結論から言うと、かれこれ4年くらい
「棋譜利用料払い損」「ガイドラインの守り損」
という状態が続いているので早く何とかして欲しいというお願いです。
対局当日の棋譜利用に関しては
・全棋譜の利用を無償で許諾されるパターン(叡王戦、NHK杯など。無償許諾される棋戦は少数派)
・全棋譜の利用を有償で許諾されるパターン(名人戦、王将戦、朝日杯、銀河戦など)
・数手(数図)のみの利用を有償(一部無償)で許諾されるパターン(竜王戦、王座戦、棋王戦、王位戦、棋聖戦など)
などがあります。(※2023年9月時点でのものです。今後変更される場合があります)
有償で棋譜の利用を許諾されるパターンは一局あたり数万円が相場です。
王将戦だけ数千円と格安ですが、それ以外の棋戦は数万円です。
こちらは「払わず無断利用している人が大半」という話を各棋戦の担当者の方から伺っています。
私がお支払いしている棋譜使用料は
毎年数百万円に及びます。
当然、棋譜並べ動画単体で考えるとよほどバズらない限り大赤字ですが
「棋譜並べ以外の動画に対する広告費用」と割り切らざるを得ません。
また、例えば竜王戦、王位戦、王座戦、棋聖戦、では
「数手(数図)のみの利用を無償で許諾されるパターン」に当てはまりますが
現状、大半の方が無視してyoutubeなどの媒体に全棋譜の解説動画をアップロードしている状態です。
申請して許可を得て使う=棋戦によっては一局あたり万単位の棋譜利用料を払う上に、
棋譜の利用は大幅に制限される。再生数も伸びない
無許可で使う= 棋譜利用料は無料、棋譜もすべて使える。現状罰則は一切無し
という事で、ほとんどの人が棋譜を無許可で使用している状態です。
例えば現在行われている藤井七冠 VS 永瀬王座 の王座戦は
「対局日から2か月以内の棋譜全体利用」はガイドラインにて、有償であっても禁止されています。
にも拘わらずyoutubeには全棋譜を解説した動画が大量に出回っています。罰則もありません。
これはガイドラインを遵守する側に極めて不利な状況です。
私がお願いしたいのは
「不公平をなくして欲しい」ということです。
お金をお支払いするのも、棋譜の利用を制限されるのも結構ですが
守った側だけが損をするというのであれば、ルールを作る意味がありません。
ガイドラインを破る人に対して厳正な対処をするか、
ガイドラインに載せるルール自体を「訴えれればほぼ確実に勝てる」
というレベルの実効性のあるものに修正して欲しいです。
「ルールを守れば守っただけ損する」という現状はあり得ないと思います。
棋譜利用をする際は下記のURLの
「棋譜利用に関するお問い合わせフォーム」に入力し、
日本将棋連盟や各棋戦の主催の方から利用条件などをご返信頂きます。
2
1. 動画の削除を申し立てる
2. 動画からの収益を、アップロード者と著作権者で分配する
という選択肢が与えられます。
後者の分配比率はおおむね半々のようです。
連盟や新聞社のような著作権者は(そもそも棋譜に著作権が正当に主張できるのかどうかという大問題はあるものの)、
A. 自分たちで直接コンテンツを作って得る収益
B. 使用料を支払ってくれる正直者のコンテンツ制作者からの収益
だけでやりくりするよりも、
C. たくさんの制作者が、多様なターゲットに多様な方法で制作してくれるコンテンツからの、分配収益
を得るほうが、多様なコンテンツのおかげで最終的なコンテンツの総視聴時間も多くなり、ひいては関係者全体の収益も、おそらくは連盟や新聞社の収益も多くなると期待できます。連盟や新聞社は、アベマやアユムさんのようなコンテンツ制作のプロではなく、そうなる必要もないのです。
確立された音楽著作権の手法を、著作権すらあやうい将棋界に乗せるには、たくさんのハードルがありそうですが、結局は「生み出す価値の合計」を増やしさえすれば、あとは分配の問題になるはずで、1割にするか半分にするか9割にするかを、話し合って決めれば良いだけです。
もっとも、似たような「既存の仕組みを変えるようなビジネス提案」は、水匠のたややさんさんもやって玉砕しているような気もしますが…。
これは、棋譜だけでなく、アベマの切り抜きなんかにも言えることですね。ファンが望む切り抜きをことごとくアベマが自分で生産できるのでない限りは、死蔵させずに外部に委託してこそ社会的責任だとさえ思います。あとは正当な収益分配比率を得ればよい。なんなら取り分100%だって、死蔵させるよりはよっぽどいいのです。無償で作りたいというひとさえゼロではないはず。(棋士の品位を貶めるような編集をする輩が…のような心配は、まったく別の話で、それはそれで正当に対処する方法はいくらでもあります)
以上、先鋭的な意見だとは思いますが、つい、筆が乗ってしまいました。
a
2023-09-30 07:19:02
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