長野県佐久市で、中学生が車にはねられ死亡した事故で、28日、救護義務違反の罪に問われた男性に、東京高裁が逆転無罪の判決を言い渡しました。
父・和田義光さん:
「ちょっと考えられません。なぜ我々の思いが司法に届かなかったのか」
母・真理さん:
「樹生にかける言葉は見つからない。このまま刑が確定するようなことがあれば、こんな国に産んでごめんねとしか言えないです」
一審の長野地裁で実刑判決となった「救護義務違反」(ひき逃げの罪)は、なぜ覆ったのか、判決公判の要旨です。
【主文】
原判決を破棄する。被告人は無罪。
【起訴事実】
2015年3月23日午後10時7分ごろ、被告人が長野県佐久市で乗用車を運転中、横断歩道を渡っていた和田樹生さん(当時15歳)をおよそ44メートルはね飛ばす事故を起こしたのに直ちに車の運転を停止して、救護するなど必要な措置をとらず、直ちに警察官に報告しなかったもの。

これに対し2022年11月の一審判決は、起訴事実とほぼ同じ内容を認定し、懲役6か月の実刑を言い渡した。
■判決を不服として2022年12月に被告側が控訴。