都心では見たことない「意外な光景」が…埼玉県川口市や蕨市に移り住んできた「ワラビスタン」たちの「リアル」
日本人の店に行けない理由
別の5人のグループは、駅近くの銀行脇に集まって話していた。
タバコを吸っているのは2人で、他の3人は野菜ジュースや炭酸ジュースを手にしてスマホを操っている。
「クルド人ですか? 話を聞きたい」
日本語に続いて英語で話しかけた。彼らのうち年長者が手を振りながら拒否の姿勢を示す。それを無視して「どうして、ここに集まるのか」と重ねて聞いてみた。
年長者は日本語を話すことができないが、若いクルド人が通訳をする形で短時間だけ応じてくれた。
「ここは誰の場所でもないです。私は仕事が終わって友だちと話をしているだけ。お酒飲まないから日本人の店には行けない。駅で友だちと待ち合わせして、話をしているだけです。仕事のこと、家族のことなど話します。
日本人は邪魔と言います。でも悪いことしてない。ごめんなさい」
礼儀をわきまえた立派な対応である。確かに集まって話すのは犯罪ではない。
そんな彼らに目くじらを立てて非難する日本人の理由は、どこにあるのか。