日本ハムの高卒5年目・田宮裕涼(ゆあ)捕手(23)が崖っぷちからわずか1週間で、来季の正捕手候補に躍り出た。今季は1軍に一度も上がれないまま秋口を迎えたが、22日に初昇格すると25日楽天戦(エスコンフィールド)でプロ初本塁打。強肩でもアピールし、新庄監督は「彼はセンスがある」と絶賛。指揮官の評価がうなぎ上りだ。
本拠地最終戦となった28日のロッテ戦で、田宮は同点の2回に勝ち越し打を放つなどマルチ安打を記録した。試合後、新庄監督は「打撃練習中にポイントを前にして、ヘッドの重さを感じながら打つようアドバイスしたら、その通りに打った。楽しみですよね」。イメージをすぐに体現できる「センス」に驚いた。
守備の評価も高い。24日の楽天戦(楽天モバイル)では盗塁を3度も阻止。「ゆあビーム」とも呼ばれ始めた強肩に、新庄監督も「二塁への送球が、低い軌道のまま落ちない。見たことがないような球を投げる」と驚嘆。チーム全体の盗塁阻止率が低いだけに、強肩ぶりが際立つ。
今季は主に伏見とマルティネスが先発マスクをかぶってきたが、2人を脅かすような活躍ぶり。千葉・成田高時代は甲子園と縁がなかった田宮は「(同期入団で)同じ高卒の万中(万波)とジェイ(野村)にいつか追いつきたいと思ってやってきた」。逸材ひしめく世代でまた一人、有望株が台頭してきた。