渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

道具を着こなす ~革ジャン~

2023年10月04日 | open

9才、小3横浜。

小学生の時から革ジャン愛用者
だった。
1960年代の小学校の頃は現代の
ような人造レザーは存在せず、
革製品といえばすべて本革
だった。
一部靴ではクラリーノが人造
皮革製品を出していたが、一
般的に人造レザーが普及するの
はずっと後だった。
私は小学生時代は革ジャンは
防寒の為というより、防護の
ために着ていた。冬のスケート
の時に必着だった。自分のスケ
ート靴はホッケーだった。

13才、中2春先(右)吉見百穴。

黒のMA-1タイプも持っていた
が、これはブラウンのスェード。

16才、高1荒川土手。

高校の時は革ジャンは数着を
着まわしていた。一番多かっ
たのが母方の叔父からもらった
1950年代のダブルだった。
叔父が二輪乗りの頃に着ていた
アメリカ製の革ジャン。
後年、かみさんがバイクに乗る

時に着ていた。ダボダボで(笑

17才、高2湘南稲村ケ崎。


高2、大垂水峠。中央私。

MA-1タイプを着ている。
打合せしてないのに同級生の
8人全員が偶然同じタイプの
革ジャン(笑)
この時に来ていない乗り仲間
のメンバーが数名いるが、そ
いつらも普段同じ革ジャンを
着ていた。

1981年、大学3年冬の群馬碓氷峠。

1982年、大4真夏の福山グリーンライン。 

今。一番着るのはA-2タイプだが、
このAVIREXのダブルライダース
も多用している。ホースハイド。
とてもしなやかで着心地が良い。
そして、AVIREXの特徴はパターン
が非常に良く、重たい革も着たら
全く重量を感じさせない。
 
道具を着こなす。
そうした意味合いで革ジャンを
長年着ていたように思う。
これからも革は着る。
仕事着のスーツの上からも革の
コート着てるし(笑

かなり気に入っているカドヤの
ニューコンセプターの初期モデル。
 

左胸の革ラベルに付いている
輪っかが秀逸で、バイクを下
りたらナスカン付キーをすぐ
そこにかけてぶら下げる。
キーを出す時にもたついたり
キーが無くなる事もない。

カドヤのNCの初期型はフロント
のジッパーがむき出しでオート
バイのタンクがガリガリに疵付
くので、自分で本革のフラップ
を縫い付けてある。
今、これは浅草のカドヤさんに
フルリペアに出している。
袖と背中下のゴム部分がボロボロ
になったので。
カドヤさんは自主改造の前フラッ
プもカドヤオリジナルカドヤ仕様
で新しく付け直しする事を提案し
てくれた。
それとフルクリーニングリペアも
ご提案いただいた。
結果、フルリペアとなった。
納期5か月(笑
まあ、そんなもんだろう。
日本刀と同じく手作りだから。

ニューコンセプターの初期型(右)
とセカンドタイプ(左)。

相方の乗り屋はカドヤを愛用
している。カドヤ革ジャンを
滅茶苦茶数持ってる(笑

カドヤとクシタニは日本のレザー
ウエアの二大老舗だが、クシタニ
はレースウエア特化、カドヤは
アーバンライフにも広いライン
ナップを広げている印象がある。
そしてカドヤの製品はデザイン
も垢ぬけている。江戸の粋を感
じる。
クシタニは昔オーダーのレーシン
グツナギとブーツを愛用していた。
最高の出来だった。今、太って
着れない(笑
今も黒の革パンツは愛用している。
クシタニさんの革物は非常に良い。
だが、大昔はカドヤのレーシング
ウエアを日本人の多くはレースで
は着ていたようだ。黒一色の。

カドヤのニューコンセプターは
Vシネマ『クライムハンター』
(1989)で世良公則さんが着て
いた。
それの原型であるカドヤオリジ
ナル。惜しい点は前ジッパーが
むき出しの仕様のみ。(黒線部)





前傾姿勢マシンに乗る時には
後ろの吊り具を外すと背中が
伸びるという設計。
ニューコンセプトだと思う。

NCのバックロゴは、ニューコン
セプターという品名を表してい
る。
LWとは、レザーワーク。
P-RJの意味は、パワード・リムド・
ジャック。
これはカドヤ浅草本店さんに直
に聞いた。

1989年のVシネマ『クライムハン
ター』の中で、はみだし刑事ジョー
を演じた世良公則さんが愛用して
いたのがニューコンセプターの別
ロゴバージョンだった。


ジョーモデルはこちら。



映画の中で世良さんが着用して
いた革ジャンはカドヤ製で間違
いないとカドヤ本店の方はおっ
しゃっていた。提携提供とかで
はないみたい。スタッフかキャ
スト側のチョイスだろう。

この輪っかはとても使える。
あるとないとでは大違い。
通常ダブルライダースは左下
にキー入れのDポッケが付いて
いるが、NCは剥き出しぶら下
げ方式。


カドヤによると、なぜ、LWの
文字を入れたかというと、元々
とニューコンセプターのデザイ
ンモデルは、ナイロンジャケッ
トから始まったので、それと区
別をつけるために、あえて本革
仕様であることをロゴで表記し
たのだそうだ。
数年前に浅草本店の方が教えて
くれた。

ナイロン製のニューコンセプター
もなかなかかっこいい。
特にこのジャケットの色合いは
個人的には好みだ。


ブルーでも水色でも藤色でもない。
独特の発色をしている生地を仕様
している。
どうも1989年の『クライムハン
ター』以降、ニューコンセプター
というと革ジャンのイメージが
定着しているが、最初は化学繊維
のジャケットだった。

それにしても、革ジャンは良い。
革独特の音ってあって、きしむ
ときにギュッという独特の音が
する。
その革の音は1982年の角川映画
『汚れた英雄』のオープニング
シーンで出て来る。主人公北野
昌夫(草刈正雄)がレーシング
トランスポーターのトラックの
中でプロショップ高井のツナギ
のジッパーを上げる時にその音
がする。

都会人は実は革音には誰でも馴
染みがある。
それは電車。「吊革」という位
で、かつては全ての鉄道会社線
の車両の吊革は本革仕様だった。
あれに手をかけていると、電車
が揺れるたびにギュッギュッと
いう革の音がする。
通勤通学で電車を利用する都市
部の人は全員が聞いていた筈の
音。
あれが革の独特な音だ。

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