べ、非公開での質疑を問題視した。両党は引き続き、細田氏が一貫して拒む会見などでの説明を求め、与党を揺さぶる考えだ。
一方、日本維新の会の中司宏氏は「一つの区切りとしたい」と述べ、細田氏の説明を受け入れる考えを表明。今後の野党連携に不安も残した。
[時事通信社]
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