浙江省湖州市内の劇場で9月28日夜、観客の男1人が上演中のウルトラマンショーのステージに駆け上がって、ウルトラマンを「こづく」などして妨害した。上演側スタッフ多数が男を制止すると、男は「なぜ日本のものを舞台に出すのか」などと叫んだ。香港メディアの香港01は同件について「愛国心で脳が破壊か?」などと酷評した。

「ウルトラ伝説の希望の光」と名づけられたショーが始まったのは午後7時で、約75分間の上演予定だった。ウルトラマントリガー、ウルトラマンティガなどウルトラマン4人が舞台に横に整列したところで、一人の男が客席から見て左側から舞台に登り、ウルトラマンに左後ろ側から接近して肩をこづいたりした。

ウルトラマン本人は抵抗しなかったが、多くのスタッフが男に駆け寄って制止しようとした。男は「なぜ日本のものを舞台に出すのか」などと叫んだ。男はスタッフの体を強く押すなどした。

同件は観客が撮影したとみられる動画がネットに投稿されて、注目を集めるようになった。動画はその後の処理の様子は紹介していないが、現地当局は問題が発生したことを認め、「劇場側はその場で通報し、警察は事件の処理に介入した」と説明した。警察側も処理に乗り出したことは認めた。ただし「処理中であり、具体的な状況は明らかにできない」と説明した。

中国では10月1日の国慶節（建国記念日）に伴う連休が9月29日に始まった。ウルトラマンはその前夜に上演された。男は妻と子とともに、入場券を購入して一般観客として入場した。妻は「酒に酔っていた」と説明したという。

香港メディアの香港01は「愛国心で脳が破壊か？」などと酷評した。香港01はさらに、「日本が福島で核汚染水を海洋排出したことで、中国大陸部の民衆の間では、反日感情が依然として高い状態だ」と解説した。（翻訳・編集/如月隼人）