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【2023年最新】岸田政権が計画する13のステルス増税!ターゲットはサラリーマンと高齢者?

ステルス増税, ターゲット, 岸田政権

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最近「ステルス増税」という言葉をテレビのニュースやインターネットのメディアで見かけることが多くなってきました。ステルス増税とは、ざっくりいうと「いつの間にか国民の負担が増えている政策」のこと。話題になるほど国民の負担は直接的な増税以外の原因で増えており、ステルス増税を駆使して財源を確保しようという政府の思惑が透けて見えます

今回は2023年8月1日時点で判明している情報をもとに、政府が計画している13個ものステルス増税を年度別にまとめました。どれだけ負担が増える可能性があるのか、ぜひ今からしっかり確認しておきましょう。

ステルス増税は「いつの間にか負担が増えている政策」のこと

ステルス増税とは「増税とは言っていないけど、実質的に負担が増えている政策」がいつの間にか行われていることを指します。たとえば最近騒がれている「異次元の少子化対策」関連でも「財源は社会保険料の加算でまかなう」と岸田首相が発言していました。これも「増税」とダイレクトに表現していないものの国民負担が増えるので、一種のステルス増税だといえるでしょう。

この記事を執筆している2023年8月以降にも、なんと少なくとも13のステルス増税が計画されています。主なターゲットは「サラリーマン」と「高齢者」。未確定の計画も多いものの「これだけ負担が増える可能性があるのか」という点を認識いただければ幸いです。

【年度別】計画されている13個のステルス増税

先述したように、政府はこれから少なくとも13ものステルス増税を計画しています。年度別に見ていきましょう。

2023年のステルス増税「インボイス制度」:個人事業主中心に負担増

2023年の大きな「ステルス増税」予定は、10月から始まる「インボイス制度」のスタートです。すでにニュース等で騒がれておりご存じの方も多いかと思いますが、インボイス制度が始まると個人事業主を中心に負担が増加します。

インボイス制度は企業や個人事業主の取引の際に、どの取引に対していくら消費税を支払ったか・もらったかを特定できる「適格請求書」の発行を義務付けます。「軽減税率」により8%と10%の消費税が混在しているため、どちらで取引したか明確化し、不当な利益を出させないようにするのが目的です。

参考国税庁「インボイス制度の概要」

しかしインボイス制度が始まると、今まで消費税をそのまま収入にできていた「年間売上が1,000万円以下の免税事業者」も適格請求書を発行しなければいけません。つまり、今後(※)は消費税を収入にできなくなってしまいます
※インボイス制度には「緩和措置」があるため、消費税を満額収めるのは2030年から)

これだけ聞くと「そもそも消費税を収入にしているのがおかしいのでは」と思う方もいるかもしれませんが、報酬金額が消費税額の上乗せを前提に設定されているケースも少なくありません。そのため免税事業者にあたる個人事業主は、インボイス制度の影響で増税となり実質的に収入が減ってしまうといえるでしょう。

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2024年のステルス増税一覧

2024年には下記5つのステルス増税が計画されています。

  • 復興特別所得税
  • 高齢者の介護保険
  • 国民年金
  • 森林環境税
  • 生前贈与

それぞれ見ていきましょう。

復興特別所得税:徴収期間が14 ~ 20年延長に!

震災復興を目的としていた「復興特別所得税」の徴収期間延長が、2024年までの制定を目標に計画されています。復興特別所得税は2037年までの徴収予定でしたが、増額する防衛費をまかなうために14年 ~ 20年引き伸ばす形です。

財務省の「令和5年度税制改正の大綱」によれば「復興特別所得税の税率を1%引き下げる代わりに、課税期間を延長する」とのこと。しかし、同時に「所得税額に対し当分の間、税率1%の新たな付加税を課す」とも記載されています。つまり「2037年まで税収はトントンで、それ以降は増税」といっているのと変わりはありません。

高齢者の介護保険:ある程度の所得がある高齢者の負担増!

2024年の制度改正を目標に「高齢者の介護保険自己負担率増加」が計画されています。少子高齢化の日本で介護保険制度を維持するために、所得のある高齢者に対するある程度の負担増はやむを得ないだろうというのが政府の考えです。

現在の介護サービスを受けた際の自己負担割合は原則1割で、所得に応じて2割または3割負担する仕組みとなっています。低所得者は変わらず1割もしくは減額という形で検討を進めていますが、ある程度の所得がある高齢者の負担増は避けられないでしょう。

参考厚生労働省社会保障審議会介護保険部会(第107回)「給付と負担について」

国民年金:納付期間が5年延長に!

国民年金保険料の納付期間を5年延長する案について、2024年または2025年に結論を出す方向で進められています。現状の国民年金保険料の納付期間は最長40年となっていますが、この案が通れば45年に延び、金額にして約100万円の負担増となります。

参考産経ニュース

将来の年金支給額の維持が主な目的となっているため、特に現役世代にとっては悪いことばかりではないかもしれません。しかし少子高齢化が進む現代「そもそも将来的に年金制度を維持できるのか」という根本的な問題があり、現役世代が高齢者となるころにはさらなる負担増や期間延長もあり得るでしょう。

森林環境税:2024年から1世帯あたり年間1,000円課税!

2024年から、1世帯あたり年間1,000円を住民税とあわせて徴収する「森林環境税」がこっそりとスタートします。森林環境税創設の目的は「温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止のための森林整備の財源確保」です。

参考総務省「森林環境税および森林環境贈与税について」

しかし同じ目的で2019年からスタートした「森林環境贈与税」で徴収した税金は、肝心の「森林整備」になんと47%しか活用されていません。大きく話題にはなっていませんが、気づいた人からは「使わない税金をまた集めるのか」と怒りの声も上がっています。

フル活用している自治体もあるため、一概に「不要な税金だ」とはいえないかもしれません。とはいえこれから徴収される年間620億円もの森林環境税が何に使われているか、国民は注視しておく必要があるのではないでしょうか。

生前贈与:相続税の対象期間が広がり実質増税!

これまでの生前贈与は亡くなる3年までが相続税の対象でしたが、2023年の税制改正により2024年1月1日から7年に引き延ばされます。対象期間が広がったため、実質的に増税と同じ効力を持つといえるでしょう。

参考財務省「令和5年度税制改正の大綱」

贈与税は年間110万円まで非課税とされていますが、今回の改正で万が一贈与者が数年以内に亡くなってしまった場合に相続税が発生するリスクが出てしまいました。他の贈与税特例制度を使ったり、相続人でない孫に贈与をしたりといった対策が必要になるかもしれません。

2025年のステルス増税一覧

2025年に計画されているステルス増税は下記の2つです。

  • 後期高齢者医療保険
  • 結婚子育て資金

それぞれ詳しく見ていきましょう。

後期高齢者医療保険:75歳以上の負担が最大14万円増!

2023年5月12日に「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」が可決され、2025年度にかけて段階的に適用となります。年金収入が153万円を超える75歳以上の後期高齢者の医療保険料の上限が引き上げられ、最大で14万円まで納付額が増える予定です。

この法案による直接的な現役世代の負担増はありません。しかし「少子高齢化の影響で間違いなく将来的な医療費負担が増える」ことが分かるネガティブなニュースといえるでしょう。

結婚子育て資金:贈与の特例が2025年に廃止?

「結婚子育て資金の一括贈与の特例」が2025年3月31日で廃止される可能性が高いです。この特例は20歳 ~ 49歳の子・孫のために結婚・出産・育児にかかる資金を一括で贈与した場合に、1,000万円まで贈与税が非課税になるというもの。2025年以降は贈与税がかかってしまうため、贈与を検討していた人にとっては増税といえます。

参考国税庁「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」

とはいえこの特例は平成31年時点で累計6,700件ほどしか利用されていないため、恩恵を受けていた人・これから受ける人は非常に少ないかもしれません。

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2026年以降・時期未定のステルス増税一覧

2026年以降、または時期がまだ決まっていないステルス増税は下記の5つです。

  • 退職金控除
  • 給与所得控除
  • 「異次元の少子化対策」の財源確保
  • 配偶者控除・扶養控除
  • 生命保険控除

それぞれ見ていきましょう。

退職金控除:実質的なサラリーマン増税の可能性大!

2023年6月30日に政府税制調査会が岸田首相に提出した答申に「退職金控除を見直す」ことを示唆する記述がありました。現在の退職金控除はおよそ「勤続年数 ✕ 40万円」ほど控除される仕組み(※)となっていますが、これが雇用の流動性を妨げる最大の原因だと政府は指摘しています。

参考※国税庁「退職金と税」

具体的な数値・割合についての言及はまだありませんが、今後ほぼ間違いなく退職金控除に何らかのテコ入れがされ、実質的にサラリーマンの負担が増える結果となるでしょう。

給与所得控除:30% → 3%まで下がる可能性

退職金控除と同じく、政府税制調査会の答申に記載されていたのが「給与所得控除の見直し」です。現在の給与所得控除は、収入金額のおよそ30%が控除される仕組み(※)。しかしサラリーマンの必要経費にあたる部分は給与収入の3%程度にすぎないといわれており「30%も引かれるのは手厚すぎる」というのが政府の意見です。

参考※国税庁「給与所得控除」

たとえば個人事業主の場合は給与所得控除の代わりに、65万円を控除できる「青色申告控除」の使用と事業にかかった経費の差し引きが認められています。しかし、多くの方はこれらを合算しても給与所得控除の控除額を超えません。「働き方の公平性を保つため」という名目で、今後サラリーマンの給与の天引き額を増やすことが予想されます。

この給与所得控除の増税については下記の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

参考【2023年7月最新版】実質増税!?給与所得控除の見直しに国民から怒り噴出!見直しの方針・理由とネット上の反応まとめ

「異次元の少子化対策」の財源確保:国民ほぼ全員から毎月500円徴収!

記事の前半でも触れていますが「異次元の少子化対策」の財源確保のために、2026年から月500円を社会保険料に上乗せして徴収することを検討しています。対象には健康保険から後期高齢者医療保険まで幅広く含まれており、実質的にほぼすべての国民の負担増につながるでしょう。

参考Yahoo!ニュース

国民からは「少子化対策のために国民の負担を増やしたら本末転倒だろう」という声が多く挙がっています。政府はこの異次元の少子化対策を「少子化の流れを反転するラストチャンス」としていますが、負担を増やす方向にばかり舵切りする現状となっており、国民の不信感は募るばかりです。

配偶者控除・扶養控除:廃止・見直しが示唆されている!

退職金控除や給与所得控除とともに、政府税制調査会の答申に含まれていたのが「配偶者控除・扶養控除」の廃止です。配偶者控除廃止は「年収103万円・130万円の壁が女性の社会進出を妨げている」のが主な理由。扶養控除廃止は「これからは16 ~ 18歳にも児童手当が支給されるので、扶養控除のない15歳以下との公平性を保つため」というのが主な理由となっています。

それぞれ理由は挙げられていますが、結果的に国民の税金が増えることに変わりはありません。あげくの果てに扶養控除については、年収によって児童手当の支給額を超える損をしてしまう可能性も。国民が損をしない控除の形をとられる可能性はあるのでしょうか。

生命保険控除:投資商品と同じ扱いになる?

年末調整でおなじみの「生命保険控除」についても、廃止もしくは見直しの検討が示唆されています。見直しの理由は「投資信託などの投資商品と変わらないから」というのが主です。生命保険は元本よりも大きなお金がもらえる可能性がある点で、たしかに投資商品と似ているといえるでしょう。

しかし生命保険の本質は、死亡や障害など人生のリスクに備えること。投資商品とは目的がまったく異なり、ここに増税するのは横暴といえるのではないでしょうか。仮に配偶者控除・扶養控除・生命保険控除がすべて廃止となれば、サラリーマンは年間約45万円の大幅増税となってしまいます。

まとめ

ステルス増税とは「増税とは言っていないけど、実質的に負担が増えている政策」がいつの間にか行われていること。「控除を見直す・廃止する」「上乗せ」などの言葉で表現していますが、実質的に増税とほとんど変わりない政策がいくつも計画されています。

今後、ステルス増税の主なターゲットとなるのは「増え続ける高齢者」と「労働人口の約90%を占めるサラリーマン」であるのはほぼ間違いありません。実質的な増税が続くこれからの日本で生きていくには、各個人での資産形成が非常に重要なポイントとなるでしょう。

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この記事の執筆: 及川颯

プロフィール:不動産・副業・IT・買取など、幅広いジャンルを得意とする専業Webライター。大谷翔平と同じ岩手県奥州市出身。累計900本以上の執筆実績を誇り、大手クラウドソーシングサイトでは契約金額で個人ライターTOPを記録するなど、著しい活躍を見せる大人気ライター。元IT企業の営業マンという経歴から来るユーザー目線の執筆力と、綿密なリサーチ力に定評がある。保有資格はMOS Specialist、ビジネス英語検定など。

ブログ等:はやてのブログ

この記事の監修: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

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