F/A-18F(独レベル1/32)を素組します・・・・その1
酷暑で日本列島全体が焼け焦げております。
オミクロンの容赦ない攻撃もあり、熱中症とともに皆様くれぐれもご自愛くださいませ。
さて、『トップガン マーヴェリック』は国内興収100億円突破!しました。
このブームで多くのモデラーがスーパーホーネットを作っているようですね。そんな中で
たかめの旧知のモデラーから、F/A-18F(独レベル1/32)の作成依頼がありました。
素組でよいということで強くお願いされたので、お世話になっている方でもあり、何とか頑張ろうと思います。
ただし、このキットは金型の調整ができていない感じです。
恐ろしく丁寧に一つ一つ削り合わせ、すり合わせ手を入れていきますので、御用とお急ぎでない方、スパホがよっぽどお好きな方のみお付き合いください。
以下は、あっくんパパ様にご報告したものです。本で拾ったり、外からパッと見ただけで分かるキットの弱点です。
1 機体上面は「金型の継ぎ目」が出放題で、全面の修正はかなりの手間です。胴体右側面はパネルラインが埋まっています。機体全体の表面が非常に「荒れ」ています。パネルラインはガタガタです。
2 全てのパーツが削り合わせをしないと合わない感じです。
3 第一風防は表面全体が波打っていて、クリアー面をかなり削ってツライチにしなければなりません。それから透明を出す作業がありそうです。
4 超分厚い動翼後端、二つの上尾翼の下端は機体と全くフィットしません。
5 主脚は説明書の手順では組めませんし、胴体に組み込めません。
6 タイヤはF1のスリックタイヤ状です。山なりにするためと溝をつくるためにプラ板細切りの貼りこみが必要です。
7 サイドワインダーは左右で全長が1㎜は違いますので、プラ板をはさんで整形しました。
8 説明書には、3組の構造材の上面を0.5㎜ほど削り下ろして胴体内面にフィットさせろの指示があります。
9 胴体表面や接合部の各部にいらない盛り上がり(バリの一種)があり、面でツライチにするのが大変です。
ちょっと見ただけでもこいう弱点があるキットです。
素組でもよいという「依頼」ですので、心が穏やかですが・・・・組むだけでも十分48の1機分のスクラッチを楽しめます。
以上あくまでもたかめの個人的な感想です。
まずは吊るし物から作りました。
これほど手こずりそうなキットでは、吊るし物が最後になると、その工作がおろそかになることが目に見えているからです。それだけは避けようと思います。
武装の中からは、実機作戦中どおりの、これだけの搭載の「依頼」です。
依頼者は流石はモデラー、分かっているモデラーであります。箱絵のようにフル装備したら、搭載燃料を1/3にしても発艦できないかもしれませんからWW
誘導爆弾(GBU-12)の先端のシーカー部は切り落として、クリアーランナーで透明化してあります。
サイドワインダー(AIM-9X)先端のシーカー部は、玉状の鎖の合金の玉を入れています。
左右の長さが違ったサイドワインダーをプラバンで積層延長してそろえました。シーカー部は例のごとく、切り落とし穴を穿って、合金の玉を入れました。ピカピカ光ってなかなかいい感じでしょうWW
この鎖は、鍵か何かを繋いでいたもので、廃物利用です。真ん中に穴がありますので、そこのぎりぎりまで埋めるのがポイントです。
パイロンには懸架装置と振れ止め等、一切ありません。
メインタンクの振れ止めはタミヤF‐16の余剰パーツを使用することにしました。
こんな感じでセットしていきます。
パイロン下は爆弾等をくっつける指示がありますので、振れ止め等のモールドは全くありません。
爆弾等を装備しない4機のパイロンは、下部がむき出しになりますので、振れ止め等をプラバンで追加しておきました。
パイロンには自動落下防止のために金属線を埋め込んでおります。
パイロン側面のモールドは浅いので、彫り込んでおきました。
爆弾を装備するパイロンは、爆弾等を密着させるために、注意深くモーターツールで凹面に削りこんでおきました。
振れ止めの〇の皿とパイロン先端の〇皿はプラ板から作りました。
主タイヤ、前タイヤとも写真左のようなF1のようなスリックになっています。
実機に近づけるためにプラバンで溝を作りつつ、肩を擦り落して「山形」にしていきます。右のは、中央にもう2枚の細切りのプラバンを貼り、山形にしていきます。
各タイヤに、0.2㎜プラ板細切り4枚を貼りこんだところです。
大体雰囲気がでました。プラ板の接合部は設置面として、自重変形の雰囲気で削り込みます。
タイヤの塗装をしてみました。
たかめは、タイヤは「タイヤブラック」で塗るのでなく。ジャーマングレーに白や赤を混ぜたものでグラデ―ションを入れます。
さて結論です。
結論1 箱絵の中の「必要スキル5」という表示は伊達でない感じです。
このキットは、合いがいいとか悪いとかというレベルの問題ではない落とし穴が山積していますのでビギナーにはお勧めできません。(まあ、必要スキル5のキットをビギナーのみなさんが購入することはないでしょうが・・・このマーベリック・ブームなので・・・)
結論2 MAでは「外観はよい」キットと書いてありましたが、私が今まで見たドイツレベルのキットの中で、外形以外はダントツに最悪です。独レベルファンのたかめは悲しくなりました。
皆さんの忌憚のないご意見をお願いいたします。
- 投稿日
- 2022/08/02 20:34
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コメント(14件)
こんばんは!
相当な難物をご製作とのこと。それにサンニイで現用ジェット戦闘機ともなると、その大きさ、作業量は半端ないと思いますが、たかさんは、淡々とこなされているご様子・・・、凄すぎです(驚愕)。更に、素敵なアイデアを駆使されてのディテール・アップの数々。今回も勉強させて頂きます(礼)。
MASAHARU 様
同感です。
模型会社は、タミヤのような超優良会社以外は、同じ会社内でも、金型を発注する先で毎回かなりのキットの出来上がりの差がありますね。
ドイツレベルのような老舗は金型等を「調整」してお客様が作りやすくする、「愛」を持っていると持っています。
次のキットではこのようなことはないでしょう。
ベテランは何とかできるのでいいのですが、初心者で12000円近く出してキットを買った方がかわいそうです。
今後ともおつきあいくださいませ。
宜楽斎様
コメントありがとうございます。
削り合わせがかなりかかる、手のかかるキットです。たかめのご友人方、とりわけ宜楽斎様のような超凄腕のモデラーならカッチリ完成させることは難しくはないのでしょう。しかし、ビギナーではなくてもまだ製作にそれほどなれていない方がこのキットを購入すると、作業量はかなり増えるし、それをしてもうまくいかないところがでたり、できても汚くなったりして、かなり苦労しそうです。
もっと頑張れ、ドイツレベル!
たかめの工作の情報が、このキットを作る方、たかめのお友達になにがしかのお役に立てれば幸いです。シーカーの金属化は、よいメタル塗料がないころにやりはじめましたが、このようによいメタル塗料が出た今では、あまり意味はないかもしれません。
素組ですので、必要最小限のディテールアップです。よろしくお願いいたします。
おはようございます。
お話では伺ったんですが、ここまでとは思いませんでした。
パーツの状態だと良さそうに見えるんですが残念です。実機と同じ構造で強度を持たせるというアイデアは良いと思いますが、そこで寸法を間違ったまま金型を作るようではダメですね。誰もチェックしなかったんでしょうか?
キチンとしたクオリティのキットを作れば末永く売れ続けるものになったと思われますが、最後はタミヤさんにお願いするしか無いかも知れませんね。
本キットを製作する際(ホントに作るの?)に参考にさせて頂きたいと思います。
おはようございます。
超難キットにたか様が挑む!
なんて素敵な企画なのでしょう。これを依頼された方には感謝しかありません。
「素組」とのことですが、早速たか様ならではのディテールアップが炸裂しているではありませんか!
チェーンの活用や振れ止めの加工も秀逸です。特に振れ止めに合わせた開口や溝がパーツの形状にピッタリでため息が出ます。
タイヤも同様です。この技法はいつか真似してみたいです。
めっちゃワクワクしました。ありがとうございます。
おはようございます。
とても参考になるリポートありがとうございます。
このクオリティで21世紀のキットとは悲しくなりますね。今どきの簡易キット並みかそれ以下というところでしょうか。
ちなみにこないだこさえた32ファントムも放置中の32トーネードのいずれもメインタイヤはF1スリック仕様でしたのでレベルのポリシーかもしれません。
続きを楽しみにしています。
こんばんは。 暑い中、大物着工で更に過熱して暑い夏になりそうです。
このキット、私も作りかけてはいますが色々と手がかかるので放棄中です。
流石、PROたかさん、一つ一つのパーツが別キットの様に活き活きしています。
またまた勉強させて頂きます。
あっくんパパ様
同感です。
寸法を間違ったまま金型にして、その修正をモデラーにさせる。そこで「必要スキル5」ってのは、まったくいただけませんね。中華キットならいざ知らず、老舗の独レベルの最新作に近いものですから・・・・。
レガシーホーネットの1/32はアカデミーがありますので、スーパーホーネットでタミヤさんの決定版が欲しいところですね。
修正しつつ、少しづつ作ってみますので、いろいろとサゼッションをくださいませ。
こんばんわ。
以前にアマゾンレビューでレベルキットに酷評があったのを覚えています。古いキットかなぁと読み流してたのですが。
こちらのキットは2019年発売のE型ベースで2021年にF型用パーツ追加で発売らしいですが。最新キットでこれとは・・・レベルは手を出さないほうがよさそうと思いました^^;。
工作内容が非常に勉強になります。今後の日記を楽しみにしております。
Fame461様
コメントありがとうございます。
少し「弱点」を書き過ぎました。
難キットではありますが、凄腕のFame461なら何の問題もなく作られますww
ブレーキパイプの追加やコクピット内の配管など自分の定番のディテールアップを入れて、キットを組むのを「素組」と思っております。手間のかからないものはやってみますので、応援よろしくお願いいたします。
シーカー部は現在はよい金属色がありますので、蛇足の情報かもしれません。
笑ってやってくださいませ。
mozobe 様
コメントありがとうございます。
同感です。
簡易キットの合いのよいものには負けるかもしれません。全体に金型の調整ができておらず、バリが沢山あります。今時の新キットでバリがこれだけあるのを見たことがありません。残念です。
ただ、外形は良いようですので、組み上がればそれなりの達成感がありそうです。
独レベルの1/32ジェットのメインギアのタイヤって、みんなスリックタイヤなんですね。それがポリシーなら、そんな模型会社の考え方はいけません。
mozobe様は、御作ファントムで素敵にタイヤの溝をつくっておられましたね。流石です。
今後ともサゼッションを頂けるとありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。
トロ様
毎回お付き合いいただき、非常にうれしいです。
トロ様も同じキットを作りかけておられますね。たかめの書いていることが実証される感じです。凄腕トロ様であれば、バンバン作られるでしょう。
ご案内のとおり、キットはあくまでも素材にしかすぎませんので、好きなように切ったり貼ったり磨いたりしていくと楽しいですね。工作を楽しんでおります。
このキットについて、または、このキットの製作について、いろいろとサゼッションを頂ければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
ViperZ 様
コメントありがとうございます。
このキットはネット上でもそのような評価なんですね。最新作なのにパーツの調整不足、バリが沢山・・・・・・・合いが・・・・ってなると、皆さん酷評になりそうですね。外形はいいみたいですが、よっぽどスーパーホーネットが好きな人以外、レベルのこれを作るのはよした方がいい感じですね。
このような工作が凄腕ViperZ様のようなモデラーの何かのお役に立てれば、望外の幸せです。今後とも仲良くしてくださいませ。
MASAHARUさん
2022/08/02 21:23
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この暑さです。体調には充分気を付けて、望んでください。
32でこれを出す独レベルの設計者はどうにかしてますね。