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サムスン、従業員の生成AI利用を禁止-ChatGPT経由でデータ漏れる

  • 利用禁止対象は会社所有のデバイスやネットワーク
  • ウォール街の一部銀行もChatGPTの利用を禁止や制限

韓国のサムスン電子は「ChatGPT(チャットGPT)」といった人気の生成人工知能(AI)ツールを利用しないよう従業員に指示した。

  一般的には職場で対話型AIの活用が広がりつつあるが、同社のスタッフがChatGPTにセンシティブなデータをアップロードしたことが発覚し、生成AIツールの利用を原則禁止する新たなポリシーを策定した。

  この方針はサムスン電子が同社最大級の部門のスタッフに文書で1日伝えたもので、この社内文書をブルームバーグ・ニュースが確認した。それによると、同社エンジニアが4月に社内ソースコードをChatGPTにアップロードし、誤ってリークさせた。どのような情報を含んでいたかは不明。サムスンの担当者はコメントを控えた。

  文書によると、こうしたAIプラットフォームに送信されたデータは外部サーバーに保存されるため、回収・削除が難しく、他のユーザーに開示されてしまう恐れがあると同社は懸念している。

  米スタートアップのオープンAIがChatGPTを投入すると大きな関心を呼ぶとともに、懸念も広がった。今年2月にはJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ、シティグループを含むウォール街の銀行数行がChatGPTを禁止もしくは制限した。

  サムスンの新たなポリシーは、社所有のコンピューターやタブレット、携帯電話、社内ネットワークでの生成AIシステムの使用を禁止するもので、基本ソフト(OS)「アンドロイド」搭載のスマートフォンや「ウィンドウズ」ノートパソコンなど消費者向けに販売されている同社のデバイスは対象外。

  個人所有の端末でChatGPTなどを利用する従業員に対しては、サムスンの知的財産と分かる可能性のある会社関連の情報や個人データを入力しないよう求めた。従わない場合は解雇もあり得ると警告した。

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原題:Samsung Bans Staff’s AI Use After Spotting ChatGPT Data Leak (1)

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