遺書

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大切な者を残し、死を選ぶ私をどうか許してください

死ぬ気で頑張れば…そう言う人もいますが、死ぬことよりも耐え難い苦しみがこの世にはあるのです


私にはこの通り、残す財産もありません

もしなにかあるとしたら、それはすべて両親の老後の生活にあててください

迷惑ばかりかけてきた私にできる、最初で最後の親孝行です


最後のわがままを言わせてください。

私の灰は父方の祖父と、母方の祖母、ふたつに分けて眠らせてください。

私の大好きな服と、愛する人の写真と一緒に逝かせてはくれませんか

写真はキャリーバッグの内ポケットに入っています。



俊希へ。
行き場のないあなたへの思いを、この遺言に託してもいいですか

この世界の何よりも愛しい人。

たくさんの希望と深い絶望を私にくれた

あなたと過ごした日々は宝石のようで、今でも脳裏に焼き付いています

俊希は覚えてる?
ふたりで見た夏の夜空、海、夜景

あなたと見た景色、過ごした時間は永遠に私の宝物。

でもあなたのいない、檻のような街で生きていくのは疲れました。

愛に見放され、夢に見放され、最後には自ら命を捨てる、滑稽な私をどうか笑ってください

でもあなたの心の中ではずっと生きていたいな。

この世で泣いた分たくさん笑いたい

本当は年老いた時、あなたの隣で死にたかった。

もう会わないと言ったあなた。最後に私に会いにきてはくれませんか

もし、生まれ変わりとかそんなことがあるなら、次はあなたの隣で、寄り添って生きていたい

さようなら。
全てが無になろうとも、私はずっとあなたの幸せを祈っています

愛しています。


おやすみなさい。

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